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OpenAI「GPT-6 Astra」発表 Codexのコーディングは前世代からどれだけ進化?攻撃コード生成「ExploitBench」で100%の満点

OpenAIは、次世代AIモデル「GPT-6 Astra」を発表した。PC自律操作やコーディング、セキュリティ検証などの能力が大幅に向上し、抽象推論ベンチマークテスト「ARC-AGI-3」で99.9%のスコアを達成したという。

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 OpenAIは2026年9月3日(米国時間)、次世代の大規模言語モデル(LLM)「GPT-6 Astra」を発表した。事前学習や強化学習、アライメント研究の成果を統合したフロンティアモデルであり、PCの自律操作(Computer Use)やコーディング、サイバーセキュリティ、科学研究、専門業務などの領域で性能向上を達成したとしている。

 同モデルは、抽象推論ベンチマーク「ARC-AGI-3」で99.9%、既知の脆弱(ぜいじゃく)性からエクスプロイト(攻撃コード)を作成する能力を評価する「ExploitBench」で100%を記録した。高度な推論力とPC操作能力を組み合わせ、実務タスクを自動化するという。

提供方式、利用可能プラン、料金

 GPT-6 Astraは同日より一部組織への提供を開始し、その後数日間で「ChatGPT Plus」「ChatGPT Pro」「ChatGPT Business」「ChatGPT Enterprise」の各プラン、開発者向け「OpenAI API」、クラウドサービス「Microsoft Azure」、Amazon Web Services(AWS)の「Amazon Bedrock」を通じて順次提供する。

 Enterpriseプランでは管理者がワークスペースごとに有効化できる。APIでのモデル名は「gpt-6-astra」として提供される。

 標準料金は入力トークン100万個当たり10ドル、出力トークン100万個当たり50ドルで、キャッシュの読み書きには別途料金が適用される。最大2倍の速度で動作する「Fast mode」は標準料金の2倍の価格で利用できる。適格なAPIユーザー向けにはデータ非保持(Zero Data Retention)がサポートされる。

OSWorld 2.0で作業時間を47%削減、PC自律操作の精度を向上

 GPT-6 Astraは、PC画面の視覚認識とマウスやキーボードの自律操作において高い速度と精度を備える。Webフォーム入力やCRM(顧客関係管理)ツールのデータ更新、カレンダー調整、Web調査と要約作成、科学データ分析、Webサイト構築、フロントエンドの品質保証(QA)テストまで自律的に遂行できる。

 実務的な環境を模したベンチマーク「OSWorld 2.0」のレイテンシシミュレーションにおいて、GPT-6 Astraは前世代モデル「GPT-5.6 Sol」と比較して約47%短い時間で高いタスク完了精度を記録した。GPT-5.6 Solが1タスク当たり約75分を要してスコア65.7%であったのに、GPT-6 Astraは約40分で72.6%を達成した。

専門業務向け能力の向上、Sitesとの連携で公開、共有

 専門業務向けの文書作成や分析能力も強化され、テンプレートに従ったスライド資料や表計算シート、分析レポートの作成が可能となった。

 「Blender」で住宅を3Dモデル化し、「Unreal Engine 5」の歩行可能シーンに変え、デザイナーやクライアントがレイアウトを探索し、構築前に空間を体験するのを支援する。


Blenderで住宅を3Dモデル化し、Unreal Engine 5の歩行可能シーンに変換した結果のデモ(提供:OpenAI

 ChatGPT内の機能「Sites」と連携し、プロンプトからの指示に基づいて直接WebサイトやWebアプリケーション、ゲームを作成、公開、共有できる。

Codexにコンテキストの喪失を防ぐ機能

 ソフトウェア開発分野において、GPT-6 Astraは端末操作ベンチマーク「Terminal-Bench 4.0」で57.9%(GPT-5.6 Solは37.3%)、ソフトウェアエンジニアリング評価「DeepSWE v1.1」で74.1%(同72.7%)を記録した。

 コード生成・実行環境「Codex」の実行基盤も刷新された。Web操作ベンチマーク「Mind2Web」ではGPT-5.6 Sol利用時と比べて1.9倍の速度でタスクを完了できるようになったという。

 Codexでは、コンテキストウィンドウが満杯になった際に履歴を圧縮、要約する従来の方式を改め、複数のコンテキストウィンドウ間で詳細なnote(メモ)を保持する機能を導入した。従来の手法では、デバッグやリファクタリングなど長時間のセッションで要約が繰り返される際、修正の失敗原因やコンポーネントの挙動についての細部情報が抜け落ちる課題があった。

 GPT-6 Astraでは詳細情報をnote(メモ)として保持しつつ、過去のコンテキストウィンドウも検索可能に維持する。これにより、要件やテスト結果を以前のメッセージや出力から正確に引き出せる。この機能は現在、設定ファイル「Codex config.toml」で実験的機能として有効化でき、数週間以内にデフォルト(既定)の動作となる予定だ。

ゼロデイ脆弱性の発見能力の向上と悪用リスクへの対策

 サイバーセキュリティ分野において、GPT-6 AstraはOpenAIの安全枠組み「Preparedness Framework」の最高警戒水準「Critical(重大)」の閾(しきい)値に達した。

 保護機能を外した評価実験において、既知の脆弱性から攻撃コードを開発する「ExploitBench」で100%の満点を記録(GPT-5.6 Solは78.5%)した他、バイナリのリバースエンジニアリング能力を測る「SRE-bench」では1回の試行で88.0%、4回以内で99.2%のタスクを解決した(GPT-5.6 Solはそれぞれ55.9%、68.7%)。


ExploitBenchで100%の満点を記録(GPT-5.6 Solは78.5%)(提供:OpenAI

 過去データの学習による影響を排除するために、2026年6〜8月に報告された「Google Chrome」のJavaScriptエンジン「V8」の脆弱性を対象とした内部評価「ExploitBench(June-August 2026)」を実施したところ、高い任意のコード実行率を達成した。その検証過程において、同モデルは2件の未知のゼロデイ脆弱性を自律的に特定して悪用実証を行い、OpenAIはこれらをソフトウェア管理者へ開示したとしている。

 専門家による検証では、保護機能を解除したGPT-6 Astraが、セキュリティが強化されたWebブラウザにおいて未知の脆弱性を用いた任意コードを実行し、堅牢(けんろう)化されたOSにおいて権限昇格エクスプロイトを作成できることが確認された。

 悪用リスクへの対策として、一般提供されるモデルでは概念実証(PoC)エクスプロイトの作成といった高度な攻撃タスクの実行は拒否され、コードレビューやパッチ適用などの防御用途に制限される。今後数週間以内に予定されている「OpenAI Daybreak」プログラムを通じ、脆弱性検証やマルウェア解析、検知エンジニアリングといった防御側組織への機能開放を段階的に進める計画だ。

タスク逸脱を抑止するアライメント強化

 高度な能力に伴う暴走を防ぐため、アライメント技術も刷新された。実行不可能なタスクを与えられた際にモデルが許可された範囲を超えて行動するかどうかを検証したところ、従来のGPT-5.6 Solが48%の割合で権限外の行動に出たのに対し、GPT-6 Astraは逸脱発生率0%を記録した。自身の能力を誇張する「能力ハルシネーション」の頻度も従来の3分の1に低減した。

 システム側の安全策として、モデルの推論過程と実行アクションを検査し、不正な挙動を自動停止する「ミスアライメント監視」を本番環境に導入している。安全確認処理によって正規の作業が一時停止または中断される場合があるが、OpenAIは正当な業務を阻害しないよう調整を継続するとしている。

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