プログラマーにとって重要度を増すXML
XMLは、いま、ひたひたとプログラマーの近くに忍び寄っているのである。「XML? そんなの知らないよ。XML Webサービスもやらないし、関係ないよ」と思っている場合ではないのである。XMLは着実にプログラマーに近づいて来ているのである。そんな馬鹿なと思ったVisual Studio .NET(以下VS.NET)プログラマーは試しに以下のような実験をしてみるとよいだろう。まず、C#のWindowsアプリケーションのプロジェクトを作成してほしい。C#の代わりにVisual Basic .NETを使っても同じような結果が得られる。そして、プロジェクトを作成したフォルダを見てみよう。
では、このフォルダにある拡張子が「.resx」のファイルをテキスト・エディタで開いてみる。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<root>
<xsd:schema id="root" xmlns="" xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" xmlns:msdata="urn:schemas-microsoft-com:xml-msdata">
<xsd:element name="root" msdata:IsDataSet="true">
<xsd:complexType>
(以下略)
|
|
拡張子が「.resx」のファイル |
次は、拡張子が「.csproj」のファイルだ。
<VisualStudioProject>
<CSHARP
ProjectType = "Local"
ProductVersion = "7.0.9466"
SchemaVersion = "1.0"
ProjectGuid = "{749287C7-A384-4057-A076-B148CB5E3C15}"
>
<Build>
(以下略)
|
|
拡張子が「.csproj」のファイル |
さらに、拡張子が「.csproj.user」のファイルも見てみよう。
<VisualStudioProject>
<CSHARP
ProjectType = "Local"
ProductVersion = "7.0.9466"
SchemaVersion = "1.0"
ProjectGuid = "{749287C7-A384-4057-A076-B148CB5E3C15}"
>
<Build>
(以下略)
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拡張子が「.csproj.user」のファイル |
これらはすべてXML文書である。つまり、VS.NETを使ってプログラミングを行っていると、XMLなど関係ないと思っていても、いつの間にか大量のXML文書がハードディスクに作られていくわけである。「このファイルを直接読み書きするわけじゃない。自動的に作られるものだから、XMLなど知らなくても問題ないじゃないか」と思う人もいるだろう。それはある意味で正しい。しかし、情報を保存するためにXML文書を利用するのは、VS.NETだけに限った特徴ではない。かつて、Windows用のプログラムが情報を保存するには.iniファイルという単純なテキスト・ファイルを使っていた。その後、これはより高度な構造を持つレジストリに取って代わられた。だが、たった1つのレジストリにあらゆるプログラムの情報を保存していると、どんどんレジストリが肥大化していく弊害があった。いまでは、XML文書にさまざまな情報を保存するのがトレンドである。そのため、プログラムを作成する際に、XML文書に情報を保存することが求められる可能性もある。
このようなトレンドは、決してVS.NETやWindowsの世界に限定されたものではない。例えば、ソース・コードをビルドするためのAntというツールがある。これはJavaで記述されたプログラムだが、ビルドするルールを記述するファイルをXML文書として記述する。さまざまな分野で、XMLはプログラマーに迫りつつあるといえるだろう。もう逃げたり無視したりする時期ではない。いまここで、少しだけXMLを学んでみようではないか。
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