コミュニティ活動で人のリレーションを作ろう!
2009/12/22
苦労もノウハウもコミュニティで共有、Club DB2
次はIBM DB2のコミュニティ、Club DB2です。商用データベース製品の中ではオフラインの活動が活発なところです。普段は隔週で勉強会をしていますが、毎年年末には盛大なイベントを開催します。
今年は「IOD Winter Forum with Club DB2 冬の5時間スペシャル」でした。第1部はみっちりとDB2 pureScaleテクノロジー解説が行われ、この様子はWeb配信されました。途中の質問タイムは20分も続くなど、参加者の関心や熱意が高いのがClub DB2らしいところです。
DB2 pureScaleは前回もレポートした通り、超スケーラブルでシェアード型なDB2 9.7のオプションです。ある人は「IBMが出す(オラクルの)RACみたいなもの」と称していました。当たっているような、いないような?
第2部はDB2事例などの発表がありました。事例といってもコミュニティメンバーの体験談や自由研究とイメージした方がいいでしょう。最初の事例は、DB2歴7年のメンバーが初めてオラクルデータベースに触れたときの感想や心得を率直に語りました。例えばDB2では「LIST TABLES」というコマンドがありますが、オラクルだとSQLでテーブルを確認するなどの作法の違いがあります。DB2の知識でオラクルを駆使するノウハウをメンバーに伝えていました。
Club DB2主催の1人、IBM ソフトウェア事業の 下佐粉昭氏が「オラクルを長年使っている人はDB2の習得も早いです。逆もしかり」と話していました。まさにこのケースもそうで、初めて見るコマンドやエラーに困惑しつつもちゃんと乗り越え、違いを仲間に共有できるほどの余裕があります。
次の事例は、金融系システムにおけるバッチ処理の、驚くべき習慣を暴露してくれました。古くから稼働しているシステムだと、SQLはシンプルなものが好まれるそうです。「JOINはやめて」とか「件数を調べたいならCOUNTではなく1件ずつ読んでプログラムで加算して」といわれてしまうのだとか。聴衆は驚きのあまり、のけぞりながら聞いていました。昔はともかく、ソフトウェアの標準機能を駆使できないのはちょっと残念ですね。知られざる世界を知るきっかけになりました。
最後の事例ではDB2のXML機能を活用し、XML文書からJasperReportsを使い帳票を作成するための方法が紹介されました。最後には3分間のライトニングトーク。これも盛り上がりました。どれも普段からDB2を使うメンバーならではの視点と、思い入れがこもっていました。それをメンバーみんなで和気あいあいと共有できていていいコミュニティです。
ではまた来年、お会いしましょう。 過去記事もどうぞ!
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コミュニティ活動で人のリレーションを作ろう! | |
Page 1 JPUG 10年の歩み、そして8.5の新機能 |
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Page 2 苦労もノウハウもコミュニティで共有、Club DB2 |
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