100ノードのクラスタをサポートする最新版Oracle (1/4)
日本オラクル
一志 達也
2005/11/10
2005年秋に順次リリースされるOracle Database 10g Release 2の新機能を技術者の視点から紹介するのが本記事の狙いである。Oracleはどこを目指して進化しているのか。ニュース記事では語られない技術論を掘り下げて解説していこう。(編集部)
主な内容 --Page 1--
Part 1 Oracle
Database 10g Release 2の進化とは--Page 2--
Part
2 可用性の進化--Page 3--
Part 3 安全性の進化--Page 4--
Part
4 開発生産性の進化まとめ |
本記事では、「Oracle Database 10g Release 2」について、その進化を解説します。Oracle Database 10g Release 2は、2005年9月7日よりLinux版の出荷を開始し、11月1日からWindows版も出荷が開始されます。そのほかのプラットフォームの出荷予定については、表1にまとめていますので、そちらを参照してください。
ご存じの方も多いと思いますが、オラクルの製品は、日本オラクルが運営するOTN-J(Oracle Technology Network Japan)で無料の会員に登録することで、トライアル版をダウンロードできます。また、各種マニュアルや活用ガイドなども入手できますので、この機会にぜひ会員登録してOracle Database 10g Release 2を試してみてください。
プラットフォーム | 出荷予定日 | |
Linux x86(32bit) | 2005年9月7日 | |
Sun Solaris Operating System(64bit) | 2005年10月18日 | |
HP-UX PA-RISC | 2005年10月18日 | |
IBM AIX5L Based Systems | 2005年10月18日 | |
Microsoft Windows(32-bit) | 2005年11月1日 | |
Linux x86-64 | 2005年12月6日 | |
Linux Itanium | 2005年12月下旬 | |
IBM Power Based Linux | 2005年12月下旬 | |
Microsoft Windows x64 | 2005年12月下旬 | |
HP-UX Itanium | 2006年1月 | |
Microsoft Windows Itanium | 2006年1月 | |
Solaris x86-64(64bit) | 2006年第1四半期 | |
Solaris x86(32bit) | 2006年第1四半期 | |
IBM zSeries Linux | 2006年上半期 | |
Apple Mac OS X | 2006年上半期 | |
HP Open VMS Itanium | 2006年上半期 | |
HP Open VMS | 2006年上半期 | |
HP Tru64 UNIX | 2006年上半期 | |
表1 Oracle Database 10g Release 2 プラットフォーム別の出荷時期 | ||
■Part 1 Oracle Database 10g Release 2の進化とは
RDBMSの進化は行き着くところまできている、と見る方も多いようですが、果たしてそれは本当なのでしょうか。確かに、データを格納して高速に検索するという意味では、どのデータベース製品も十分に要件を満たしています。Oracle Database 10g Release 2も今回のバージョンアップでさらなるパフォーマンスの向上を実現しています注1。しかし、現代のデータベースに求められるのは、そんな基本要件にとどまるはずもありません。
注1:2005年9月18日に発表されたTPC-H
3Tbytesの結果では、同一条件のテスト結果を単純に比較すると、Oracle Database 10gのRelease 1とRelease 2では、59%もパフォーマンスが向上していることになる。 TPC-H ‐ Decision Support for Ad Hoc Queries |
例えば可用性です。昨今のデータベースは、24時間365日、可能な限り無停止で運用できることを期待されます。それだけでなく、万が一災害などに遭っても、企業の重要な資産の1つであるデータを失わず、システムも停止しないことを求められるのです。
オラクルはこうした要件に対応するため、Oracle9i Databaseで「RAC(Oracle Real Application Clusters)」を登場させ、Oracle Database 10gで「オラクル・グリッド・コンピューティング」を登場させました。RACによって、シェアード・ディスク型のクラスタ技術で弱点といわれていたノード間のデータ通信速度を大幅に向上させました。ノードの数に応じて、データベース・サーバのパフォーマンスがリニアに向上する、新しいデータベース・クラスタが誕生したわけです。また、スタンバイ・データベース機能を進化させた「Oracle Data Guard」による高可用性により、災害対策についても解決策を提供しています。
それでもまだ、可用性について進化の余地は残されていました。それが、Oracle Database 10g Release 2によって、どのように進化したのかは、Part 2で詳しく紹介することにしましょう。
次に、現在データベースの大きな課題となっているのは、安全性についてです。データの安全性を確保するには、盗難に備えて暗号化し、適切な権限を持つ人間だけがデータを操作できるように権限を厳密に管理する必要があります。さらに、万一の不正に備えて、監査証跡を残さなくてはなりません。
もちろん、Oracleはこれまでのバージョンでも、これらを実現できるようになっていました。しかし、そこにもまだ、進化の余地は残されていたのです。Oracle Database 10g Release 2における、安全性の進化については、Part 3で詳しく紹介することにしましょう。
このほかにも、データベースの管理や開発生産性についても進化の余地を残しています。これらをすべて詳しく紹介するのは困難ですから、開発生産性の面についてはPart 4で詳しく紹介し、データベースの管理については随所で紹介したいと思います。当然、これだけではOracle Database 10g Release 2の進化をすべて紹介しきれませんが、今回はポイント別に特に注目されるべき点についてだけ知っていただければ幸いです。
より詳しい情報は、前出のOTN-Jやオラクル主催のイベント、あるいは雑誌/書籍などをご覧ください。(次ページに続く)
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Index | |
Oracle Database 10g Release 2 レビュー 100ノードのクラスタをサポートする最新版Oracle |
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Part 1 ・Oracle Database 10g Release 2の進化とは |
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Part 2 ・可用性の進化 |
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Part 3 ・安全性の進化 |
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Part 4 ・開発生産性の進化 ・まとめ |
Oracle Database 10g Release 2 レビュー |
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