連載

サハロフ秋葉原経済研究所

第3回  「大きいことはいいこと」なのか、ハードディスクのおいしい容量
ハードディスクとCD-R/RWドライブの動向

サハロフ佐藤
2001/10/04

 秋葉原の片隅、古ぼけたビルの一室。珍しく所長の外神田昌平(そとかんだ・しょうへい)がPCの前で何やら書き物をしているようだ。その隣、唯一の所員の万世橋太郎(まんせいばし・たろう)はなぜかハードディスクを手にため息をついている。

万世橋: ハー、あ〜ぁ、う〜ん。
所長: 万世橋君! さっきから何を溜息ばかりついているんだね。気になって仕事にならないじゃないか。
万世橋: すみません。このハードディスクの調子が悪くて、どうしたものかと……。カラカラと変な音はするし、時たま起動ができなくなるんです。
所長: 君のMMX Pentiumマシンはそろそろ寿命じゃよ。PCも安くなってきたんだから、そろそろまるごと買い替えなさい。
万世橋: もうMMX Pentiumマシンは捨てました。友達がPentium 4マシンを買ったので古くなったPentium IIIマシンをもらったんです。そのPCのハードディスクが調子悪いんです。
所長: それならハードディスクを買って、交換すればいいではないか?
万世橋: でもハードディスクって、けっこう高いじゃないですか。ボクがMMX Pentiumマシンを買った4年前は、4Gbytesのハードディスクが4万円くらいしていましたよ。最近は、4Gbytesなんて少ない容量のディスクは売ってないって言うじゃないですか。40Gbytesのディスクっていったら、いくらするのか恐ろしくて……。
所長: 万世橋君、君はどこに勤めているのかね? 昨今のハードディスクの値下がりと大容量化は、プロセッサ以上だよ。もはや、40Gbytesのディスクでも1万円程度だし、最新の100Gbytesのものでも3万円少々出せば、十分に購入可能なのじゃよ。ハードディスク・ベンダも生き残りを賭けて、新しい技術に取り組んでいるし、しばらくは大容量になっても値段は下がる、という傾向が続くだろうな。最近は、ビデオ・レコーダなどのAV機器にもハードディスクが搭載されるようになってきているので、発熱が少なくて、音が静かというディスクの開発が進んでいるようだ。こうしたディスクは、少し値段が高めのようだが、PCに搭載してもメリットがあるといえるね。
万世橋: えっ、4年前の4Gbytesのディスクの価格よりも、いまの100Gbytesの方が安いってことですか。それにしても、4年間で容量が25倍というのは、すごいですね。
所長: まぁ、4年前でも10Gbytesクラスのハードディスクは市販されていたから、4年間で容量が25倍というのは少々大げさだが、1年で2倍程度に容量が上がっているのは間違いないだろうね。まぁ、それくらい動きの激しい市場だから、ハードディスク・ベンダも大変ということだな。
万世橋: ということは、ちょっと待つと、100Gbytesクラスのハードディスクも2万円くらいになりますかねえ。もう少し待っちゃおうかなぁ。
所長: 万世橋君、相変わらずだね。何度も言うように、PCなんて必要なときが買い時なんじゃよ。常に性能が向上して、値段も下がるんだからね。すでに君のPCのハードディスクは調子が悪いんだから、いまコストパフォーマンスが最もいいディスクを調べて、買うのが賢い方法じゃないのかね? おぉ、ちょうどよい。ストレージ関連のレポートがサハロフ佐藤顧問から届いているはずじゃ。私は、クライアントに提出する急ぎの報告書があるから、君はサハロフ佐藤顧問のレポートをまとめてくれたまえ。
万世橋: 了解しました。えっ、80Gbytesが2万円もせずに買えるじゃないですか。ちょっと、出かけてきます。
所長: おいおい万世橋君、レポートをまとめるのが先じゃ!

と、秋葉原のPCパーツ販売店へと飛び出した万世橋君。果たしてコストパフォーマンスの高いハードディスクは購入できたのだろうか。万世橋君が購入の参考にしたサハロフ佐藤氏のレポートは、次ページよりお届けする。今回は、最近変動の激しいハードディスクとCD-R/RWドライブを中心にレポートしていただいた。パーツの購入ならびに価格動向の参考にしていただきたい。

 
 
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  [連載]サハロフ秋葉原経済研究所
第3回 「大きいことはいいこと」なのか、ハードディスクのおいしい容量
    各種ハードディスクとCD-R/RWドライブの動向
 
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