Java Solution
        第1回 読者アンケート結果
        〜データに見るJava開発の現状と今後〜
        
      
      小柴豊 
        アットマーク・アイティ マーケティングサービス担当
        2000/12/22
  開設から2カ月を経過したJava Solutionフォーラムでは、日ごろご愛読いただいている読者の皆さまの情報ニーズをくみ取るべく、第1回読者アンケートを実施した。本稿ではその主要な結果を紹介することで、Java開発のトレンドを探ってみたい。
        
      
| Javaの本流は“サーバサイド/Webアプリケーション”へ | 
まず読者が現在開発しているJavaプログラムの種類について聞いてみたところ、“サーバサイドのWebアプリケーション”を挙げた人が全体のおよそ7割を占めた(図1)。一方“アプレット”“クライアントサイドのアプリケーション”を開発している人はおのおの2割程度にとどまっており、Java開発の主目的は完全にサーバサイドに移ったようだ。
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| 図1 フォーラム読者が開発しているJavaプログラム(複数回答 %) | 
ではあまたあるJavaの仕様や活用法の中で、読者がいま一番興味を持っていることは何だろうか?16の選択肢から3つまで選んでもらった回答のランキング(図2)を見ると、“Servlet/JSPによるWebアプリケーション開発”が2位を20ポイント以上引き離してトップに立った。読者のサーバサイドJavaへの傾倒がうかがえる結果といえよう。
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| 図2 Javaについて、現在興味を持っていること Top10(複数回答 %) | 
 またServlet/JSPに次いで“EJBによる業務ロジック作成”“JavaによるXMLデータの処理”のポイントが高い点も興味深い。今後のWebアプリケーション開発はBtoB対応など、より拡張性/相互運用性が重視される案件が増えると思われるが、読者の目は確実にそこで必要とされる技術を見据えているようだ。
        
      
| 開発ツール市場をリードする JBuilder | 
次に開発者の身近なツールとして、Java開発(RAD)ツールの利用状況を見てみよう(図3)。現使用製品では、“Borland JBuilder”を使っている読者が43%に上り、他製品を大きくリードしている。ツール自体がJavaアプリケーションである=マルチプラットフォーム対応や、Foundation版の無償配布などがJava開発者の心をとらえたのだろうか。
一方今後の使用意向では、“VisualAge for Java”への期待度も高まっているようだ。9月のバージョンアップで待望のJSDK1.2対応を果たしたことなどが影響しているのかもしれない。
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| 図3 現在使用している/今後使用したいJava開発ツール(複数回答 %) | 
        参考:Java 開発ツールレビュー記事
| アプリケーションサーバは混戦模様 | 
最後にJava開発時に使用するアプリケーションサーバの導入状況について、「現在使用している製品」「今後導入予定がある製品」「導入予定はないが、試用してみたい製品」の3段階に分けて聞いた結果を見ていこう(図4) 。
現在最も使われているのは Apache Jakarta Projectによる“Tomcat”であり、商用製品としては“BEA WebLogic Server” “WebSphere Application Server” “JRun Server”の3者がほぼ同率で並ぶ結果となった。この分野ではいまだ安定シェアを握っている製品が無い模様で、e-ビジネス標準プラットフォームの座を懸けた今後の各社の動向が注目される。
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             図4 現在使用中/導入予定/試用したいアプリケーションサーバ(複数回答 %)  | 
        
参考:Javaアプリケーションサーバ関連記事/ニュース
- 次世代のAPサーバ WebLogic 6.0(次期バージョンのレビュー記事)
 - Java Servlet 徹底解説 前編(WebSphereを使ったWebアプリ実装記事)
 - Java 
          Servlet 徹底解説 後編(WebSphereを使ったWebアプリ実装記事)
 - BEA、J2EE 1.3実装のWebLogic最新版を発表(News)
 - 米Allaire、アプリケーションサーバJRun 
          3.0日本語版を出荷(News)
 
- 調査方法:Java Solution サイトからリンクした Webアンケート
 - 調査期間:2000年11月10日〜12月5日
 - 有効回答数:99件
 
| 読者調査記事一覧 | 
- 実運用の障害対応時間比較に見る、ログ管理基盤の効果 (2017/5/9)
ログ基盤の構築方法や利用方法、実際の案件で使ったときの事例などを紹介する連載。今回は、実案件を事例とし、ログ管理基盤の有用性を、障害対応時間比較も交えて紹介 - Chatwork、LINE、Netflixが進めるリアクティブシステムとは何か (2017/4/27)
「リアクティブ」に関連する幾つかの用語について解説し、リアクティブシステムを実現するためのライブラリを紹介します - Fluentd+Elasticsearch+Kibanaで作るログ基盤の概要と構築方法 (2017/4/6)
ログ基盤を実現するFluentd+Elasticsearch+Kibanaについて、構築方法や利用方法、実際の案件で使ったときの事例などを紹介する連載。初回は、ログ基盤の構築、利用方法について - プログラミングとビルド、Androidアプリ開発、Javaの基礎知識 (2017/4/3)
初心者が、Java言語を使ったAndroidのスマホアプリ開発を通じてプログラミングとは何かを学ぶ連載。初回は、プログラミングとビルド、Androidアプリ開発、Javaに関する基礎知識を解説する。 
 
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