ChatGPT、Gemini、Claude Sonnet 5の“最強”は? 「速度」と「安定性」を実測して比べてみた:3サービスをAPI経由で比較
主要なAIチャットサービスの「ChatGPT」「Gemini」「Claude Sonnet 5」の中で、応答速度が一番速いのはどれなのか。時間帯によって速度は変わるのか。測定値はどれだけ安定しているのか。実測を基に検証する。
IT調査会社のICT総研は2026年7月21日、「2026年7月 AIチャットサービス応答速度実測調査」の結果を発表した。調査では、主要なAIチャットサービス3種を対象に、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)経由での応答速度を調べた。
OpenAIの「ChatGPT」とGoogleの「Gemini」、Anthropicの「Claude Sonnet 5」の3サービスを調査対象にした。測定に用いたモデルは、モデルIDで「gpt-5-chat-latest」「gemini-3.5-flash」「claude-sonnet-5」だ。
測定は12時台を昼帯、2時台を深夜帯として実施した。各サービスへの質問には、一般知識を問う一問一答形式の短文10種類を順番に使用。出力上限は3サービスとも200トークンに統一した。具体的な測定結果を見ていこう。
「ChatGPT」「Gemini」「Claude Sonnet 5」を回答開始の速さと安定性で比べると?
ChatGPTでは、質問送信から回答開始(回答の最初の文字を表示すること)までの時間である「初回トークン到達時間」(TTFT:Time to First Token)の中央値が、昼帯0.70秒、深夜帯0.73秒となり、3サービスの中で最速となった(図1)。TTFTの測定値の標準偏差は、昼帯では3サービス中で最大の0.43秒、深夜帯では真ん中の0.44秒となった(図2)。つまりChatGPTは、回答開始までの速さは最も速い一方、測定値のばらつきは比較的大きいということだ。
Geminiでは、TTFTの中央値が昼帯1.79秒、深夜帯2.05秒となり、3サービスの中で最も遅かった。ただし昼帯と深夜帯の差は0.26秒にとどまった他、標準偏差は昼帯も深夜帯も0.20秒となり、3サービスの中で最小だった。つまりGeminiは、回答開始までの速さは最も遅い一方、測定値のばらつきは最も小さく、時間帯による速度の変化もあまりないということになる。
Claude Sonnet 5では、TTFTの中央値が昼帯0.94秒、深夜帯1.05秒、標準偏差は昼帯0.30秒、深夜帯0.45秒となり、いずれも3サービス中の真ん中だった。標準偏差に注目すると、昼帯よりも深夜帯の方が大きいことが分かる。つまりClaude Sonnet 5は、回答開始までの速さと測定値のばらつきが中間的な水準である一方、ばらつきが深夜帯に大きくなる。
日本の深夜帯は米国や欧州の利用集中時間帯と重なることから、グローバルサービスでは必ずしも深夜帯のサーバ負荷が下がるとは限らない。こうした事情が今回のClaude Sonnet 5における深夜帯の標準偏差拡大の要因として考えられると、ICT総研は説明する。
回答完了もChatGPTが最速 Geminiは開始後“すぐ完了”、Claude Sonnet 5は生成に時間
質問送信から回答完了(回答の表示が全て完了すること)までの時間を指す「完全応答時間」(E2E:End-to-End Latency)では、サービスごとの特性の違いがより明確に現れた。
ChatGPTでは、E2Eの中央値が昼帯1.29秒、深夜帯1.27秒となり、3サービスの中で最速を維持した(図3)。E2Eの中央値とTTFTの中央値の差は、昼帯0.59秒(1.29秒−0.70秒)、深夜帯0.54秒(1.27秒−0.73秒)だった。つまりChatGPTでは、回答開始から完了までにわずかなタイムラグが生じることになる。
Geminiでは、E2Eの中央値が昼帯1.79秒、深夜帯2.05秒となり、TTFTの中央値(昼帯1.79秒、深夜帯2.05秒)との差がなかった。つまりGeminiでは、回答開始から完了までシームレスにつながるということだ。
Claude Sonnet 5では、E2Eの中央値が昼帯3.28秒、深夜帯3.41秒となり、TTFTの中央値の約3倍だった。E2Eの中央値とTTFTの中央値の差は、昼帯2.34秒(3.28秒−0.94秒)、深夜帯2.36秒(3.41秒−1.05秒)だった。つまりClaude Sonnet 5では、回答開始から完了までに無視できない時間がかかることになる。
測定値は測定方法や実施日時に加えて、ネットワークやサーバなどの稼働状況によっても変動することから、各社が公表している値とは異なる場合があるとICT総研は説明する。今回はAPI経由での計測となっており、通常利用の場合よりも若干速くなる傾向があるという。
調査では、2026年7月14日の12時台を昼帯、7月15日の2時台を深夜帯として、各サービスについて各時間帯30回ずつ、30秒間隔で測定した。測定時は有線LANで接続し、VPN(仮想プライベートネットワーク)は無効にした。
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