実験
ディスク環境まるごとアップグレード[USB活用編]
―― Norton Ghost 2001のUSB接続コピー機能を試用する ――
澤谷琢磨
2001/09/01
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Norton Ghost 2001 |
シマンテックがラインアップしているハードディスク・コピー・ユーティリティ。価格は9800円。同社の統合ユーティリティ「Norton SystemWorks 2001 Professional(1万9800円)」にも、Norton Ghost 2001の機能が含まれる。
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Norton Ghost 2001は、ハードディスクの内容を丸ごとコピー(クローニング)したりバックアップしたりするためのユーティリティである。開発・販売は、ウイルス対策ソフトウェアやPCのトラブル・シューティング・ツールなどで知られるシマンテックだ。Norton Ghost 2001は、これまで企業向けとして販売されてきた「Symantec Ghost 6.5」の個人・SOHOユーザー向け版である。日本国内では2001年3月より販売が開始されている(Norton Ghost 2001の製品情報ページ)。
Norton Ghost 2001は、企業向けクローニング・ツールの「Symantec Ghost」をルーツに持つ、比較的歴史の古いソフトウェアだ。Symantec Ghostはハードディスク/パーティション間のコピー/クローンに加えて、SCSI接続のテープ・ドライブ、ATAPI/SCSI CD-R/RWへのコピー機能を備えるなど、競合製品に比べバックアップ先(書き込み先デバイス)の選択肢が豊富であるという特徴を持つ。こうした特徴はNorton Ghost 2001にも一部引き継がれており、例えば1対1で接続された2台のPCで一方のハードディスクを書き込み先とすることもできる。つまり、イーサネットやUSBなどで2台のPCを接続し、片方のPCのハードディスクをもう一方のハードディスクへバックアップしたり、逆にバックアップしたイメージからハードディスクの内容を復元したりすることが可能だ。これは競合するほかのハードディスク・コピー・ユーティリティでは見かけないユニークな機能である。
発売元 |
シマンテック |
製品名 |
Norton Ghost 2001 |
価格 |
9800円(実売7000〜8500円程度) |
製品URL |
http://www.symantec.com/region/jp/
products/ghost2001/index.html |
対応システム |
Intel 386SX以上のプロセッサを搭載するPC。起動フロッピーの作成などにWindows 95/98/Me/NT 4.0 Workstation/2000 Professionalのいずれかが必要(Internet Explorer 4.01 SP1以上も必要) |
必要なハードディスク空き容量 |
21Mbytes以上 |
コピー実行環境 |
標準添付のIBM PC-DOS上で実行。Windows上のウィザード・プログラムで専用のDOS起動フロッピーを作成可能 |
クローニング機能 |
ディスクまたはパーティションごとに、ディスクからディスクへ丸ごとコピー可能 |
バックアップ・イメージ作成/復元 |
ディスクまたはパーティションごとに作成可能。既存のバックアップ・イメージに対するファイルやフォルダの追加/復元などの操作も可能 |
PC-to-PCコピー機能 |
USBかパラレル・ポート、TCP/IPネットワークで接続された別のPCのディスクに対して、ディスクやパーティションの丸ごとコピーや、バックアップ・イメージの作成/復元が可能 |
書き込み先デバイス |
ハードディスク、Jazドライブ、Zipドライブ、MOドライブ、CD-Rドライブ(直接書き込み可能)、SCSIテープドライブ。リムーバブル・ドライブは、複数のメディアにまたがってバックアップ・イメージを作成可能 |
クローン可能なOS*1 |
DOS、Windows 3.1/95/98/Me/NT/2000、Linux、OS/2(HPFS) |
クローン可能なファイル・システム |
FAT12/FAT16/FAT32、NTFS(ダイナミック・ディスクは単純なボリュームとミラー・ボリュームのみサポート)、ext2(Linux)、HPFS(ディスク単位のバックアップ・イメージ作成のみサポート) |
ソフトウェア圧縮 |
バックアップ・イメージ作成時にデータを圧縮してファイル・サイズを小さくできる。最高で90%まで圧縮可能 |
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Norton Ghost 2001の主な仕様 |
*1 Windows XPについては次のバージョンで対応(製品名はNorton Ghost 2002を予定) |
多くのハードディスク・コピー・ユーティリティは、対象のPCにもう1台のハードディスクか、あるいはCD-R/RWドライブなどを接続して、それにコピーする必要がある。つまり、対象のPCのハードウェア構成によっては、「特集:ノートPCのディスク環境まるごとアップグレード」に記したように、ディスク増設などハードウェアの拡張を行わなければならない。その点、Norton Ghost 2001のピア・ツー・ピア接続によるPC間ディスク・コピー機能(以下PC-to-PCコピー機能)を使えば、USBやイーサネットなど既存のインターフェイスをケーブルで接続するだけで、ハードウェアのセッティングが完了する(自由に使えるPCが用意できることが前提になるが)。これによりハードディスクなどの拡張が難しいノートPCでは、より手軽にバックアップがとれる。
そこで本稿では、Norton Ghost 2001を用いて実際にPC-to-PCコピー機能を使ってみて、その利便性と実用度を探る。具体的には、「特集:ノートPCのディスク環境まるごとアップグレード」のように、ノートPCのハードディスクの内容を維持したまま大容量のものにアップグレードする作業を、Norton Ghost 2001のPC-to-PCコピー機能を利用して実行してみる。特に、ハードウェアの拡張性が比較的乏しいノートPCでも標準的に装備しているUSBを利用したコピー方法に注目した。テスト環境のOSはWindows 2000 Professionalだが、Norton Ghost 2001はWindows 9x/Meもサポートしているので、これらのOSを利用している場合でも本稿は参考になるだろう。
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