World IPv6 Dayに参加してみよう
4ステップでWebサーバをIPv6に対応させる方法
株式会社ユビテック
カスタマーサービスタスク
サブチーフ
木村 保博
2011/5/19
6月8日に、世界中の主要なコンテンツプロバイダーがWebサイトをIPv6に対応させる「World IPv6 Day」がやってきます。これを機に、手元のWebサーバをIPv6化してみませんか?(編集部)
World IPv6 Dayがやってくる
6月8日に予定されている「World IPv6 Day」は、GoogleやFacebook、Yahoo!のようなインターネットの主要なサイトも含め、世界中のサイトがこの1日、集中してIPv6を利用してみよう、というイベントです。すでにIPv6対応のサービスや技術を提供しているNTTやMicrosoft、Ciscoなど数多くの組織や企業が参加を表明しています。
【参考Webサイト】 |
世界の状況を見渡すと、アジア太平洋地域のIPv4アドレスがいち早く枯渇しました。今後、スマートフォンやスマートメーターなどのネットワーク対応機器/家電製品が増えると見られますが、こうした新しい機器にIPアドレスを用意するには、どうしてもIPv6導入の検討が必要です。
【関連記事】 日本でもIPv4アドレス在庫が枯渇、分配方法は新ルールへ http://www.atmarkit.co.jp/news/201104/15/ipv4.html |
そんな中、この機会に1日だけでも自社のサーバをIPv6対応してみようと考える管理者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。本稿では、IPv6対応に必要な以下の手順について解説します。
- IPv6アドレスの割り当て
- ネットワークのIPv6アドレス対応
- サーバのIPv6アドレス対応
- DNSの登録
なお、一口にIPv6対応といっても、システムごとに考慮しなければならない点が多くあり、利用しているネットワークや機器によって対応状況や手順は大きく異なってしまいます。そこで1、2については概要を、3、4についてはデータセンター内にあるWebサーバ(図1)におけるIPv6対応の手順について解説します。DNSサーバについては同じWebサーバ内で実行させ、WebサーバのURLのドメインを管理しているものとします。
図1 今回想定する環境 |
なお、IPv6対応に当たっては、これらの手順のほかにアプリケーションサーバ内でのIPアドレスの扱いへの対応、システムの監視と制御、ログの記録と監査などの課題もありますが、本稿では割愛します。
IPv6アドレスの入手
IPv6アドレスはIPv4アドレスと同様に、接続しているインターネット接続事業者(回線サービス提供事業者やホスティングサービス提供事業者など)から割り当てを受ける必要があります。利用している事業者のIPv6対応状況をホームページなどで確認し、事業者より割り当てを受けてください。IPv6アドレスは、割り当て対象ネットワークの形態、規模により/48〜/64のサイズで割り当てられます。
次に、割り当てを受けたIPv6アドレスを、対象サーバが接続されるネットワークに割り当てます。1つのIPセグメントには/64を割り当てるのが一般的です。
ネットワークのIPv6対応
IPv6対応するサーバまでルーティングされるように、各ネットワーク機器の設定をします。
原則として、利用しているネットワーク機器(ファイアウォールやルータ、スイッチングハブなど)はIPv6に対応している必要があります。使用している各機器がIPv6に対応しているかどうかは、IPv6 Ready Logoの有無が参考になります。詳しくは、各機器のメーカーや販売店に確認してください。
「IPv6 Ready Logo」はIPv6に対応しているかどうかの確認の目安になる |
各機器のIPv6アドレス設定が完了したら、ファイアウォールなどのセキュリティポリシーも忘れずに設定します。最近では、IPv4アドレスからの不正アクセスと同じように、IPv6アドレスからの不正なアクセスも観測されています。IPv4と同じようにセキュリティポリシーを管理、設定するようにしてください。
4ステップでWebサーバをIPv6に対応させる方法 | |
World IPv6 Dayがやってくる IPv6アドレスの入手 ネットワークのIPv6対応 |
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サーバのIPv6対応 | |
DNSへの登録 最後に |
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