PC Insider 編集後記 2001年7月
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リコー GR21
世界唯一の21mmレンズ搭載のコンパクト・カメラ。2000年11月の編集後記で紹介したGR1の兄弟である。GR1とは逆に、ライカ・マウントで先に販売された21mm F3.5 GRレンズを搭載する。レンズは厚みがあるため、完全にボディー内に収まらない点は残念なところ。コンパクト・カメラとは思えない価格なのだが、GRレンズの魅力に負けて、珍しく新品で購入した。
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撮影サンプル(大きな写真:37Kbytes
リコーのGR21で世界遺産の白川郷を撮影。橋の欄干も合掌造りになっている。使い慣れない画角のため、仕上がった写真はどれも中途半端なものとなってしまった。21mmという広角の割りには、歪みが少ないので使いこなせば街角のスナップに威力を発揮するだろう。レンズの描写力は、折り紙付き!

肥大化の問題

 量販店のソフトウェア・コーナーに行くと、6月8日出荷開始となったOffice XPが山のように積まれている。発売日当初は、多くの人がパッケージを手に取って見ていたが、最近ではそういった光景も見かけなくなってしまった。これは、多くのユーザーにとって、Office XPの新機能が魅力的に映らないからなのかもしれない。実はこうした現象は、いまに始まったわけでなく、Office 2000が登場したときにも、Office 97で十分という声が聞こえたものだ。

 企業などでは、「やっとOffice 2000にすべてのPCを入れ替えたところなのに」という声も聞く。そのOffice 2000への変更も、ユーザーが能動的に行ったわけでなく、多くの場合は新規に購入したPCにインストールするために購入できるパッケージがOffice 2000しかない、という理由による(新規に購入したPCにプレインストールされていたのがOffice 2000、というケースもあるだろう)。つまり、Officeは仕事のうえで必要なものの、最新版である必要はほとんどなくなっているのだ。以前に比べてデータの互換性は高くなってきており、新しいOfficeで作成したデータも、古いOfficeで読むことができる点も新しいOfficeを必要としない理由として挙げられるだろう。

 むしろ、バージョンアップするとメニューが変わったり、使わない機能が増えたりするため、かえって使いにくくなる、という話も聞く。実際、私もそのように感じている。それでなくても、一度も使ったことがない機能が山のようにあり、設定にも戸惑うほどなのに、新機能が付いても困るだけだ(もちろん、便利な新機能もあるのだろうが)。

 機能を増やすよりも、むしろ減らしてほしいと思っている人も多いに違いない。もちろん、使うか使わないかは、ユーザーによって異なるので、単純に削ることは難しいだろう。以前、あるソフトウェア・ベンダの開発者から、「アンケートの結果、あまり使われていない機能を新しいバージョンで削除したら、ユーザーから便利に使っていたのに困る」という抗議を受けたという話を聞いたことがある。確かに、そういう面もあるだろう。ただ、こうした意見を恐れて互換性を維持した結果、肥大したアプリケーションとなり、多くの人に使いにくいモノになっているのではないだろうか。

 単純に機能を削るのが難しいのならば、ライト版を用意するというのはどうだろうか。すでにアドビは、Photoshopの機能を限定したPhotoshop Elementsを発売している。Photoshop Elementsでは、主にデジタル・カメラやWeb用の画像編集という用途に限定することで、フィルタ機能の一部を削るなどして、機能のスリム化と低価格化を実現している。ぜひともOfficeにも、こうした機能のスリム化を行ったOffice Elements(?)を用意していただきたいものだ。

 実はこうした肥大化は、何もアプリケーションに限ったことではない。互換性を重視するあまり、過去の資産を切り捨てられないのは、PCハードウェアも一緒だ。ISAスロットがPCからなくなったのはつい最近だし、USBが普及しても、相変わらずシリアルやパラレル・ポートが装備されている。

 ふと自分自身を振り返ると、Webサイトもまさに過去の資産を溜め続け、肥大化するものであることに気付く。記事をサイト上から削ることは、「資料性」ということもありしたくないのだが、かといってこのまま記事が増え続けると、目次から記事を探すことも難しくなってしまう。いい方法がないか検討しているのだが、明確な解が見つからずにいる。Officeの機能の肥大化より切実な問題かもしれない。

(PC Insiderガイド 小林章彦)
 

