連載
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■1.はじめに
本連載の第1回、第2回の記事では.NET開発におけるSubversion(バージョン管理ツール)の利用方法について説明した。だが、もちろんバージョン管理ソフトウェアだけでは、効率的にチーム開発を行うには不十分だ。これにバグ管理/タスク管理ツールを併用することで、最低限必要なチーム開発環境の基盤が整う。
最終回となる今回はオープンソースのバグ管理/タスク管理ソフトウェアである「Trac」について解説したい。
■2.Tracとは? Tracの基本的な利用方法
Tracはedgewall softwareというPythonのコミュニティが開発しているオープンソースのバグ管理/タスク管理ソフトウェアである。大きな特徴としてはWikiベースのユーザー・インターフェイスを持ち、SubversionやCVSなどのバージョン管理ソフトウェアと連携できるところにある。図1にTracで作成したプロジェクト・サイトのトップ・ページを示す。
図1 Tracのプロジェクト・サイトのトップ・ページ |
これはTrac公式サイトから参照できるサンプル・プロジェクトのデモ画面である。 |
●2.1 Tracのインストール
では、Tracを利用するには、サーバ・コンピュータ環境に何が必要になるのだろうか? 実はTracは複数のオープンソース・ソフトウェで構成されている複合体であるため、一から環境を構築するのは非常に多くの時間が必要になる。そこで、Tracのインストール自体を簡単にするための「All-In-One-Trac」や「Trac Lightning」といったインストーラ・パッケージも提供されている。「All-In-One-Trac」は残念ながら2006年4月で更新が止まってしまっているため、これからTracをインストールしてみるという方は、新しいバージョンのTracに対応した「Trac Lightning」を使ってみるとよいだろう。この記事中では詳細なインストール手順は解説しないので、まずはそれらのインストーラ・パッケージを利用してTracをインストールし、試してみるとよいだろう。
【コラム】Tracのプラグインについて Tracはプラグインを追加することで自由に機能を拡張できる。例えば以下のようなプラグインが作られている。
今回取り上げているプラグイン以外にも、下記のサイトでさまざまなプラグインが提供されているので、ダウンロードして試してみるとよいだろう。 |
では、Tracをどのように利用できるか簡単に紹介していくとしよう。
INDEX | ||
[連載]オープンソースで始めるバージョン管理&タスク管理 | ||
第3回 Tracによるタスク管理でもっとイケてる.NET開発 | ||
1.Tracとは? | ||
2.Tracの基本的な利用方法 | ||
3.Subversionとの連携 | ||
「オープンソースで始めるバージョン管理&タスク管理」 |
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