キーワード

納得! 知っ得! キーワード(3)

デジタル時代のくちコミ、「CGM」の秘密


江原顕雄
2008/1/31


 CGMを利用した各種サービス

 CGMを利用しているWebサイトといっても、さまざまな形態があります。サービスごとに分類をしてみました。

・ブログ

 投稿や編集が簡単な日記形式のWebサービスです。多くのブログシステムではアフィリエイトサービスとの連携が簡単にできるようになっており、アフィリエイトによる収入がサービスや製品の紹介や感想を書くモチベーションにつながっています。また、パーマネントリンク(固定リンク)やトラックバックといった機能により、Webサイト、ブログ間でリンクを張り、参照や引用が活発にされています。

・比較サイト

 製品やサービスを、オンラインショップごとの値段の安い順や人気順にランキング形式で表示するサービスです。一番安いところで購入したいとき、値段の相場を調べたいとき、売れ筋をチェックしたいときに便利です。製品やサービスを利用したユーザーの感想や、メーカーへのリンク、販売店へのリンクが張られており、総合的な情報が1ページに凝縮されています。

値段比較サイト、価格.com

・くちコミサイト、レビューサイト

 比較サイトと似ていますが、主に商品やサービスの感想を集めたサイトです。実際に使ってみた利用者の声を知ることができるのが利点です。商品やサービスのレビューだけではなく、大学生が就職活動をする際に、各企業の情報や就職試験の内容や対策などを投稿するサービスもあります。

レビュー専門サイトではないが、Amazon.co.jpには「カスタマーレビュー」が用意されている

・SNS(ソーシャルネットワークサービス)

 日記、コミュニティ、メール、掲示板など、さまざまなコミュニケーション機能を統合的に利用できるサービスです。趣味や製品、サービスをテーマにしたコミュニティ活動が活発で、興味があるユーザーが気軽に集まって情報を発信・交換しています。ブログと同様に、日記にはユーザーの感想や意見が頻繁に書かれています。

・Q&Aサイト

 ユーザーからの質問をユーザーが答えるサービスです。いろいろな質問が投稿されますが、商品やサービスについて疑問・質問も多く、回答ユーザーの感想や発見・意見などが飛び交っており、質問者と回答者のやりとりを参考にしているユーザーもたくさんいます。

Q&Aサイト「教えて!goo」

・掲示板

 テーマや趣味、志向などでジャンル分けされたものから、何でもありの掲示板まで、いろいろな掲示板サービスがあります。ユーザー登録不要で利用できる掲示板が多く、さまざまな質問や回答が投稿されています。

 CGMの今後

 最新のWebサービス技術、ユーザーの意識やネット接続環境、豊富なWebコンテンツなど、いろいろな要素でCGMは構成されています。現在は写真や文字情報をメインに取り扱っているCGMですが、今後は動画や3D画像、音楽といったマルチメディアを利用したCGMがどんどん出てくるかもしれません。

 CGMを提唱したピート・ブラックショウは、このようなマルチメディアを利用したCGMをCGM2(Consumer-generated multimedia)と命名しています。YouTubeやニコニコ動画、iTunesミュージックストア、Adobe Acrobat 3Dといったコンテンツは豊富にあり、すでにブログや掲示板にそれらの情報がバンバン掲載されています。もしかしたら誰も指摘しないだけで、私たちはもう「CGM2」のど真ん中にいるのかもしれません。

3/3
 

Index
デジタル時代のくちコミ、「CGM」の秘密
  Page1
CGMって何のこと?
システム上の特徴とは?
  Page2
Web 2.0で一躍有名になったCGM
企業側から見るCGMの魅力と恐怖
消費者の“素人視点”ならではの危険性
 
Page3
CGMを利用した各種サービス
CGMの今後

「Master of IP Network総合インデックス」


Master of IP Network フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Master of IP Network 記事ランキング

本日 月間