Java開発ツール 読者アンケート結果
〜JDK離れの傾向、ツールの評価基準は開発効率〜

宮下知起
Java Solutionフォーラム
2001/4/26

 Java Solutionフォーラムでは、記事「新生Visual Cafe4は高機能なWeb開発ツール」において、Java開発ツールに関する読者アンケートを実施した(期間:2001年2月22日〜3月21日、有効回答数:300件)。

 アンケート回答者のプロフィールを見ると、仕事や個人的な学習といった何らかのかたちでJavaに関わりを持っている読者が全体の約6割を占めていることがわかる(図1)

図1:アンケート回答者プロフィール:%

 上記の、現在Javaを使ったシステム開発に従事している、あるいは個人的に勉強している読者に対して現在使用しているJavaの開発環境について聞いた(図2)。トップはやはりJDKである。ボーランドのJBuilderがそれに続いた。ここまでは予想された結果だが、意外に高い数字を示したのがサンのForte for Javaだ。サンの公式ツールであることや無償で入手できることなどが評価されているのかもしれない。昨年12月に出荷されたばかりのWebGain Visual Cafeのユーザーは3.1%であった。

図2:現在使用している開発ツール(複数回答可能):%

 今度は、全員を対象に今後使いたい/評価したいツールを聞いた(複数回答可能)。トップはWebGain Visual Cafe、Visual Age for Javaがそれに並ぶ結果だ(図3)。WebGain Visual Cafeの記事を読んだ読者へのアンケートであったため、WebGain Visual Cafeに関心が集まったのは当然といえるかもしれない(もちろんそれだけではない、市場の関心が高まっているのは確かだ)。

 一方で、現在Java開発ツールのデファクトとして市場に認知されているJBuilderへの関心が意外に低い。それに比してVisual Age for Javaへの関心が非常に高いが、この結果は昨秋に実施した「第1回 読者アンケート結果」と同様の傾向を示している。Oracle JDeveloperへの関心が同製品の市場シェアに比べて高い点も同様である。

図3:今後使いたい/評価したいツール(複数回答可能):%

 現在使用しているツール、今後使用したい/評価したいツールについての結果を並べてみたのが以下のグラフだ(図4)。こう並べてみると、読者の意識は一気にJDK離れに向かっていることが一目でわかっていただけるだろう。また、Visual Age for Java、WebGain Visual Cafe、Oracle JDeveloeprに関心が集まっていることもよくわかる。ユーザーの意識がデファクト製品にこだわることなく、さまざまなツールを積極的に評価したいとする方向に向かっているといえるだろう。

図4:今後使いたい/評価したいツール(複数回答可能):件数
(クリックすると拡大します)

 今度は全員に開発ツールを選択するポイントを聞いた(図5)。操作性のよさ、デバック機能、サーバ・サイドJavaのサポートがおもな評価基準となっていることがわかる。書籍や雑誌に情報が多いのもポイントになるようだ。サーバ・サイドJavaの開発ではリモートデバックの可否が開発効率に大きく影響する。各社の開発ツールがリモートデバックやアプリケーションのデプロイ(サーバへの配布)などに続々対応してきているが、これまでJDKで十分と考えていたユーザーも、Java開発ツールのサーバ・サイドJava開発のサポートに注目し始めているといえよう。

図5:Java開発ツールを選択するポイント(複数回答可能):件数
(クリックすると拡大します)

 筆者の日頃の取材での感想も含めてはいるが、今後、ユーザーのJDK離れがますます進み、サーバ・サイドJavaの開発にJava-IDEを採用する傾向が強まるとみられる。ユーザーの開発ツールの選択基準はツールのブランドや市場シェアにとらわれることなく、より開発の生産性を高める製品を求める傾向にあるといえる。今年はソフトウェア開発に占めるJavaの採用が激増することが予想されている。Java開発ツールの市場シェアは、現在の数字からは想像できない方向に大きく動く可能性がある。Java開発ツールベンダにとって、これからが正念場といえそうだ。

 最後に、WebGain Visual Cafe/Studioの記事を読んだ結果、Visual Cafe/Studioをどう評価するかについて、上記と同様の項目で聞いた(図6)。サーバ・サイドJavaへの対応、コード入力支援機能、デバック機能に高い評価が集まった。意外に低かったのが、BEA WebLogicのサポートだが、図5での評価結果に比べれば高い数字を示した。

図6:記事を読んだ後、WebGain Visual Cafe/Studioの
特徴的な機能をどう評価したか:件数
(クリックすると拡大します)


調査概要
調査方法
 [プロダクトレビュー]新生Visual Cafe4の機能を検証 VisualCafe4は高機能なWeb開発ツールの記事からリンクした Web構築ツールアンケート
調査期間
2001年2月22日〜3月21日
有効回答数
300件

調査概要
新生Visual Cafeは高機能なWeb開発ツール
サーバ・サイドにシフトするJBuilder4の新機能を検証する



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