通信速度にフォーカス NTTの5Gネットワークスライシングの特徴とは
NTTドコモビジネスが5Gネットワークスライシングのサービスを提供開始した。この種のサービスでは後発になるが、NTTのネットワークスライシングはどんな位置付けで、どんな内容なのか。
NTTドコモビジネスは、NTTドコモと共同開発した5Gネットワークスライシングサービスを、「5Gスライシング」という名称で2026年3月26日に提供開始した。既に世界中の移動体通信事業者の間で広がりつつあるが、NTTのサービスはどのような特徴を持つのか。
「5Gネットワークスライシング」とは、セルラー通信サービス上で特定の通信品質特性を持った仮想ネットワークを構成するもの。これを付加価値サービスとして法人顧客に販売する。5Gネットワーク上に特定顧客/用途用の「スライス」を切り出すイメージなのでこう呼ばれる。
5Gネットワークスライシングサービスでは、一般的に帯域(通信速度)と遅延を主要なパラメーターとし、特定顧客/用途に無線リソースを割り当て、制御することで品質を確保する。こうした制御には5Gの機能を使うため、5G SA(スタンドアロン)のカバー範囲でしか提供できない。
「第3のサービス」 5Gスライシングはどんなサービス?
NTTでは、これまで「docomo business プライベート5G」という名で、法人向けにプライベート/ローカル5Gサービスを提供してきた。第1に、「5Gワイド」は、LTE/5G公衆網で顧客の通信を一般ユーザーより優先するもの。LTEでも使えるサービスで、広く全国をカバーする。第2に「ローカル5G TypeD」はクラウド型のローカル5G。基地局は顧客の敷地内に設置し、無線リソースは専有となる。
これらに続く第3のサービスとして予告していたのが5Gスライシング。5Gワイドとローカル5G TypeDの間を埋める位置付けとなっている。
「5Gワイドは優先制御。一般の高速道路上で救急車や優先車両を走らせるようなもの。一方、5Gスライシングでは専用の車線を割り当てて通信する」とNTTドコモビジネスは説明する。つまり5Gスライシングは、いくら通信が混雑しても品質を維持できるサービスだ。
NTTドコモビジネスの5Gスライシングには、工場などでの利用を想定した「常時利用型」、イベント放送のリモートプロダクションなど一時的な利用のための「予約利用型」という2つのプランがある。どちらの場合も、必要に応じて5G基地局を設置する。
では、通信品質についてはどんな内容なのか。スライシングの主なパラメーターには、前述の通り帯域と遅延があるが、顧客の要望を受けて、現在のところ帯域のみにフォーカスするという。動的な制御ではなく固定的な設定により、「顧客が求める通信速度を一定維持するようにスライスを設定して固定する」と説明している。通信品質に関するパッケージメニューはない。オーダーメイドでの提供だ。
モバイル通信では電波環境の問題もあり、通信速度の「保証」はできない。とは言え、顧客からは大きな要望があるため、どういった要件でどんな「保証」を提供していくかについてを今後詰めていきたいという。低遅延を維持するオプションについても引き続き検討していく。
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