「ゲーム業界」が異業界出身者でも欲しい人材、“要らない”人材を分ける条件とは?:“ゲームが好き”だけじゃ駄目、調査で分かった「業界が求める人材像」
ユーザー企業のIT担当者など、異業界からゲーム業界への転職を目指す人は、業界が求める人材と“必要としていない人材”を知っておくとよい。ゲーム業界の人材紹介業に従事する1008人への調査から、それらを探る。
ゲーム業界特化の人材紹介会社Hiraku agentは2026年9月16日、ゲーム業界の転職に関する調査結果を発表した。ゲーム業界の人材紹介業に従事する1008人を対象に、2026年8月26〜28日に実施したインターネット調査の結果をまとめたものだ。
生成AIの急速な普及や、テレワークとオフィス出社の組み合わせといった働き方の多様化に伴い、ゲーム業界における人材採用も変化している。こうした状況と前回調査(2024年に実施)の内容を踏まえて、Hiraku agentは今回の調査において、ゲーム業界が求める人材像がどう変化したのかを分析した。
ゲーム業界への転職支援で、同業界と異業界のどちらの出身者を支援することが多いかを尋ねたところ、同業界が76.4%と大半を占めたものの、2024年調査の84.7%から減少した。異業界は23.6%で、前回の15.3%から約1.5倍に増加した。
ゲーム業界が欲しがる人材、“要らない”人材の分かれ目は?
ユーザー企業のIT担当者など、異業界の求職者がゲーム業界への転職を成功させるには、ゲーム業界がどのような人材を求めているのか、どのような人材がミスマッチを起こしやすいのかを把握する必要がある。調査結果を基に、そのヒントを探る。
「採用において、ゲーム業界の面接官が見ているポイントは何だと考えるか」を聞くと、「これまでの経験やスキル」(32.9%)が2024年調査(35.1%)に引き続き最多だった(図1)。大きな変化は、2番目に「新しい技術(AIなど)への適応力や学習意欲」(30.8%)が挙がったことだ。「ゲーム業界が、求職者のAIスキル(生成AIの活用経験など)をどの程度重視していると感じるか」を尋ねたところ、「非常に重視している」(34.1%)と「ある程度重視している」(57.0%)を合わせて約9割に上った。
Hiraku agentによると、ゲーム業界は求職者の過去の実績だけではなく、急速に変化する開発環境に即応できるかどうかも重視するようになっている。生成AIの普及に伴い、従来のゲーム開発のスキルだけではなく、他業界で培われたAI活用やプロジェクト管理などの汎用(はんよう)的なスキルを持つ人材が、ゲーム業界で評価されやすくなっている可能性があるという。
約半数が「複数スキルの掛け合わせ」を転職成功への対策に挙げる
ゲーム業界が「求めていない」のは、どのような人材なのか。書類選考や面接で不採用になる求職者に共通する不足要素や、ミスマッチの原因を自由回答で尋ねたところ、「希望する仕事ができると思い込み過ぎている」「コミュニケーションスキルが低い」「ポートフォリオの作品が少ない」「ゲーム業界を甘く見ている」といった声が寄せられた。
「ゲームが好きだ」という熱意だけが先行し、仕事としての厳しさやビジネスの視点が欠けていると、ミスマッチにつながるとHiraku agentはみる。ゲーム業界は「ゲームファン」ではなく、周囲と円滑に連携しながら具体的な成果を生み出せる、実務的な能力とマインドを備えた人材を求めていると同社は指摘する。
ゲーム業界への転職を成功させるために、求職者に必要な対策を尋ねたところ、「単一のスキルだけではなく、複数のスキルを掛け合わせる」(48.8%)がトップとなった(図2)。次いで「企業ごとの開発環境や最新トレンドを深く研究する」(41.0%)や「AIツールの活用実績や効率化のプロセスをポートフォリオに反映する」(35.0%)が挙がった。
複数のスキルを組み合わせて、AIを活用して成果につなげることが、ゲーム業界で求められる人材になるための条件だとHiraku agentは指摘する。こうした力は、異業界で培った経験を生かす上でも重要になる。ゲーム業界を目指す求職者は、AIツールの活用実績をポートフォリオに盛り込み、業務の効率化や品質向上にどう生かしたのかを示すことで、スキルや経験をより具体的にアピールできると同社は説明する。
調査はマーケティング支援企業PRIZMAの調査サービス「サクリサ」を利用して実施した。同サービスの登録モニターのうち、「ゲーム業界の人材紹介業に従事している」と回答した人を調査対象とした。
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