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Pentium II

【ペンティアム・ツー】

別名
Pentium 2 【ペンティアム・ツー】
ペンティアム2 (Pentium II) 【ペンティアム・ツー】

最終更新日: 2002/05/16

 Intel社が1997年初頭に発表したx86アーキテクチャのデスクトップPC向けマイクロプロセッサ。ハイエンドPC向けプロセッサとしてすでに1995年末に発表されていたPentium Proのマイクロアーキテクチャ(P6マイクロアーキテクチャ)をベースにして、16bitコードの実行性能の向上、MMXテクノロジの採用、パッケージ変更による製造コストの低減とキャッシュ・メモリ・アーキテクチャの柔軟性向上を実現した。開発コード名は「Klamath(クラマス)」および「Deschutes(デシューツ)」。

Pentium II
Pentium II
写真提供:Intel

 Pentium IIのベースとなったPentium Proは、プロセッサ・コアと2次キャッシュ・メモリを1つのPGAパッケージに組み込んだハイエンドPC向けプロセッサであったが、16bitコードの実行速度が十分でなく、また同一パッケージ内にキャッシュ・メモリを組み込んだためコスト・ダウンが容易でない、といった問題点があった。これらの解消を目指して開発されたプロセッサがPentium IIである。Pentium IIでは、Pentium Proの機能に加えて、マルチメディア処理の高速化を実現するMMX命令の追加、1次キャッシュ容量の倍増(16Kbytes→32Kbytes)、スーパースカラー・エンジンの改良による16bitコードの実行性能向上、2次キャッシュのプロセッサ・コア・パッケージとの分離を行った。このためPentium IIは、それまでの伝統的なプロセッサ用パッケージとは形状が大幅に異なるS.E.C.と呼ばれるゲーム機のカセットのような形状になり、この内部にプロセッサ・コアと2次キャッシュ・メモリ、キャッシュ・メモリを管理するためのタグRAMが実装された基板が組み込まれた。このパッケージとマザーボード間の接続インターフェイスにも、Slot1と呼ばれる新しいインターフェイス仕様が採用された。

項目 内容
マイクロアーキテクチャ P6アーキテクチャ
コアのクロック周波数 233M/266M/300M/333M/350M/400M/450MHz
FSBのクロック周波数 コア・クロック333MHz以下:66MHz
コア・クロック350MHz以上:100MHz
1次キャッシュ 命令:16Kbytes/データ:16Kbytesの合計32Kbytesをコアに統合
2次キャッシュ 512Kbytesを外付け
製造プロセス 当初は0.35μm;300MHzの途中から0.25μmに切り替えられた
トランジスタ数 750万個
パッケージ S.E.C.
Pentium IIの主な仕様

 1997年初頭の発表当時のスペックは、製造プロセスにMMX Pentiumと同じ0.35μ、4層メタルCMOSテクノロジを採用し、750万トランジスタを203mm2のダイに組み込んでいた。また動作クロックは233MHzと266MHz、300MHzの3種類だったが、そのあとで、333M〜450MHzのモデルが追加された。

 現在では、Pentium IIをさらに改良したPentium IIIが後継として登場している。

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