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ExcelとPowerPointを行き来する手間解消 Claudeの「コンテキスト共有」と「スキル」で業務自動化コピペは不要? 業務自動化の具体例をAnthropicが解説

Anthropicは「Claude for Excel」と「Claude for PowerPoint」を強化し、複数ファイル間でコンテキストを共有できる機能を導入した。定型ワークフローをワンクリックで実行する「スキル」機能も追加された。

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 Anthropicは2026年3月11日(米国時間、以下同)、「Claude for Excel」および「Claude for PowerPoint」の両アドインが、1つの会話セッション内で「Microsoft Excel」(以下、Excel)および「Microsoft PowerPoint」(以下、PowerPoint)の複数ファイルにまたがってコンテキストを共有できるようになったと発表した。

 これまではExcelとPowerPointを行き来する場合、ユーザーがデータやコンテキストをAI(人工知能)に説明(指示)し直す必要があった。この機能更新により、一方のアプリケーションでのClaudeの全アクションは、もう一方のアプリケーションのコンテキストを踏まえて実行されるようになり、作業を円滑に進められるとしている。

コピペは不要? 業務を自動化する具体例

 財務分析の作業では、次のような一連の処理をアプリケーションを切り替えて説明し直すことなく、同じ会話の中で実行できるようになる。

  1. ワークブックから比較企業の財務データを取得
  2. Excelで比較企業分析テーブルを作成
  3. 評価サマリーをPowerPointの提案用プレゼン資料に挿入
  4. 上司へのメール下書きを作成

 スキル機能を利用することで、複数ステップのワークフロー全体をワンクリックで実行できる。差異分析の実行や、自社のテンプレートを用いたクライアント向けプレゼン資料の作成など、チームで確立した最適な作業手順をスキルとして保存することで、同じプロセスを将来にわたって即座に再現できるようになる。

 Claude for ExcelおよびClaude for PowerPoint向けには、金融分析や資料作成で頻出するユースケースを網羅した初期スキルセットがあらかじめ用意されている。

  • Claude for Excel向けスキルの例
    • 財務モデルの数式エラーおよびバランスシートの整合性監査
    • LBO(レバレッジドバイアウト)やDCF(ディスカウントキャッシュフロー)などの企業価値評価モデルや財務三表モデル(損益計算書/貸借対照表/キャッシュフロー計算書の連動モデル)のテンプレート構築と入力
    • 比較企業分析の実行
    • 乱雑なスプレッドシートデータのクリーニング
  • Claude for PowerPoint向けスキルの例
    • 市場ポジションや同業他社分析を含む競合状況分析資料の作成
    • 新情報や追加データによる既存資料の更新
    • 投資銀行向け資料の数値整合性、データと説明の一致、文言のチェック

 これらの初期スキルは、両アドインに自動インストールされる「Financial Analysis plugin」からも利用できる。同プラグインに追加された新しいスキルは、追加の設定なしで使用可能だ。

Claude for Excelのスキル機能。右パネルにスキル一覧が表示され、ワンクリックで財務モデルのワークフローを実行できる(提供:Anthropic)
Claude for Excelのスキル機能。右パネルにスキル一覧が表示され、ワンクリックで財務モデルのワークフローを実行できる(提供:Anthropic)

 デスクトップアプリケーションやWeb版でClaude向けに設定済みのスキルは、MCP(Model Context Protocol)コネクターと同様に、ExcelやPowerPointのアドインでもそのまま利用できる。

 システムプロンプトのように機能する「インストラクション」機能を通じて、Excelの数値フォーマットの統一やPowerPointの箇条書きを1行に収めるなど、アプリケーション全体に常時適用したい設定を事前に定義することも可能だ。

 一度設定すれば追加のプロンプトなしで自動適用される他、Claude自身にインストラクションの作成や編集を支援させることもできるという。

クラウドプラットフォームとの統合

 Claude for ExcelおよびClaude for PowerPointは、「Amazon Bedrock」「Vertex AI(Google Cloud)」「Microsoft Foundry」の3つの主要AIプラットフォームを通じて利用できるようになった。

 組織はClaudeアカウントを通じてアドインを直接利用するか、既存のLLM(大規模言語モデル)ゲートウェイを経由して、Amazon BedrockやGoogle CloudのVertex AI、Microsoft Foundry上で稼働するClaudeモデルへトラフィックをルーティングするかを選択できる。

 ClaudeはExcel内でAgent Modeをネイティブに機能させるため、「Microsoft 365 Copilot」を利用するユーザーは、ワークブックの作成・編集・分析をCopilotと並行して実施することもできる。

 Claude for ExcelとClaude for PowerPoint間のコンテキスト共有機能は、Claudeの有料プランの「Mac」および「Windows」ユーザーを対象に、β版として提供されている。またExcelおよびPowerPointのスキル機能も、全ての有料プランで利用可能だ。

 なお、2026年4月10日のアップデートで、「Claude for Word」のβ版がTeamプランおよびEnterpriseプラン向けに提供開始されたこともアナウンスされている。ただし、複数ファイル間でのコンテキストの共有およびスキル機能の実行が明言されているのは、あくまでExcelとPowerPointの2つのアプリケーション間のみである点に留意する必要がある。

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