AI誤決裁の責任は誰が取る? 自動化していい業務/ダメな業務の境界線:AIへの代替に7割が慎重
エイトレッドが「ワークフローのAI代替可能性に関する実態調査」の結果を公表。7割超の担当者が「ワークフローの承認・決裁をAIに任せるべきではない」と回答したことが明らかとなった。
ワークフローシステムを提供するエイトレッドは2026年5月27日、「ワークフローのAI代替可能性に関する実態調査」の結果を発表した。同調査は、生成AIを業務で利用した経験があり、かつワークフローシステムの導入・運用に関わる情報システム・総務・DX(デジタルトランスフォーメーション)推進担当者109人を対象に、2026年5月15〜16日にインターネット調査を実施したものだ。
AIへの代替に7割が慎重、その理由は?
同調査の結果によると、『あなたは、ワークフローの「承認・決裁プロセスそのもの」をAIに任せるべきではないと思いますか』という設問に対して、「非常にそう思う」という回答が25.7%、「ややそう思う」が45.9%を占め、両方を合わせた7割以上の回答者が「AIに任せるべきではない」と回答した。
「AIに任せるべきではない」と答えた回答者にその理由を尋ねたところ、結果の上位3つは「AIの判断根拠がブラックボックスで説明できないから」(62.8%)、「承認・決裁には人間としての責任が伴うから」(57.7%)、「AIが誤った承認をした場合の責任の所在が不明確だから」(37.2%)となった。
その他の理由として、「100%絶対に間違えない保証がない限り、必ず人の確認が必要だと思う」「誤って決裁された時に気付かない可能性」「ヒトとしての自主性・自立性が損なわれる」「AIのアルゴリズムを悪用した不正があり得る」「決定した理由を運営者が説明できなければ体が成り立たない」なども挙げられた。
AIに代替しても問題ない機能と今後の望ましい在り方
ワークフローの機能のうち、AIで代替・自動化しても問題ないと思うものについて聞いた設問では、「申請内容の自動チェック・不備検出」(58.7%)が最多となり、これに「申請データの自動入力・転記」(46.8%)、「過去の類似案件の検索・参照」(45.9%)が続いた。一方、「決裁(承認・却下)の自動化」は16.5%にとどまっている。
「あなたの会社では、ワークフローシステムと生成AIの連携・活用はどの段階まで進んでいますか」という設問では、「ワークフローシステムとAIの連携に関心はあるが、まだ着手していない」との回答が32.1%、「ワークフローシステムとAIの連携は検討していない」が14.7%を占め、両方を合わせて46.8%がAI連携に着手していない実態が明らかとなった。
AI進化に伴うワークフローシステムの存在価値の変化
「あなたは、AIの進化に伴い、ワークフローシステムの存在価値は以前と比べてどう変化していると思いますか」という設問では、「やや向上していると思う」との回答が48.6%、「大幅に向上していると思う」が19.3%を占め、両方を合わせて67.9%の回答者がAIの進化に伴い存在価値は向上していると回答している。
この設問で「存在価値が向上していると思う」と回答した74人に対して、その理由を聞いたところ、「全社共通の承認基盤として部門ごとのバラつきを防げるから」(52.7%)、「AI活用が進むほど、ガバナンスや統制の仕組みが重要になるから」(44.6%)、「AIと連携することで、ワークフローシステム自体の利便性が向上しているから」(39.2%)といった回答が上位を占めた。
「あなたは、今後のワークフローシステムとAIの関係について、どのような在り方が望ましいと思いますか」という設問に対しては、「低リスクな定型案件のみAIが自動承認し、人間は事後確認と例外対応のみを行うべき」が43.1%で最多となり、「AIは過去データに基づく『参考情報の提示』に留め、全ての判断は人間がプロセスを確認した上で行うべき」が22.0%で続く結果となった。
これらの調査結果についてエイトレッドでは、AI活用が急速に進んでいる中でも、承認・決裁の領域では依然として人間の関与が不可欠と多くの企業が捉えているとしている。その上で同社は、「注目すべきは、こうした慎重姿勢がワークフローシステムの否定ではなく、むしろ統制基盤としての再評価につながっている点だ。定型業務のAI自動化と、判断プロセスの可視化、記録を両立させる『二層構造』の設計が、今後の論点となるのではないか」と提言している。
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