「データベースがアプリごとにバラバラ」を解消、しかも年100万円以上を削減――金融機関はどう実現?:「1データベースにつき1アプリケーション」の制約から脱却、“情報分断”をなくす
業務システムのデータ分断やコスト負担の増加に直面していた旭川信用金庫。背景には、利用していた開発ツールの仕様があったという。こうした状況から脱却するために、開発ツールをどう見直したのか。
北海道旭川市に本店を置き、道内で40店舗を展開する旭川信用金庫は、国内ベンダーの開発ツールを使用して、複数の業務システムを開発・運用してきた。具体的には、同金庫が運営する職業紹介事業所「トライアルワークセンター」の求職・求人受付管理システムや、地域イベント「駅マルシェ」の出店者管理システムなどだ。
利用していた開発ツールには、幾つかの課題があった。「1データベースにつき1アプリケーション」という仕様になっていたことから、複数のデータベースの連携が複雑で、データの突合が難しかった。システムにWebフォームを設ける場合には、別途プラグインを契約する必要があり、その都度費用がかさんでいた。システム利用者のID単位での課金体系だったことから、利用者を増やすほどコストが膨らむ状況だった。
「データベースがバラバラ」を解消し、コストも抑えた手段とは?
こうした課題を解消するために、旭川信用金庫は開発ツールを見直した。結果として年間約120万円のコスト削減といった成果が上がっているという。同金庫はどのようにして、これらの課題を克服したのか。
旭川信用金庫が新たに導入したのが、スパイラルのローコード開発ツール「SPIRAL ver.1」だ。求職・求人受付管理システムと駅マルシェの出店者管理システムをSPIRAL ver.1で構築し直し、開発経験のない職員を中心に構築・運用する体制を整えた。当初は一部の構築を外注することも想定していたが、スパイラルによるサポートを受けながら、最終的には全て内製で実現したという。
求職・求人受付管理システムでは、これまで別々に管理していた求職者情報と面談の経過記録、事業所情報、求人情報を1つのアプリケーション内でひも付けて一元管理できるようになった。駅マルシェの出店者管理システムでも、共催する他の金融機関の担当者と出店者情報をリアルタイムに共有・確認できるようになり、組織間の情報連携が円滑になったという。
旭川信用金庫は開発ツールをSPIRAL ver.1に移行したことで、従来の開発ツールと比べて月額のシステム利用料金を10万円以上削減し、年間で約120万円のコスト削減を実現した。データ量に応じた料金体系への変更で利用者を増やしやすくなった他、標準機能だけでWebフォームを作成できるようになった。
SPIRAL ver.1を選定した理由は、標準機能だけでWebフォームを作成できることと、複数のデータベースにまたがる情報を連携させて管理できることだ。ID課金ではなくデータベースへの登録データ量(レコード件数)に応じた料金体系を採用しており、コストを気にすることなく複数の職員にアカウントを配布できる点も評価した。金融機関での導入実績の豊富さも採用を後押ししたという。
旭川信用金庫は、来店予約やマネーロンダリング(資金洗浄)対策に関するシステムについても、SPIRAL ver.1の活用を検討している。業務システムの一元化とさらなるコスト削減、業務効率化を目指す考えだ。スパイラルは2026年8月20日、本事例を発表した。
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