特集
.NET開発者のための
デジタルアドバンテージ |
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4. GotDotNet Japan
http://www.gotdotnet.com/japan/
次に挙げる「GotDotNet Japan」は、.NET開発者のコミュニティ・サイトということで、以上3つのサイトと比べて少し趣が異なる。お堅いイメージがなく、少し肩の力を抜いた感じのサイトである。Web上で「GDN(もしくはGDNJ)」といえばこのサイト(あるいは米国版のGDN)だ。
GotDotNet Japan |
このサイトのメインとなるコンテンツは、現在のところ、掲示板とエバンジェリストの紹介である(技術ドキュメント自体はすでに挙げたサイトのドキュメントへのリンクが大半)。ここの掲示板の特長は、マイクロソフトが運営しているということで、マイクロソフトの社員やエバンジェリストが参加している点だ。.NETに関することでマイクロソフトに直訴したい質問や要望は、この掲示板に書き込んでおけば何らかの反応が得られる(はずである)。
エバンジェリスト(evangelist:伝道者の意)とは、.NETテクノロジの啓もう活動や情報提供活動を日々行っている.NETの専門家たちである。彼らはマイクロソフトの主催する.NET関連のカンファレンス(例えば「.NET Developers Conference」や「Tech Ed」など)でスピーカーとして登場したりするので、.NET開発者であれば、何らかの形でいずれ出会うことになると思われる。マイクロソフトの顔として親しみを持ってもらうために、エバンジェリストたちのインタビューも掲載されている。
ちなみに.NETの新しいテクノロジを吸収するには、いま挙げたようなカンファレンスにまずは参加して話を聞くのが早道である。マクロソフトの本当に新しいテクノロジは、米国で秋に開催されるPDC(Professional Developers Conference)あるいは、春に開催されるTech Edで発表されることが多い(日本でのカンファレンスはこれらに少し遅れて開催される)。昨年、ロサンジェルスで開催されたPDC 2003*4ではWhidbeyとLonghornに関する詳細が発表された。毎年多くの日本人開発者も参加している。
*4 PDC 2003の内容については、「.NET開発者のためのPDC 2003レポート」を参照 |
5. サポート技術情報
特に.NETでプログラミングを行う開発者であれば、注目しておくべきページがある。「ヘルプとサポート」のサイトにある「サポート技術情報」である(「サポート技術情報」は、米国では「Knowledge Base」、略して「KB」と呼ばれている)。
サポート技術情報 |
Windowsのセキュリティ情報に敏感な読者ならこのサイトはご存じだと思うが、ここは主に、マイクロソフト製品の不具合やセキュリティ・ホールなどの情報とその対処方法をまとめたサイトである。これにはVisual Studio .NETの不具合や.NET Frameworkクラス・ライブラリのバグに関する情報も含まれている。また、このような情報に加えて、.NETでプログラミングを行う上でのちょっとしたテクニックや、.NET Frameworkクラス・ライブラリにある機能の使い方をHOW-TOとして1画面程度にまとめたドキュメントも多く含まれている。
このサイトでは、最初に検索を行うのが基本的な使い方だが、例えばASP.NETに関するドキュメントを一覧したい場合には、検索キーワードとして「kbASPNET」を入力して検索すればよい。このような使用可能な検索キーワードの一覧は、
[INFO] .NET 関連の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) 資料の検索キーワード
に掲載されている。
コーディングを行っていて、メソッドの挙動がリファレンス・マニュアルに記述されているものとは違う、コードは正しいはずなのにプログラムがうまく動かない、といった場合には、まずここをチェックするのがよいだろう。
6. TechNet Japan
http://www.microsoft.com/japan/technet/
.NET開発者であれば、.NETのこと以外にも、Windows OS製品や、SQL Server 2000などのサーバ製品についての知識も身に付けておく必要がある。こういった製品についての設定や運用のための情報は、「TechNet」でまとめて公開されている。
またこれ以外にも、「Windows Server Systemホーム」や、「Microsoft SQL Serverホーム」などのサイトも時間があれば目を通しておくべきだ。
次に米国のマクロソフトが運営するサイトについて見ていこう。
7. MSDN Home Page
ここは、マイクロソフト・プラットフォームで開発を行う開発者の総本山ともいえるサイトである。マイクロソフト・プラットフォームといっても、近年公開されているドキュメントはほとんど.NETに関するものであり、全世界の.NET開発者が日々チェックしているといっても過言ではないだろう。ドキュメントの充実ぶりも冒頭で述べたとおりである。
MSDN Home Page |
日本版と同様に、ここでも「Developer Center」という形でテクノロジや製品ごとに分類されたサブ・サイトが存在するが、単純にこれだけで分類されているのでシンプルで分かりやすい。また、これらのサイトで公開されている技術ドキュメントは、最新のもの含めて後述のMSDN LibraryかMSDN Magazineサイトにまず格納されている。MSDNは、それらへのリンクを解説文付きで分類しているだけであり、この構造も分かりやすい。ほとんどのドキュメントには、文章の最初に「See This in MSDN Library」というリンクが含まれており、MSDN Libraryのツリー表示と同期させることができる。このように分かりやすく分類されるようになったのはつい最近のことだが、日本のMSDNも早くならってほしいところである。
新着ドキュメントについては「Recently Posted on MSDN」のページで一覧できるが、RSS情報による更新情報も用意されており、これを利用すると、新しく公開されたドキュメントがあるかどうかを、ページを開かなくても知ることができる(RSS情報の活用方法については本稿の後半でまとめている)。
8. MSDN Library
http://msdn.microsoft.com/library/
MSDN Libraryにはマイクロソフト・プラットフォームでの開発に必要なドキュメントがすべてそろっている。日本のMSDNライブラリを探して見付からなかったドキュメントもこちらには必ずあるはずだ。
最近多くの.NET開発者が注目している「patterns & practices」もここに分類されて納められている*5。patterns & practicesは、大規模システムを構築する際に役立つ具体的な設計パターンやコーディング・パターンを集めたものだ。独自に設計やコーディングを進めるのではなく、過去の成功事例から抽出されたパターンを再利用しようというコンセプトである。
*5 連載:アプリケーション・アーキテクチャ設計入門で題材にしている「Application Architecture for .NET」もこの範囲に分類されるものだ。設計パターンの詳細についてはこの連載を参考にしていただきたい。 |
MSDN Library |
このサイトではドキュメントの量が多すぎて、もはやツリーをたどっていくのも現実的ではない。新着ドキュメント以外は検索に頼るしかないが、サイト単位の検索機能が用意されているので、これを活用することができる(これに比べて日本のMSDNは日本のマイクロソフト全体での検索しかなく少し不便だ)。
ただし、よほど最新の話題でない限りMSDN Libraryにあるドキュメントは検索エンジンであるgoogleでもヒットするようなので、まずはそちらで検索した方が使い勝手がよい場合が多い*6。
*6 googleでは「site:msdn.microsoft.com writeline」といったように、「site:」というキーワードを使用して検索対象となるサイトを絞り込んで検索することもできる。 |
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[特集].NET開発者のためのオンライン・リソース・ガイド | ||
1.マイクロソフトが運営する.NET関連サイト(1) | ||
2.マイクロソフトが運営する.NET関連サイト(2) | ||
3.マイクロソフトが運営する.NET関連サイト(3) | ||
4. .NET開発者のための世界のインターネット・リソース | ||
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