連載世界のWebサービス ― 究極のWebサービスを求めて ―第2回 Microsoft TerraService―― 地図表示のためのWebサービス ―― 田口景介 |
1月に起こった、MicrosoftのDNS障害事件を覚えているだろうか。筆者はおりしも本連載第1回の執筆中で、Microsoftが提供するWebサービスを使ったサンプル・プログラムを作成中だった。ほぼ書き上げたところでいざ動かしてみると、なぜかうんともすんとも言わない。おかしいな? と思ったら、Microsoftドメインに属するすべてのサイトがアクセス不能になっていた。もちろん、Webサービスも呼びかけに応えてくれなくなっていた。はからずも、Webサービスの弱点をMicrosoft自らさらけ出した場面に出くわしてしまったというわけだ。
これをあげつらって、それみろASP(Application Service Provider)はまだ早い、とするのは簡単だ。最近頻発しているWebページの改竄事件を事例に挙げるまでもなく、そもそもWWWサーバやそれを支えるサービスはインターネットに直接さらされているため、攻撃されやすい立場にある。大事なデータはファイアウォールの内側に設置されたデータベースに格納されているであろうから、多くのサイトではWebページが改竄されたところで、すぐに発見できれば、それほど深刻な被害を受けずにすむだろう。しかし、Webサービスの窓口となるWWWサーバでは、そうもいかない。
もっとも、だからといって、ASPを否定するのは短絡にすぎる。例えば、混雑するカンファレンス会場や町中では、携帯電話がつながりにくくなることも珍しくない。しかし、それは当たり前のことと認められていて、だからといって携帯電話を否定する人はいない。便利だからだ。確かに、現在のインターネットを支える技術は、悪意あるユーザーに対して、脆弱な部分が少なくない。Webサービスを支えるには少々心許ないインフラかもしれない。しかしそのために可能性まで否定することはない。何しろあのときを除けば、ずっとWebサービスは動き続けているのだ(たぶん)。
閑話休題。さて、今回もWebサービスを1つ紹介することにしよう。
INDEX | ||
[連載]世界のWebサービス―― 究極のWebサービスを求めて ―― | ||
第2回 Microsoft TerraService | ||
1.世界地図データベースTerraServer | ||
2.TerraClientのしくみ | ||
3.TerraClientのコンパイル | ||
「世界のWebサービス」 |
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