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AI開発を支える中国175万人 若手の58%が標準採用する「クラウドネイティブ」の実態「エリートクラスタ」への集約も

CNCFとSlashDataは、中国におけるクラウドネイティブ開発動向レポートを発表した。同国のクラウドネイティブ開発者は175万人規模に達し、AIモデルの分散推論や本番運用を支えるインフラとして導入が進んでいるという。

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 Cloud Native Computing Foundation(CNCF)と、SlashDataは2026年9月8日(中国時間)、中国におけるクラウドネイティブ開発動向をまとめた調査レポート「State of Cloud Native Development in China」を発表した。同レポートによると、中国国内のクラウドネイティブ開発者数は約175万人に達し、そのうち約40万人がAI関連の開発に従事しているという。

 中国のバックエンド開発者のうちクラウドネイティブを採用している割合は48%に達し、2年前の30%から急伸した。世界平均の52%に迫る水準となっており、特に25歳未満の開発者では58%に上る。IIoT(インダストリアルIoT)分野での採用率は48%となり、世界平均の42%を上回った。

 AI開発が実験やモデル学習から本番環境での運用や分散推論に移行する中で、基盤技術としてのクラウドネイティブの存在感が増しているという。

若手バックエンド開発者の58%が採用、急成長する中国エコシステム

 世界のクラウドネイティブ開発者コミュニティーは1990万人規模に拡大している。中国のエコシステムは約175万人の開発者を抱え、独自の成長を示している。

 世代別の動向では若い層への浸透が顕著だ。45歳未満のバックエンド開発者の半数以上がクラウドネイティブに分類され、25歳未満ではその比率が58%に跳ね上がる。次世代の開発者にとって、クラウドネイティブ技術を用いたバックエンド構築が標準的手法として定着しつつある実態が浮き彫りになった。

 製造業などの産業分野でも導入が進んでいる。中国のプロフェッショナルIIoT開発者における採用率は48%を記録し、世界平均の42%を超えた。複雑なシステム要件やエッジ環境での分散配備を支える基盤として、クラウドネイティブアーキテクチャへの要求が高まっている。

 SlashDataのプリンシパルマーケットリサーチコンサルタント、リアム・ボルマン=ドッド氏は「中国の開発者エコシステムは、クラウドネイティブの採用がAIや産業の発展と並行してどのように進化しているかを示す重要な視点を提供している。若いバックエンド開発者の間で導入が強く進んでいることは、クラウドネイティブが現代のソフトウェア開発において欠かせない部分として確立されつつあることを示している」と分析している。

データ準備から「分散推論」まで――AI成熟度に応じた技術の階層化

 調査では、AI開発チームがワークロードを成熟させる過程でインフラ技術を段階的に導入する実態も分析している。AIモデルの開発が初期の実験段階から本番提供や大規模な分散推論に進むにつれ、求められるクラウドネイティブ技術の役割は明確に分かれている。

 レポートは、AIのライフサイクルにおける技術スタックの変遷を次の3段階に整理している。

  1. データパイプライン運用
    コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」やマイクロサービスを基盤とし、イベント駆動型アーキテクチャやストリーミングサービス、オブザーバビリティ(可観測性)ツールがデータ処理パイプラインを支える
  2. 学習と実験
    フィーチャーフラグ、RPC(リモートプロシージャコール)、イミュータブルインフラストラクチャが、モデルのバージョンルーティングや分散学習、再現性のある実験環境の構築を支援する
  3. 本番提供(プロダクションサービング)
    サービスメッシュ、カオスエンジニアリング、マルチクラスタ管理ツールが、トラフィック分割や耐障害性テスト、大規模な分散推論環境の安定運用を支える

 CNCFのCTO(最高技術責任者)、クリス・アニシュチック氏は「AIは急速に進化しているが、本番環境で大規模にAIを支えるオープンソースインフラを定義しているのはクラウドネイティブだ。中国には強力なオープンソース開発者コミュニティーがあり、その取り組みにおいて重要な役割を果たし得る。推論が大規模化するにつれて直面する課題の多くは、スケジューリング、リソース分散、ネットワーク、オブザーバビリティ、分散システムの安定運用といった、クラウドネイティブが従来取り組んできた課題と重なる」と述べている。

88%がインフラ標準化を推進、「エリートクラスタ」への集約も

 開発者がインフラと関わる形態にも変化が見られる。バックエンド開発者の88%がなんらかのインフラ標準化を取り入れており、半年前の80%から上昇した。プラットフォームエンジニアリングの浸透によって「Kubernetes」やコンテナといった基盤技術が抽象化された結果、開発者からインフラの複雑さが見えにくくなる一方、本番運用におけるインフラの重要性は一段と高まっている。

 クラウドネイティブの成熟度が最も高い領域では、特定の高度な運用プラクティスが同時に採用される傾向が確認された。データ分析の結果、イミュータブルインフラストラクチャとカオスエンジニアリングの併用についてのリフト値は2.22を示した。両技術が単体で導入される場合と比べ、2倍以上の確率で同時に採用されていることを意味する。

 レポートはこの組み合わせにマルチクラスタ管理やサービスメッシュを加えた技術群を「エリートクラスタ」と定義している。複雑な分散システムを日常的に運用するチームほど、複数の高度なインフラ手法を統合して耐障害性やスケーラビリティを確保している実態が明らかになった。

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