連載第7回
TCP/IPアレルギー撲滅ドリル【下位レイヤ編】

「 アイピー」ってなんですか?


福永勇二
インタラクティブリサーチ
2004/10/30


素朴な疑問
「アイピー」って何ですか?
1 なぜIPを使うんですか?
2 そもそもなぜネットワークを分けるんですか?
3 ネットワークってどんな単位?
4 EthernetとIPの関係は?
5 ではIPとTCPの関係は?
ルーティングが命なのです
6 ルーティングって何ですか?
7 どうやってルーティングするんでしょうか?
8 ルーティングテーブルはとても複雑になりませんか?
9 でもあて先のネットワークってどうやって知るんでしょう?
IPアドレスで分かること
10 IPアドレスってナンですか?
11 IPアドレスはEthernetで使うんですか? 
12 IPアドレスからネットワークが分かるんですか?
 IPアドレスで分かること

IPアドレスってナンですか?

 IPアドレスは、図1のようなネットワークの中で、通信相手を指し示すためのアドレスです。具体的には192.168.1.2のように、0から255までの4つの数字を.(ドット)で区切って表します。この数値は、コンピュータごとに違っていなければなりません。また、このネットワークで通信するとき、相手は必ずIPアドレスで指定します。

 例えば図1の場合も、それぞれのコンピュータはこのアドレスを持っています。通信を行うコンピュータ1、5はもちろん、中継を行うコンピュータ2、3、4も同様です。

 コンピュータ1がコンピュータ5にデータを送るとき、データのあて先にはコンピュータ5のIPアドレスを指定します。

IPアドレスはEthernetで使うんですか?

 実際のデータを配送するのはEthernetですが、Ethernetが配送できるのは直接つながっているコンピュータまでです。一方、IPは、中継の仕組みを使いながら、Ethernetが配送できる範囲を超えて、別のネットワークのマシンにまで配送することができます。

 IPアドレスはこのときに相手を指定する方法なので、その情報が直接Ethernetで用いられることはありません。IPアドレスは、Ethernetの範囲を超えて、複数のネットワークを接続している中で、相手を特定することができるアドレスです。

IPアドレスからネットワークが分かるんですか?

 IPアドレスは4つの数値で表しますが、実は、その中に「ネットワーク部」と「ホスト部」という情報を含んでいます。図4はその一例です。このうちネットワーク部の情報から、図1でいうネットワークA〜Dを区別することができます。またホスト部からは、そのネットワークの中でコンピュータを区別することができます。

図4 IPアドレスのネットワーク部とホスト部

 このような構造があるため、コンピュータ5をIPアドレスで指定するだけで、その中に含まれるネットワーク部から、コンピュータ5がネットワークDにいることが分かる、という仕組みになっています。なかなかうまくできていますね。

 今回はIPが必要な理由、IPのキモであるルーティング、そしてその手掛かりになるIPアドレスについて、細かい話を抜きにして分かりやすく説明しました。次回は、IPについてもう少し詳しく突っ込んでゆく予定です。

ルーティングが命なのです

TCP/IPアレルギー撲滅ドリル【下位レイヤ編】(7)目次
1  「アイピー」ってなんですか?
2  ルーティングが命なのです
3  IPアドレスで分かること

関連リンク
  連載:TCP/IPアレルギー撲滅ドリル【超実践編】(上位レイヤ編)
連載:インターネット・プロトコル詳説

連載:ルータの仕組みを学ぼう
ホストのネット接続は正しく行われているか? 〜netstatによるネットワーク設定の確認〜


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