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「トークン単価50%減でもAI請求額が跳ね上がる」なぜ? Uberは4月で年間予算が枯渇AI使用量を競う「トークンマクシング」は死んだ(2/2 ページ)

IDCが生成AIやAIエージェントの利用拡大に伴うコスト管理の課題とガバナンスの重要性を解説した。トークン単価が下落しても予算超過が頻発する実態を指摘し、ワークロードごとの責任明確化を提言している。

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61%の組織がAI予算を超過する中東・アフリカ調査では、超過幅が15%未満に

 もっとも、適切なガバナンスを早期に敷くことで、コスト超過の規模を一定範囲内に抑えられる兆候も出ている。IDCが2026年4月に中東、トルコ、アフリカ地域で実施したクラウドAI支出についての最新のグローバル調査(IDC #META54767326、2026年8月発行)では、調査対象となった組織の61%が2025年のクラウドAI予算を超過し、予算を超過した組織のうち83%は、超過幅が予算全体の15%未満にとどまっていたとしている。

 IDCは、このデータは、早期の段階からガバナンス体制を構築しておくことで、予期せぬ予算超過を完全に防ぐことはできずとも、被害を抑制できることの証明だとしている。

1400人のITリーダーが直面する最大の壁

 一方で、AI支出の可視性の確保は依然として困難を極めている。IDCが1400人以上のITリーダーを対象に2026年5月に実施した調査「Worldwide Technology Buyer and Spending Outlook」(IDC #US54051126、2026年7月発行)によると、トークンベースおよび推論ベースの価格体系に対する予算策定の難しさが、AIベンダーの価格モデルを評価する組織にとって最大の障壁となっていることが判明した。状況は改善するどころかいっそう深刻化しているという。

「AI予算枠」を持つ組織は20%のみ、CFOとCIOの責任の空白を埋めるガバナンスモデル

 このガバナンスギャップを埋めるためには、CFO(最高財務責任者)とCIO(最高情報責任者)が連携して責任を分担する必要がある。IDCがCFOとCIOの関係性を調査したレポート(IDC #US53393425、2025年7月発行)によると、両者の役割はテクノロジーについての意思決定において影響力を強め合っているものの、明確に調整された共通の職務権限は確立されていない。

 独立したAI予算枠を設定しているCEOは5人に1人(20%)に過ぎない。企業のAI支出の大半は、AIのコストを個別に追跡するようには設計されていない既存のIT予算枠の内部に埋もれており、モデルを構築した開発担当者と、送られてくる請求書に対応しなければならない財務担当者との間にある境界線上に放置されているという。

 IDCはこの境界線によって生じるコストの空白は、適切なフレームワークの適用によって解決可能だとしている。IDCが提示するガバナンスフレームワークでは、以下の要件を求めている。

  • 最初の1ドルを消費する前に、AIワークロードごとに1人の明確な責任者を指名すること
  • 役員会向けのプレゼンテーション資料に記載するだけの形式的な組織図ではなく、実効的な決定権限を伴うオーナーシップ構造を構築すること
  • 請求書による事後的な判明を待つのではなく、四半期ごとのFP&A(財務計画・分析)サイクルで、トークン消費量の計画との差異を定例の検討項目として組み込むこと

 Washington Post Intelligenceの提言も方向性を同じくしており、AI支出を他の主要な予算区分と同様に扱い、継続的に監視し、責任の所在を明確に割り当てるべきだと結論付けている。

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