第2回
Linux:ブームを超えて
「とりあえず入れてみなきゃ始まらない」
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Kondara MNU/Linux SERVER 1.1
これまでの赤い、ペンギンが書いてあるパッケージと違って、サーバ版では黒いシックなパッケージになりました。ビジネス用途を意識しているのかもしれません。それでも裏側には例のペンギンが(笑)。こだわりも忘れていないようですね。
パッケージの裏書きによると、24時間365日体制のサポートで、インストールからサーバ設定まで無償サポートとのことです。24時間必要かどうかは分かりませんが、夜の10時、11時頃でもサポートを受けられるのは、通常の仕事が終わってから作業しないといけない人にはありがたいですね。
パッケージにはCD-ROMが4枚、マニュアルが3冊。サポートの受け方についての説明が、ページ数は少ないながらも独立しているのも、サポート重視の考えの表れでしょうか。厚いほうはユーザーズガイドということで、インストールの方法とさまざまなGUIツールなどが解説されています。薄いほうが管理者ガイドで、さまざまなサーバーサービスの設定方法などが解説されています。
CD-ROMにはAlphaチップ搭載マシン向けのものも含まれていますが、間違えずに「i586 Binary」と書かれたCD-ROMをマシンにセットしてマシンを再起動すれば、自動的にCD-ROMからブートします。昔はMacintoshだけに与えられていたこのCD-ROMブートという特権も今ではさまざまなOSで利用できるようになり、便利になった反面、Macユーザーの優位性が薄れてなんとも……
さて、実際のインストールの流れは省略して、このディストリビューションのポイントだけ書き連ねてみましょう。
グラフィカルインストーラー
昔のLinux(といっても1年ぐらい前ですが)と違い、最近はGUIを使ったインストーラーが主流となりつつあります。インストールの手順自体が自動化されてきているので簡単にインストールが可能となってきていると感じます。
自動パーティション分割
以前はfdiskといったキャラクタベースでディスクのパーティションを作成するツールを操作しなければならないところが、Linuxインストールの大きな壁となっていました。しかし今では商用UNIXでは当たり前だった自動パーティション分割が取り入れられていて、嬉しいかぎりです。ただ、ディスクが複数台ある場合にはうまくいかないなどの制約もあり、不満な部分もあります。全自動でなくてもいいですから、このあたりが改善されると、よりシステム構築に役立つのではないでしょうか。
ネットワークの設定
IPアドレスを入れると、ネットマスク、ネットワークアドレス、ブロードキャストアドレス、プライマリDNSを自動的に入れてくれます。いたって標準的な値が入りますので、複雑なネットワーク構成の場合には入れ直しが必要ですが、これはとても便利な機能ではないでしょうか。
依存関係が解決されていません
今回はインストールクラス(目的)を「サーバ」にしておきましたが、なぜかインストールの前にインストールされるパッケージの依存関係(あるパッケージが他のパッケージに入っている何かを使っている場合などに「依存関係がある」と言う)がうまく解決されていない旨の警告が出ます。具体的には「gd-devel」というパッケージと「gd」というパッケージの間の依存関係ですが、これは単純に「解決する」を選択するだけで解決できました。しかし、これぐらいは通常のインストールテストで発見できるような気がするのですが……
CD-ROMオートイジェクト
インストールが終了すると再起動するわけですが、その前にCD-ROMをオートイジェクトしてくれます。以前、インストール後CD-ROMを入れっぱなしだったために何度やっても再インストールになってしまい、頭をかかえたことがありました。なんのことはない、CD-ROMから起動していたんですね。こういうミスも未然に防いでくれるということですね。
インストール全体を通して
特に大きな問題もなく、おおむねよくできていますが、後ほど書くインストールタイプの問題や、依存関係の問題など、細かいところの問題が残っているのがちょっと残念です。
目次 |
Linuxをインストールする Kondara MNU/Linux Server 1.1 Red Hat Linux 6.2J Deluxe Turbo Linux Server 1.1 インストールの秘訣 |
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