  編集後記
大きな写真へ今月の損得勘定:17万円のノートPC
 ほぼ2年ぶりにノートPCを買い換えた(右写真)。日本IBMのA4サイズ・ノートPCであるThinkPad 600Eから同系列のThinkPad T22へのアップグレードなので、デザインはほとんど変わっておらず、見た目のインパクトはない。一方、購入価格は劇的に下がった。600Eが2年前に29万9800円だったのに対し、T22はなんと17万3800円! 実に12万円以上の差がある。購入した600E(2645-4LJ)はシリーズ内の上位モデルで、T22(2647-3EJ)は下位モデルという違いもあるが、それでもシリーズ全体でおおよそ7万円は値下がりした計算になる。
 もちろん600Eに比べてT22の性能や機能は大幅に向上している。それでいてこの低価格化は、やはり液晶パネルやメモリ、ハードディスクなど主要なコンポーネントの価格下落が主因だろう。また、値下がりにともなう品質の低下については、T22の場合、ほとんど感じられない。重箱の隅をつつくなら、背面コネクタの保護カバーやリカバリCD-ROMの省略など、多少気になるところもある。しかし、最近ノートPCから排除されつつある赤外線ポートは残っている(Palmユーザーには重要)し、暗めだった液晶パネルは高輝度化されているなど、要所はおさえられており、総じて満足している。毎日持ち運ぶメイン・マシンとして「使える」ノートPCが、(3年で償却可能な)20万円未満で購入できるとは、よい時代になったものだ。
 ところで、T22の後継機種ThinkPad T23が7月末に発表された。モバイルPentium III-Mの搭載などスペックは非常に優れているが、20万円未満で購入するには、たぶん年末まで待たなければならないだろうし、後悔はしていない。いやホント、強がりじゃないってば。 (島田)
 
大きな写真へ今月の買い物:TOMICA BitChar-G
 このBitChar-Gというラジコン、結構話題になっていたようだが、私は発売後2週間ほど経った7月27日の朝に存在を知った(BitChar-Gのニュースリリース)。私の見た媒体には品切れ続出と記されていたが、早速買いに行った調布パルコにはまだ山積みになっていて、目当てのスカイラインGT-R(モデルG-04)をすんなり入手することができた。
 最初BitChar-Gのパッケージを見たとき、この小ささとラジコンのイメージがまったく結びつかず、ひどく戸惑った。Pentium IIと比較した写真を撮影してみたが、フル・コントロールのラジコンがこのサイズで市販されるとは驚きだ。子供のころ、おもちゃメーカーのインチキなラジコン(バック時の右折/左折がうまくできない)に腹を立てた記憶があるが、このBitChar-Gは6方向すべてに動いてくれる。しかも2980円(!)と、衝撃的な価格が付けられている。9月にはRX-7/セリカの2モデルが追加されるようだが、待てずにもう1台(黄色のS2000にしようかな)買ってしまいそうだ。 (澤谷)

型番 モデル名 無線周波数帯
G-01 ホンダS2000
シルバー
57MHz
G-02 ホンダS2000
イエロー
45MHz
G-03 スカイライン
GT-Rブルー
35MHz
G-04 スカイライン
GT-Rホワイト
27MHz
BitChar-Gのラインアップ
 
今月の買い物:ハードディスク
 先日久しぶりに自宅のデスクトップPCのハートウェアをいじった。長期間放置状態であったのは、自宅にいる時間が少なく、また、使ったとしてもメールのチェックやちょっとしたWebのブラウジング程度であり、デスクトップPCをアップグレードさせるメリットが非常に少なかったからである。しかし、ハードディスクの容量が4Gbytesではさすがに手狭になってきたため、アップグレードに踏み切った。思い切ってシステム一式買い換えることも検討したのだが、あまり使っていないマシンなので、今回はハードディスクの換装という最低限のアップグレードに留めることにした。
 購入したのはIBM製Deskstar 60GXPの20Gbytesモデル(IC35L020AVER07)。当初は秋葉原まで買いに行く予定だったが、その途中で寄った新宿のヨドバシカメラでも案外安く、秋葉原まで行く交通費や労力、ポイント還元を考えるとほぼ互角となったので、新宿で購入してしまった。現在OSをインストールしてScandiskなどでチェックしたが、おおむね良好に動作している。当分動画などを溜め込む予定はないので、当面はこの容量で足りるだろう。これでまたしばらく(トラブルが発生しない限り)放置状態が続きそうだ。 (平野)
 
来月の目標:できるだけ家にいない
 旅に出ると、毎回、何か得るものがある。楽しい思い出ができるのはまあ当然として、いつも目標にするのは、困ることだ。むしろ、困りたいくらいなのだ。困りたい、楽しみたい、半々くらいの気持ちで家を出る。旅先でトラブルが起こると、普段と同じトラブルでも何倍もの精神的ストレスあるいはダメージを受ける。それが目的なのだ。決して僕自身、痛みに快感を覚えるような人間ではない。困ったときどう対処するか、それが積み重なって危機に堪えうる能力を身につけることができる、と思うからだ。
 幸か不幸か、旅に行くとたいていトラブルが起こる。夜中にやっと家の30km手前にさしかかったところでバイクが故障して朝を待ったり、高速道路で立ち往生したり。そんなとき、少なからず他人の厄介になってしまうのだが、精神的に参っているので体裁なんてどうでもよくなって本当にいろんな人がいることが実感できる。こういう出会いからも、普段の何倍も得るものがあると思うのだ。日常から離れるだけでも意味があると思う。この夏もまた、どこかへ困りに行こうと思う。 (清水)
 
 
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