特集：.NET開発の新標準「NuGet」入門（前編） .NETで開発モジュール導入が楽々に！ NuGet入門 芝村 達郎 2011/09/15
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■WebMatrixで利用する

　Visual Studio以外でもNuGetが利用可能な環境としてはWebMatrixがある。WebMatrixは、ASP.NET MVCよりも密接な関係で、NuGet自体がWebMatrixに内蔵される形を取っている。

　そのため、WebMatrixをインストールするだけでNuGetが利用可能になっており、WebMatrix自体がもともとは「初心者向けでも簡単にASP.NETを使ったWebページを作れる開発環境」という位置付けとなっている。従って、NuGetと数多く公開されているヘルパーを組み合わせることで、ASP.NET MVC 3を利用した場合よりも素早く、さらに手軽に開発が行えるだろう。

　なお、WebMatrix自体はASP.NET MVC 3と同様にWeb PIを利用すると簡単にインストールできるので、ASP.NET MVC 3と同時にインストールしておいてもよいだろう。

●管理画面から利用

　最初に注意してもらいたいのは、WebMatrixではNuGetという名称が基本的に使われていないことだ。初見では、どこからパッケージを探せばいいか分かりにくいと思うが、メイン画面の［ASP.NET Web ページの管理］というリンクボタンの説明に「オンライン パッケージをダウンロードします」と書かれている（次の画面を参照）。

WebMatrix起動時のメイン画面

　WebMatrixは、Visual Studioの機能拡張のようにコンソールやダイアログ・ベースのインターフェイスを持っていないので、すべての操作は基本的にブラウザ経由で行う必要がある。管理画面を開くと、さっそくパッケージ・マネージャが表示される（次の画面を参照）。

NuGet galleryに登録されているパッケージが表示されている

　この画面がVisual Studioでの［Manage NuGet Package］に相当する機能になっており、検索やインストールなど一通りの処理をブラウザで行える。このあたりの手軽さはVisual Studioで使うときと変わらないだろう。

●WebMatrix対応のパッケージを探す

　NuGetには数多くのパッケージが登録されているが、中にはWebMatrixで利用できないものが存在するし、逆にWebMatrixでの利用を前提に開発されたパッケージも存在している。このままでは開発者にとって混乱の元となるため、マイクロソフトが公開しているパッケージでWebMatrixでも利用可能なものは「ASPNETWEBPAGES」というタグが付けられている。このタグで絞り込むことで、簡単にWebMatrixで利用可能なパッケージが検索できるというわけだ。

　それでは実際にパッケージを探してみることにしよう。前述したとおりWebMatrixでNuGetに公開されているパッケージを検索するには、［ASP.NET Web ページの管理］リンクから行う。先ほどと同様に管理画面を開くので、検索フォームに注目していただきたい。

パッケージ・マネージャの検索フォームには［表示］選択欄のほかに［ソース］選択欄もある

　キーワード入力以外に［表示］と［ソース］という2つの絞り込み項目が存在している。［表示］選択欄には「インストール済み」「オンライン」「更新プログラム」の3つの項目があり、それぞれの意味は言葉のとおりだ。そして［ソース］選択欄にはデフォルトで「既定」と「既定（すべて）」の項目が存在している。実は「既定」が選択されている初期表示では、先ほど説明した「ASPNETWEBPAGES」というタグが付けられているパッケージのみが表示されるようになっている。

　それでは実際にパッケージをインストールしてみることにしよう。今回はTwitterのヘルパーを利用してツイート検索ボックスの表示を行いたいので、キーワード検索から“Twitter.Helper”を検索して、［インストール］ボタンをクリックする。すると以下のような確認画面が表示されるので、さらに［インストール］ボタンをクリックすると、ヘルパーのインストールが完了し、使用する準備が整う。

WebMatrixでNuGetパッケージをインストール

　インストールが完了したので、さっそくヘルパーを使って、動作を確認しよう。使い方は非常に簡単で、次の1行を.cshtml／.vbhtmlファイルの任意の場所に追記するだけだ。

@TwitterGoodies.Search("NuGet");

キーワード「NuGet」でツイートを検索して表示（.cshtml／※.vbhtmlファイルの場合には「;」が不要）

　それだけで、次の画面のようにTwitter検索のウィジェットが表示される。

ヘルパーを利用してTwitter検索ウィジェットを表示

　WebMatrixでも簡単にNuGetを使えることが分かっていただけただろうか？ ちなみに、初期表示のままで使用していた場合には、必ずWebMatrixで使用可能なパッケージしか表示されていないので安心して使えるようになっている。しかし、場合によってはタグが付けられていないパッケージを利用したい場面もあると思う。それではNuGetに登録されているすべてのパッケージから探していこう。

●すべてのパッケージから探す

　NuGet galleryにはWebMatrixで使えることが公式でうたわれていないパッケージも多数存在している。代表的なところでは、jQueryやjQuery UIは「ASPNETWEBPAGE」タグが付けられておらず、デフォルトの設定ではパッケージ・マネージャに表示されることはない。しかし、jQueryやjQuery UIはJavaScriptで書かれているので、サーバサイドの開発手法に関係なく動作はするはずである。

　このように専用のタグが付いていないパッケージを探すための手段もパッケージ・マネージャには用意されており、それが前述した検索フォームの［ソース］選択欄の項目になる。この項目で「既定（すべて）」を選択すると、タグが付いていないパッケージもパッケージ・マネージャに表示されるようになる。

　以下の画面は、［ソース］選択欄で「既定」もしくは「既定（すべて）」を選択した場合の例である。

［ソース］選択欄に「既定」を指定し、「jQuery.UI」というキーワードで検索するとヒットしない

［ソース］選択欄に「既定（すべて）」を選択し、「jQuery.UI」というキーワードで検索するとヒットする

　一覧に表示された後は［インストール］ボタンをクリックしていくだけで、いままでと手順は変わらない。今回はjQueryだからそのままインストールしても使用できたが、一覧にはEntity Framework 4.1などWebMatrixでの使用が考えられていないパッケージが多数存在していることを覚えておいてほしい。「表示されている＝すべてが簡単に使える」というわけでは決してない。

　最後に次のページでは、特に人気のあるNuGetパッケージを紹介する。

INDEX
	特集：.NET開発の新標準「NuGet」入門（前編）
	.NETで開発モジュール導入が楽々に！ NuGet入門
	1．NuGetの概要／利用場面／インストール
	2．ASP.NET MVCで利用する
	3．WebMatrixで利用する
	4．公開されている代表的なパッケージ
	特集：.NET開発の新標準「NuGet」入門（後編）
	NuGetをさらに便利に使う方法とパッケージの公開
	1．さらにNuGetを便利に使う
	2．NuGetパッケージの作成
	3．NuGet galleryで公開

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