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BOLSEY MODEL C
1950年代の米国製カメラ。設計者は、スイスから米国に移住したジャック・ボルスキー博士。35mmフィルムを利用するカメラとしては、珍しい二眼レフを採用する(上下合致式のレンジ・ファインダーも装備する)。おにぎりのようでかわいいデザインだが、操作性はあまりよくない。また、小型のわりに重いのが難点。 |
データ・センターの認知度
2月10日、わが家(マンション)の近所に建設中の某キャリアのデータ・センターが近隣の住民向けに建物内部を公開した。いわゆるオープン・ハウスというやつだ。某キャリアは、データ・センターという性格上、本当ならば内部の公開などしたくなかったはずだし、さらに言えばデータ・センターであることさえも明かしたくなかったはずだ。にもかかわらず、公開を行ったのには住民の理解を得たいという理由があったようだ。
そもそも、データ・センターの建設が始まったのは、1年半ほど前のこと。その土地は元々セメント工場があった場所なのだが、その某キャリアが取得した。確か当初の話では社屋を建設するということであった。詳細な経緯は不明だが、マンションに届けられる管理組合の報告書などから推察すると、その後に近隣住民の自治会かマンションの管理組合が、某キャリアにどのような建物なのか問い合わせを行ったらしい。自治会の懸念は、その建物から「電波」が発生するか、どうかということだった。某キャリアは、子会社に携帯電話会社を持っていることから、携帯電話の大型の基地局となり、「強い」電波が出るのではないかという懸念だ。
確かに着々と建設が進む建物は、窓がほとんどない「社屋」としてはおかしなものであったので、自治会が怪しんだのも理解できる。数回の交渉の結果、某キャリアの担当者は、「建物はデータ・センターであり、携帯電話などの電波が発せられるものではない」ということを明らかにした。もし自治会のメンバーに@ITの読者諸氏が含まれていたのならば、この話はここで終わっただろう。しかし、IT企業と無関係な多くの人に対して、データ・センターがどういったものか説明するのは難しい。結局のところ、自治会の理解は得られなかったようだ。管理組合からの報告書には、「電磁波の影響についての回答がなく、継続して交渉中である」とあった。
実のところその某キャリアは、隣の敷地も購入しており、データ・センターの拡張(B棟の建設)を計画している。この計画を近隣住民に説明したところ、「電磁波の影響についての明確な回答がない」ということで反対が起きているのだ。某キャリアとしては、何とか近隣住民の理解を得て、穏便にB棟の建設を進めたいところ。結局、「データ・センター」が電磁波を外部に放出するような施設でないことを理解してもらうには、見てもらうのが一番となったようだ。
過程はどうあれ、データ・センターの内部を見ることは、こうした仕事をしていてもほぼ不可能なことなので、意気揚揚と出かけることにした。残念ながら写真撮影は禁止。内部はいくつかサーバ・ラックが立っているものの、サーバ自体はほとんど入っていない状態だった。「意外とつまらない施設」というのが正直な感想である。帰り際、近所の主婦が「カフェテリアもないのね」と言っていたのが印象的だった。このオープン・ハウスでデータ・センターに対する近隣住民の理解が深まったかどうかは疑問が残るものの、有意義な見学会であった。
確かにデータ・センターというもの自体、どういうことを行っている施設なのか説明するのが難しいものだ。通信の自由化やインターネットの普及によって、データ・センターが各地に建設されていると思うが、近隣住民の目には「怪しい建物」に見えるのかもしれない。ジャストシステムがサービスを始めた「インターネットディスク」が普及すると、もう少しデータ・センターが身近になって、データ・センターに対する理解が深まるかもしれない。データ・センターが認知される日は来るのだろうか?
(PC Insiderガイド 小林章彦)
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