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ミノックス C型とミノックス判フィルム
ミノックス C型は、 1969年から1978年にかけて製造されたカメラ。ミノックスの各シリーズは、スパイ・カメラとして有名で、実際にCIAなどでも使われていたという。大きさはDIMMとほぼ同じ、というと分かりやすいか。C型では、自動露出機能も付き、誰でも手軽にスパイ気分が味わえるようになっている。大型量販店ならば、フィルムの入手や現像も可能。
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未来予想図
1970年代、少年科学雑誌やマンガ雑誌には、21世紀の日本の姿がよく描かれていた。そこ描かれた21世紀は、超高層ビルと電気自動車、東京−大阪間を1時間で結ぶリニアモーターカー、超音速旅客機、同時通訳機、宇宙旅行など、胸躍らされたものばかりだった(21世紀になるというのに、未だに実現が難しそうなものばかりだ)。21世紀の到来が待ち遠しい、とまで思ったものだ。ところが、あと数日で21世紀、というのに、あの頃のトキメキはない。21世紀になるというのに、いつもの年末と同じか、むしろ寂しくさえ感じる。これは、少年時代に夢見た21世紀と大きくかけ離れているからかもしれない。
1970年代に描かれた21世紀で比較的当たったのは、携帯電話くらいだろうか。コンピュータの普及も、予想以上に進んでいるが、同時通訳機などは実現していない。ただ、同時通訳については、Intelの「世界最小かつ最速の
CMOS トランジスタを開発」のニュースリリースによれば、21世紀の比較的早い時期には実現できることになる。インターネットの普及は、1970年代には想像もできていなかった。
問題なのは、1970年代に描かれたこれらの予想図を超える未来図が、30年を経た現在でも描けていない点だ。多くのものが、1970年代以前に想像されたものを追いかけて開発しているにすぎない。むしろ、環境破壊や資源枯渇、人口爆発など、暗い未来図ばかりが目立つ。
新しい、明るい未来予想図が描けなければ、明るい未来はない。これは、コンピュータの世界でも同じだ。新しいアプリケーションが想像できなければ、コンピュータの進歩はないだろう。現在、キラー・アプリケーションが不在だといわれるのは、コンピュータの能力の問題ではなく、むしろ人間の想像力の欠如が招いたものなのかもしれない。21世紀には、生活を豊かに変えてくれるようなアプリケーションが登場することに期待したい。まずは、英語の苦手は私のために、同時通訳機を早く実現していただきたい。この夢は叶うのだろうか?
(PC Insiderガイド 小林章彦)
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