データベース、実りの秋
2010/10/20
OpenWorldでExalogicと新Exadataが登場
データの大きさを表現する単位(正確には単位に付ける接頭辞)として「メガ」や「ギガ」があります。最近は「テラ」も聞きますね。その次は「ペタ」となり、さらにその上には「エクサ」があります。
現在はまだエクサで表現しなければならないほど大きいデータはほとんどありません。いま、エクサといえばオラクルの「Exadata」ではないでしょうか。名前からスケールの大きさを感じさせます。
そのオラクルは米国のサンフランシスコで9月19日から開催した「Oracle OpenWorld 2010」にて、クラウドを実現するシステム「Oracle Exalogic Elastic Cloud」を発表しました。30台のサーバを1台のラックに収めたもので、合計で360ものプロセッサコアを搭載しているそうです。そして、名前から想像できるようにJavaEEアプリケーションサーバ「WebLogic」も搭載しています。サン・マイクロシステムズとオラクルの技術を見事に結集させた製品です。詳細は@ITニュースのOracle OpenWorld 2010基調講演レポートなどをご覧ください。
Oracle OpenWorld 2010基調講演レポート
「Javaを最も速くする Oracle Exalogic Elastic Cloudとは何か
http://www.atmarkit.co.jp/news/201009/24/oracle.html
ではオラクルの原点ともいえるデータベースはどうでしょうか。Oracle Exalogic Elastic Cloudの陰に隠れてしまいましたが、オラクルはOpenWorldで高速データベースサーバ「Oracle Exadata Database Machine X2-8」も発表しました。合計で128個のプロセッサコアと、2Tbytesのメモリを搭載し、処理性能をさらに向上させました。
詳しいことを知りたい方は、11月に日本オラクルが開催する「Oracle Database Summit 2010」に足を運ぶとよいでしょう。
PostgreSQLは新機能満載で大きく飛躍
さてExalogic発表とほぼ同時となる9月20日、オープンソースRDBMS「PostgreSQL」の新バージョン「PostgreSQL 9.0」が登場しました。
8.4の次に9.0とバージョンの数字を思い切って上げているのは、開発者たちの熱意が込められた記念すべきバージョンだからです。新バージョンの目玉となる新機能としては「ストリーミングレプリケーション」と「ホットスタンバイ」が挙げられます。多くのユーザーが長いこと待ち望んでいた機能です。
Database Watch 2010年7月版 PostgreSQLがいきなり“9.0”に飛んだ理由
http://www.atmarkit.co.jp/fdb/rensai/dbwatch2010/dbwatch201007_01.html
リリースによると、ホットスタンバイの貢献者であり2ndQuadrantのSimon Riggs氏は「効率よく、遅延の少ないストリーミングレプリケーションは、より精度の高いデータ保護を実現します。一方、ホットスタンバイはTCOを大きく低減します。この機能は商用製品では数千ドルも掛かるアドオンとして提供されているものです」と語っています。
ほかにも9.0では、コミュニティが予想する以上に多くの機能が盛り込まれることになったそうです。それだけコミュニティが新バージョンに向けて活気づいていた証拠といえるでしょう。そのほかの新機能としては64bit版のWindowsへの対応、条件付きトリガ、列単位のトリガ、遅延可能な一意性制約、高性能なイベントメッセージ、RADIUS認証、パスワードの強度検査などがあります。また8.3および8.4から(フルダンプやフルレストアをすることなく)メジャーアップグレードが可能であるという点もユーザーにはうれしいところではないでしょうか。
なお日本PostgreSQLユーザ会は10月23日に、「第18回 しくみ+アプリケーション勉強会」を開催します。今回の演題はECサイトにおけるPostgreSQLの利用事例と、レプリケーションです。興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
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Index | |
10月号のタイトル | |
Page 1 OpenWorldでExalogicと新Exadataが登場 PostgreSQLは新機能満載で大きく飛躍 |
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Page 2 生誕10周年目に登場した記念すべき新バージョン ところでMySQLは? XMLデータベース普及のきっかけとなるか |
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