XMLDBの夏、バージョンアップの夏
2009/7/15
TX1がさらに検索性能を向上させたV3.0を発売開始
今月はXMLDBが熱いですよ。まずはTX1から。6月10日、東芝ソリューションはTX1 V3を販売開始しました。TX1はテラバイト級の大容量データも扱えて、「スキーマ・アナライザ技術」や「クエリー・オプティマイザ技術」により検索が速い、XML専用データベースです。大容量データに高速検索が特徴です。
新バージョンV3ではさらに検索能力を高めました。ポイントは2つ。まず新しく開発した分散並列検索技術「Distributed Parallel Search」(以下、DPS)により、これまで困難だった数十テラバイトクラスの大容量XMLデータで高速処理を実現しました。扱えるデータのけたが1つ上がったと考えていいでしょう。もう1つは基本性能の向上です。データベースサイズを最大40%縮小し、データの登録性能と検索性能を最大2倍高速化しました。
新開発のDPSの仕組みをもう少し。TX1では検索や更新などを行うTX1サーバと、分散したそれらを統合管理するTX1コーディネータという2種類のサーバがあります。DPSではTX1コーディネータから同時、かつ並列にTX1サーバに指示を出すことにより、高速な検索を実現しています。
このTX1は発売開始が2005年で、XML専用データベースの中では最も若いものですが、研究開発に力が入っています。TX1の関連特許が社団法人発明協会の「平成20年度関東地方発明表彰 日本弁理士会会長奨励賞」を受賞したこと、TX1の開発・研究者が、財団法人電気科学技術奨励会の「第55回電気科学技術奨励賞委員会会長賞および電気科学技術奨励賞」を受賞したことからも、TX1に実装された技術は先鋭的と見ていいでしょう。
EsTerraではCabineX 3がバージョンアップ
老舗のテラバイト級XML専用データベースにはEsTerra XML Storage Serverがあります。こちらは新バージョン登場ではありませんが、利便性を向上させています。ちなみに現行バージョンは2008年1月から販売開始しているV3です。
さてEsTerraの方ですが、関連ツールにCabineXがあります。これは事前に作成したテンプレートファイルを用意すれば任意の構造のXMLファイルを生成することができるものです。付属のCabineX Template Makerを使えばExcelやWordで作成したファイルも簡単にXMLファイルを作成することが可能です。
このCabineX、6月8日に最新版となるCabineX 3がリリースされました。余談ですが、TX1、EsTerra、CabineX、どれも最新バージョンが3でそろいましたね。
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