DB運用管理、あなたの会社はどのタイプ?
2009/08/17
Cache Gridで高速処理を実現
オラクルは8月4日、インメモリ・データベース製品「Oracle In-Memory Database Cache 11g」および「Oracle TimesTen In Memory Database 11g」を発表しました。8月7日からLinux、Solaris/SPARC、Windows(32bit)版を出荷開始します。それ以外のプラットフォームの出荷は秋以降です。
一般的にインメモリ・データベース製品とは、従来の(ディスクベースの)データベース製品と違い、メモリ上にデータベースを配置するので、けた違いの高速処理が見込めます。
この製品はOracleが2005年にTimesTenを買収したことで「Oracle TimesTen In-Memory Database」と名前を変え、バージョンアップを重ねてきました(参考:Oracleの超高速インメモリ・データベース)。今回はオラクル製品となって3度目のバージョンアップです。製品につくバージョン番号が「7」から「11g」に変わったことから分かるとおり、11gのグリッド技術を駆使して、高い可用性や機能拡張を実現していることがポイントです。
先に製品名が2種類あることの補足をしておきましょう。名前が似通っていて混同しそうですよね。値段も同じです。違いはこれと組み合わせるディスクベースのデータベースがOracle Databaseを前提としているか、していないかです。
Oracle Databaseと組み合わせるなら「Oracle In-Memory Database Cache 11g」となり、こちらはOracle Database EEのオプション扱いになります。Oracle Database以外のデータベース製品と組み合わせるなら「Oracle TimesTen In Memory Database 11g」で、スタンドアロン製品という扱いです。「Cache」と「TimesTen」で見分けてくださいね。
さて両製品ですが、最も特徴的なのが「Cache Grid」です。キャッシュデータの動的なローディングや再配置を行うことにより、キャッシュノード間で同時実行性とトランザクションの一貫性を実現しています。これにより、さらなるパフォーマンス向上が見込めます。またオンラインでキャッシュノードの追加や削除もできるので、状況に応じてスケールアウトが可能になります。
2番目の特徴はPL/SQL、Oracle Call Interface(OCI)、Pro*Cに対応したことです。これでアプリケーション開発への影響が少なくなり、移行のハードルが下がることでしょう。
3番目はOracle ClusterwareとOracle Data Guardの統合です。障害を検出すると自動的にフェイルオーバーし、スタンバイをアクティブに切り替えるのでアプリケーションを止めずにすみます。可用性、信頼性を高めることができます。
製品デモとして日本航空のサイトが紹介されました。トップページの国内線予約にある「最も安い運賃を探す」機能は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseが活用されているそうです(ただし今回発表になった最新版ではありません)。この検索では裏で膨大なSQLを発行しますが、ユーザーは待たされることがありません。これがTimesTenの威力だそうです。
20万人目、おめでとうございます
8月5日に開催された「ORACLE MASTER 200,000 Anniversary Seminar」によると、10gから11gへのPlatinum移行試験は2009年9月にリリースとなる予定です。移行ではない試験は2日間の実技でしたが、移行試験では1日間の実技となる模様です。加えて11gのGold試験は2009年10月、11gのPlatinum試験は2010年初旬にリリースされます。
日本におけるオラクルマスター取得者が20万人を突破したことは先月お伝えしましたが、20万人目とその前後賞となる方々からの喜びの声が、オラクル広報のブログにて公開されています。オラクルの遠藤社長も登場し、和風の部屋からのごあいさつです。
●記念すべき「ORACLE MASTER」20万人目の取得者からのメッセージ1/2 |
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