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SaaSの“人数課金”「全員分のIDなんて高くて買えない」、横行する“苦肉の策”:アカウントがない従業員はどうする?

業務システムの料金体系によっては、導入後に想定していた使い方とは異なる運用が生まれることもあるようだ。NTTデータビジネスブレインズが管理職221人を対象に実施した調査から、業務システムの「費用」と「使われ方」の意外な関係が見えてきた。

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 SaaSなどの業務システムでは、利用者数(ID数)に応じて料金が増える課金体系になっていることが一般的だ。必要な従業員にIDを発行しようとすれば、それだけ費用も膨らむ。NTTデータビジネスブレインズが2026年9月9日に発表した調査では、こうした費用を抑えるために企業が取っているさまざまな対応の実態が明らかになった。

 調査対象は業務・管理系部門のリーダーおよび管理職221人。2026年8月21〜22日にインターネット上で実施した。

「本来は全員に使わせたい、だができない」――業務システム利用の現実

 調査では、費用を理由に、本来利用してほしい従業員全員に業務システムを使わせられない実態が浮かび上がった。企業はそうした状況に、どのように対応しているのか。

 「本来は全社員(またはほぼ全員)が使うべきだが、費用を理由に利用対象者を絞っている、または導入していない業務はあるか」と尋ねたところ、「複数ある」が56.5%、「1つある」が3.9%だった。合わせて60.4%が、費用を理由に業務システムの利用を制限していることになる。「過去にあったが、いまは解消している」は19.5%だった。

 業務システムの導入可否を判断する際、費用面で最も重視する見方については、「初期費用(導入費)の大きさ」が26.6%で最多だった。「年間の総額が予算上限に収まるかどうか」が24.0%、「削減できる工数・人件費に見合うかどうか」が20.8%で続いた。一方、「1人当たりの月額単価が妥当かどうか」は8.4%にとどまった。

 現在利用している業務システムの費用形態については、「利用量・処理件数に応じた課金」が31.0%、「定額」が25.9%、「買い切り」が23.1%、「利用者数(ID数)に応じた課金」が22.2%だった。「分からない/答えられない」は19.0%だった。

利用している業務システムの費用形態
利用している業務システムの費用形態(提供:NTTデータビジネスブレインズ)

IDを持たない人はどうする? 企業で行われている“苦肉の策”

 利用者を増やすほど費用が増えるID課金では、利用対象者を絞ることで別の問題も生じる。

 利用者数(ID数)に応じた課金を理由に取った経験がある対応としては、「1つのIDを複数人で共有した」が39.6%で最も多かった。

 次いで「承認者だけがIDを持ち、申請は代理で入力した」が32.5%、「IDを持たない人の分は紙・メール・Excelで運用した」が31.2%、「部署単位・拠点単位で導入を見送った」が24.7%だった。

 ID課金による費用を抑えるため、単に利用者を減らすだけでなく、IDを共有したり、システム外の手段を併用したりする運用が発生していることがうかがえる。

利用者数(ID数)に応じた課金を理由に取った経験がある対応
利用者数(ID数)に応じた課金を理由に取った経験がある対応(提供:NTTデータビジネスブレインズ)

 費用の影響は社内だけではない。社外の相手と業務システム上でやりとりする際の費用について尋ねたところ、「費用がかさむため、やり取りする社外の相手や業務を限定している」が31.2%、「費用が見合わないため、社外とはシステム上でやり取りしていない」が27.3%だった。合わせて58.4%が、費用を理由に社外とのシステム上の連携を制限していた。

導入して終わりでもない、87%が「想定外の費用」を経験

 業務システムの導入後に、想定していなかった費用が発生した経験があると答えた割合は87.0%に上った。具体的な内容では、「既存システムとの連携開発費」が39.0%で最も多く、「帳票や入力画面のカスタマイズ費用」が37.0%、「利用人数の増加に伴う追加ライセンス費用」が29.9%で続いた。

 直近で業務システムの導入を申請または決裁した際の決め手については、「現場から『使いたい』という声が上がった」が23.4%で最多だった。「削減できる工数・残業時間を金額に換算して示した」が22.1%、「現行システムより費用が下がることを示した」が17.5%で続いた。

 一方、業務システムの導入を検討したものの見送った理由では、「費用対効果を数値で示せなかった」が30.1%で最も多かった。「現場が使いこなせないと判断された」が22.2%、「既存システムとのすみ分けを説明できなかった」が21.3%、「基幹システムと連携できなかった」が19.9%だった。「予算が確保できなかった」は14.4%にとどまった。

 今回の調査からは、業務システムの費用が単に「導入するかどうか」だけでなく、導入後に「誰に使わせるか」「どのように使わせるか」にも影響している実態が浮かび上がった。

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