キーワードAMD PowerNow!テクノロジ 2000/06/30 |
AMD PowerNow!テクノロジに対応するモバイルAMD-K6-2+ |
モバイルAMD-K6-2+は、AMD PowerNow!テクノロジに対応することで、最大30%のバッテリ駆動時間の延長が可能だという。PowerNow!バッテリ・セイバー モードで動作時の消費電力は、3Wと非常に小さい。 |
AMDが開発したノートPC向けプロセッサ向けの省電力技術。2000年6月27日に発表された「モバイルAMD-K6-2+」の動作クロック550MHz版、および533MHz版で公式にサポートが表明された(すべての「モバイルAMD-K6-2+」および「モバイルAMD-K6-III+」がAMD PowerNow!テクノロジに対応している。ただし、AMD PowerNow!テクノロジを有効にするにはBIOSなどの対応が必要)。AMDによれば、AMD PowerNow!テクノロジを採用することで、最大30%のバッテリ駆動時間の延長が実現するという。
AMD PowerNow!テクノロジは、IntelのSpeedStepテクノロジに対抗するもの。SpeedStepテクノロジは、「Maximum Performance Mode」と「Battery Optimized Performance Mode」の2種類のパフォーマンス モードを規定しており、AC電源かバッテリかを自動的に判別して、動作クロックと動作電圧の切り替えを行うというものであった。これに対し、AMD PowerNow!テクノロジでは、AMD独自のオートマティック・モードを備えており、アプリケーションの動作状況などによって、必要とされる性能を自動的に判断し、オンデマンドで最適な動作クロックと動作電圧を選択するようになっている。具体的にどのように動作クロックと動作電圧の変更を行っているかの詳細については公表されていない。
AMD PowerNow!テクノロジは、オートマティック・モードのほか、最高周波数および最大電圧で動作する「ハイパフォーマンス・モード」に最低周波数と最低電圧で動作する「バッテリ・セイバー モード」の合計3種類の動作モードを持っている。
システム バスとの比 | 動作クロック |
5倍 | 500MHz |
4.5倍 | 450MHz |
4倍 | 400MHz |
3.5倍 | 350MHz |
3倍 | 300MHz |
2倍 | 200MHz |
AMD PowerNow!テクノロジを採用したAMD-K6-2+の動作クロックの遷移 |
なお、AMD PowerNow!テクノロジのオートマティック・モードでは、プロセッサの動作クロック周波数をシステム バス クロックとの比で設定している。つまり、バス クロックの倍率を変更することで、プロセッサの動作クロックを変更しているわけだ。具体的には、動作クロック500MHzのモバイルAMD-K6-2+の場合、システム バス クロックは100MHzなので、プロセッサの動作クロックは、以下の表のようになる。
このときの動作電圧は、2.0Vから1.4Vの間を数ステップに分けて変更する(AMDによる実機のデモを見る限り、2.0V/1.8V/1.6V/1.4Vの4ステップで制御されていた)。動作クロックと動作電圧の組み合わせについては、6月27日現在公表されていない。
同様の省電力テクノロジには、TransmetaのCrusoeに採用されている「LongRun」もあるが、LongRunに比べると、AMD PowerNow!テクノロジは動作クロック、動作電圧ともに刻みが大きいようだ。AMD PowerNow!テクノロジは、IntelのSpeedStepテクノロジとTransmetaのLongRunの中間的な技術といえるかもしれない。
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関連リンク | |
「AMD PowerNow!テクノロジ」に関するニュースリリース | |
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