10月1日「カスハラ対策」義務化 暴言をAIが検知する腕時計型デバイスが登場:「1人で顧客対応する現場を守る」
2026年10月1日に施行される改正労働施策総合推進法により、企業にはカスハラへの対策が求められる。アイフォーカスは、AI音声データ解析機能を備えたLTE通信スマートウォッチ「カスハラ対策Watch」を2026年10月1日から提供開始すると発表した。
IoT(モノのインターネット)デバイスやプラットフォームの企画、開発を手掛けるアイフォーカスは2026年8月18日、AIによる音声データ解析機能を備えたLTE通信スマートウォッチ「カスハラ対策Watch」を、2026年10月1日から提供開始すると発表した。接客対応時の音声をクラウド上でAI解析し、カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)に該当する発言を早期検知して管理者に通知する製品だ。
2026年10月1日に施行される改正労働施策総合推進法により、企業にはカスハラへの対策が求められる。企業には従業員の安全確保をはじめ、ハラスメント発生時の迅速な対応、事実確認のための記録管理など、実効性のある体制整備が求められている。
こうした法改正や社会的要請を背景に、同社は現場スタッフの安全確保と証跡管理を一体で実現する支援プラットフォームとして同製品を展開するとしている。
スマートフォンや固定カメラが抱える運用課題を解決
従来、現場でのトラブル記録にはスマートフォンや固定防犯カメラが用いられるケースが多かった。しかし、スマートフォンは緊迫したトラブル発生時に取り出して操作することが難しく、記録のタイミングを逃すリスクがあった。相手に向けて端末を構える動作が対人刺激となり、事態を悪化させる懸念やプライバシー上の配慮も課題となっていた。
一方、固定カメラは設置場所の制約や導入コスト、画角による死角の問題があり、訪問先や移動を伴う現場では利用できないという制約があった。
これらの課題を解消するために、カスハラ対策Watchは腕時計型のウェアラブルデバイスを採用したという。腕に装着した状態でワンタッチで操作できるので、即座に音声記録を開始し、相手を過度に刺激することなく自然な形で状況を記録できる。常時装着しているため記録の立ち遅れを防ぎ、場所を選ばずに利用できる点も特長としている。
「検知・通知・記録」を一元化するシステム構成と5つの特長
同製品は、端末とクラウドシステム、管理者向けダッシュボードを連携させ、カスハラの検知から証跡管理までを一元化する。
システムの構成と役割は以下の通り。
- スマートウォッチ(現場で従業員を守る):従業員が装着し、ワンタッチでの音声記録開始や、SOSボタンによる管理者への緊急通知を行う
- クラウド(解析、気付く、記録する):端末から送信された音声データを保存し、AIが発言内容を解析してカスハラリスクを可視化、発生状況を記録および管理する
- 管理者(組織対応):異常検知アラートを受信して現場状況を把握し、適切なタイミングで現場に介入、支援する
アイフォーカスは、同製品の特長として以下の5点を挙げている。
- 現場の状況を自然に記録:スマートウォッチの形状であることで、相手を刺激せず、トラブル発生時の状況を記録できる
- 音声データをクラウドで一元管理:記録したデータをクラウドに保存し、組織全体で管理、活用できる
- AIによるカスハラリスク検知:音声データをAIが解析し、問題となる可能性がある発言を検知してリスクを早期に可視化する
- 管理者へのリアルタイム通知:現場担当者だけに判断や対応を委ねず、管理者が状況を即時に把握して組織的な支援ができる
- 客観的な証跡として活用:保存されたデータを事実確認、社内対応、顧客対応における客観的な証跡として利用できる
1人で顧客対応を行う現場を想定、心拍センサーや転倒検知も搭載
同製品は、周囲に支援者がいない状況で顧客に対応する職種での利用を主に想定している。
- 訪問営業、訪問販売スタッフ
- 設備保守、メンテナンス、清掃スタッフ
- 住宅修理、サービス訪問スタッフ
- 介護施設、訪問介護スタッフ
- 店舗販売員、接客スタッフ
- 駅係員、交通サービススタッフ
- ホテル、宿泊施設スタッフ
- 医療施設受け付け、相談対応スタッフ
- 公共窓口、行政サービス担当者
同端末には、心拍センサーによる体調モニタリング機能や、加速度センサーによる転倒、異常動作検知機能も搭載されている。カスハラ対策にとどまらず、従業員の健康状態把握や作業中の安全確保までを総合的に支援する。
アイフォーカスは今後について、建設土木業、製造業、物流業、清掃業などの現場を含め、ウェアラブルデバイスとクラウド技術を融合した事故防止製品の高度化を推進し、安全な職場環境づくりに貢献していくとしている。
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