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ここ1年で7倍に増えたn8nを悪用したデバイス追跡とマルウェア配布の手口夏休みに振り返る2026年上半期ニュース(2/2 ページ)

Cisco Talosは、AIワークフロー自動化プラットフォーム「n8n」を悪用したフィッシングキャンペーンの増加を確認した。攻撃者は正規サービスを通じてマルウェア配布やデバイスフィンガープリンティングを自動化しているという。

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マルウェア配布への悪用

 Cisco Talosは、「Microsoft OneDrive」の共有フォルダを装ったメール内に、n8nでホストされたWebhookリンクを使うフィッシングキャンペーンを観測した。リンクをクリックすると、対象ユーザーのWebブラウザでCAPTCHAを含むWebページが開き、CAPTCHAを完了するとダウンロードボタンが表示される。ペイロードは外部ホストからダウンロードされるが、全プロセスがHTMLドキュメントのJavaScript内で完結するため、Webブラウザ上ではn8nドメインからのダウンロードに見える。

 このケースでは、ペイロードは自己解凍アーカイブを装った「DownloadedOneDriveDocument.exe」という実行ファイルだった。実行すると、RMM(Remote Monitoring and Management)ツール「Datto RMM」の改変版がインストールされてPowerShellコマンドの連鎖が実行される。

 PowerShellコマンドは、Datto RMMツールを抽出、構成してスケジュールタスクとして設定し、起動することで「centrastage[.]net」ドメイン上のリレーへの接続を確立した後、自身とペイロードの残りを削除する。


Webhook経由で配信されるマルウェアの攻撃チェーン(提供:Cisco Talos

 Cisco Talosは、別のペイロードを配信するために同様にn8n Webhookを利用した類似キャンペーンも観測した。このCAPTCHAコードは先のケースよりも単純で、CAPTCHAを解くと、悪意を持って改変されたMicrosoft Windows Installer(MSI)ファイル「OneDrive_Document_Reader_pHFNwtka_installer.msi」が配信される。

 このペイロードは解析対策パッカー「Armadillo」で保護されており、バックドアとしてRMMツール「ITarian RMM」を悪用する。「msiexec.exe」で実行されると、ITarian RMMの改変版がインストールされ、Pythonモジュールで標的システムから情報を窃取する。この過程で偽のインストーラーGUIがプログレスバーを表示し、完了後にバーが0%にリセットされてアプリが終了することで、インストール失敗の印象を演出する。

デバイスフィンガープリンティングへの悪用

 Cisco Talosは別の一般的な悪用事例として、デバイスフィンガープリンティングを観測している。これはメール内に透明な画像(トラッキングピクセル)を埋め込むことで実現される。HTMLタグ「img」が使用されると、メールクライアント(Microsoft OutlookやGmailなど)は指定URLから画像を取得するよう指示される。

 メールクライアントが画像を読み込もうとすると、指定されたアドレス(n8nのWebhook URL)に自動的にHTTP GETリクエストを送信する。これらのURLには被害者のメールアドレスなどのトラッキングパラメーターが含まれており、サーバ側でどのユーザーがメールを開封したかを正確に特定できる。

 画像は「display」と「opacity」のCSSプロパティによって不可視化されている。Cisco Talosは、ギフトカードの新機能を紹介する別のスペイン語のスパムメールでも、同じ手法でメール開封追跡とデバイスフィンガープリンティングが行われていたことを確認している。


n8nが悪用されたスペイン語のデバイスフィンガープリンティングメールの例(提供:Cisco Talos

防御側に求められる対応

 Cisco Talosは、AIワークフロー自動化プラットフォームの悪用に対して、より高度な振る舞いベースの検知への移行が必要だと指摘している。対策としては、セキュリティ専門家との脅威インテリジェンスの共有、AIを活用した検出機能を備えたメールセキュリティの導入を推奨している。

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