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NTTデータGが「まず人がアラート確認→担当者へ連絡」をやめて“92%短縮”――監視運用をどう変えた?監視時間20%削減、不要なインシデント起票も65%防止

国内約70のグループ会社にまたがり、約120の社内システムを支えるNTTデータグループのITマネジメント室。同室では監視や障害対応の見直しを図り、大幅な時間短縮につなげた。何をどう見直したのか。

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 システム障害を検知してから、必要な担当者へ連絡するまでにどれだけ時間がかかっているだろうか。アラートの内容を確認し、対応の要否を判断し、担当者を特定して連絡する――。こうした一連の工程に、障害対応の初動を遅らせる要因が潜んでいる。

 NTTデータグループのITマネジメント室も、障害対応の迅速化を課題の一つとしていた。同室が運用を担うIT基盤は、国内約70のグループ会社にまたがり、約200拠点、10万人規模の利用者に及ぶ。

 同社は監視オペレーションの見直しを進めた。結果として、監視にかかる時間を約20%削減し、不要なインシデント起票を約65%防止。障害を検知してから担当者へオンコールするまでの時間は、約92%短縮したという。

担当者への連絡まで92%短縮 NTTデータGは監視運用の何を見直した?

 ITマネジメント室は、約120の社内システムを稼働させるプラットフォームやネットワークの開発から運用までを担っている。プライベートクラウドでは約3000台の仮想マシンが稼働する。こうしたIT基盤の監視や障害対応では、どのような作業に時間がかかっていたのか。同社はその運用をどう見直し、大幅な時間短縮につなげたのか。

 同社の監視オペレーションは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ネットワークの3領域に分かれていた。それぞれの領域で監視体制が構築され、統合運用管理ソフトウェア「Hinemos」でアラートを検知していたが、その後のインシデント管理やオンコールに使うツール、担当するオペレーター、運用プロセスはチームごとに異なっていた。

 問題の一つは、障害が複数の領域にまたがった場合に、複数のチームが別々に対応してしまうことだった。例えば、サーバで検知された異常の原因が、ネットワークにあるケースがある。この場合、サーバチームとネットワークチームの双方がそれぞれ障害対応を始め、担当者へのオンコールも重複することがあったという。

 もう一つの課題が、インシデントの増加と人手に依存した運用だ。運用するシステムの増加に伴ってインシデントも増えていたが、アラートを受けてから担当者へ連絡するまでには、人が内容を確認して対応の要否を判断する必要があった。

 つまり、チームごとに分断された運用をまとめると同時に、アラート発生後の人手による作業を減らす必要があった。そこで同社は、3つに分かれていたインシデント管理とオンコールの仕組みを統一することにした。

「人が確認してから連絡」から脱却 障害対応をどう変えた?

 NTTデータグループが採用したのが、インシデント管理サービス「PagerDuty」だ。Hinemosによるアラート監視は残しつつ、その後のインシデント管理とオンコールを共通化した。

 導入は段階的に進めた。まずネットワーク領域で、Hinemosのアラートを基にPagerDutyへインシデントを起票し、担当者へオンコールする仕組みを構築。その後、インシデントの起票そのものも自動化した。

 続いてプライベートクラウド領域にも展開した。従来はオペレーターがアラートを確認してから担当者を呼び出していたところを、Hinemosが検知したアラートをPagerDutyが受け取り、必要な担当者へ直接オンコールする流れに変更した。

 インシデント発生後の情報共有も自動化した。従来はオペレーターがコラボレーションツール上に情報共有の場を手作業で用意していたが、インシデントの発生をきっかけに自動で立ち上げる「ChatOps」を取り入れている。

余力をより高度な解析へ 自動化がもたらした効果

 NTTデータグループでは、こうした一連の自動化によって、監視オペレーションに要する時間を約20%削減した。

 不要なインシデント起票も約65%防止した。従来は起票されたインシデントを人が全件確認して対応の要否を判断していたが、現在は重複したアラートなどを前段で除外し、確認作業そのものを減らしている。自動化によって生まれた時間は、解析業務や他のインシデント対応、運用業務の高度化などに振り向けられるようになったという。

 初動の高速化によるレジリエンス向上も成果として挙げられる。障害を検知してから担当者へオンコールするまでの時間を約92%短縮し、担当者がより早く障害対応に着手できるようになった。

オンコールの次は「調査」も自動化 AIで「復旧」まで目指す

 2026年6月からは、一部の領域でPagerDutyのAIエージェント機能「SREエージェント」も活用し始めている。従来、夜間のオンコールでは、担当者がアラートを確認し、Web検索などで原因や影響を調べていた。

 こうした一次調査をAIに任せることで、担当者は判断が済んだ状態から初動対応に入ることができるようになった。従来約15分かかっていた作業を短縮できているという。

 同社はパブリッククラウド領域への自動オンコールの展開を進めており、2026年度中の完了を見込む。その先では、SREエージェントによる調査や判断だけでなく、原因の切り分けから復旧までを人手を介さず自動化することを目指している。

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