Favoriteモデルを追加しよう
それでは、ユニットテストを実行しましょう。
[Railsエクスプローラー]ビューから[ユニットテスト]を右クリックし、[実行]−[Rubyテスト]をクリックします。以下のようにテストが失敗することが確認できます。
進捗バーが赤で表示され、無事に(?)テストに失敗することが確認できました。ここでのテスト失敗理由も、前回同様、関連インスタンスを取得するためのメソッドが定義されていないことによるものです。
障害トレースのログに、以下のようなメッセージが表示されていることも確認しておきましょう。
undefined method `hitokoto' for #<Favorite:0x2128868> /Library/Ruby/Gems/1.8/gems/activerecord-2.2.2/lib/active_record/attribute_methods.rb:260:in `method_missing' /Users/tmtysk/Documents/3rdRail/workspace/tsubuyaki/test/unit/favorite_test.rb:11:in `test_Favoriteが属すHitokotoを取得できる' :
Modelの本番コードを実装しよう
ここでは、Favorite、User、HitokotoそれぞれのModelクラスについて、本番コードを実装していきます。それぞれの編集後のソースコードは以下のとおりです。
class Favorite < ActiveRecord::Base validates_presence_of :user_id validates_presence_of :hitokoto_id belongs_to :user belongs_to :hitokoto end
class User < ActiveRecord::Base validates_presence_of :name has_many :hitokotos has_many :favorites has_many :favorite_hitokotos, :through => :favorites, :source => :hitokoto end
class Hitokoto < ActiveRecord::Base validates_presence_of :hitokoto belongs_to :user has_many :favorites has_many :favorited_users, :through => :favorites, :source => :user end
favorite.rbでは、User、Hitokotoモデルに「属す」関連としてbelongs_toを使用した行を追加します。
ここではUser、Hitokotoそれぞれのソースコードに新しい表現が登場していることを確認しましょう。Userモデルクラスに記述されている、以下の行に注目してください。
has_many :favorite_hitokotos, :through => :favorites, :source => :hitokoto
これは、先ほど紹介した「多対多」関連を簡単に解決するための記述方法の1つで、has_many :throughと呼ばれます。この行では、その記述内容が示すとおり、
- Userが複数のfavorite_hitokotoを持ち、
- Favorite中間モデルを経由(through)して得られる関連先(source)のHitokotoインスタンスをfavorite_hitokotosとしてアクセスできるようにする
ことを規定しています。同様のhas_many :throughをHitokotoモデルクラスに記述することで、Hitokotoインスタンスからもfavorited_usersとして、お気に入り登録したユーザーの一覧を取得することができます。
このように、一見複雑な、中間モデルを導入した「多対多」関連であってもシンプルに記述できるのは、ActiveRecordならではの非常に強力な機能といえるでしょう。以上で、このイテレーションの本番コードの実装は完了です。
最後に、再度スクリプト・テストを実行し、所期のテストコードが正常に実行できることを確認しておきましょう。
進捗バーが緑表示になったでしょうか。これで、2つめの要件を満たすためのイテレーションは完了です。
Modelクラスの開発ステップのまとめ
第2回から今回まで、Modelクラスの開発ステップを、やや実践的に説明しました。
第2回では、ActiveRecordが提供する強力なModelクラスの実装支援機能として、ファインダ、バリデーション、アソシエーション、マイグレーションを取り上げました。また、それぞれの機能を動作確認する際、3rdRailのRailsコンソール機能やコード補完機能についても紹介しました。
第3回と第4回では、第1回で作成した「つぶやき」アプリケーションの機能追加を想定し、新しいModelクラスの追加、既存Modelの改修とマイグレーション、has_manyやhas_many :through関連の定義、およびユニットテストの実行といった開発イテレーションについて紹介してきました。ユニットテストの実行状況が3rdRailのテストスクリプトビューで簡単にモニタリングできることにも触れました。
次回は、追加/改修したModelクラスを扱う画面遷移などを検討しながらControllerクラスの開発ステップについて紹介していく予定です。
2/2 |
Index | |
「つぶやき」アプリを改修してみよう(後編) | |
Page1 Favoriteモデルを追加しよう Favoriteクラスのテストを実装しよう ユニットテストコードを実装しよう テスト用データベースをマイグレーションしよう |
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Page2 ユニットテスト実行を実行しよう Modelの本番コードを実装しよう Modelクラスの開発ステップのまとめ |
3rdRailによるRailsプログラミング入門 |
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