連載 Mobile Insider

第7回 Palm系PDAのキーボード事情

バラエティ豊かな各種キーボード

塩田紳二
2001/08/16

PS/2キーボードを接続可能にする「Happy Hacking Cradle」

 PFUのHappy Hacking Cradleは、Happy Hacking Keyboardのオプションという形で販売されているものだ。ただ、一定の仕様を満たすPS/2タイプ・キーボードであれば、どれでも利用可能な変換アダプタである。表「PDA用キーボードの種類と特徴」の「2. キーボード流用アダプタ」に該当する。

Happy Hacking Cradle
PFUの「Happy Hacking Cradle」。手前に見えているのが同社のHappy Hacking Keyboard。消費電流など一定の仕様を満たすPS/2キーボードならば接続可能。また、名前のとおりクレードルとしても利用できる。

 名前のとおり、この装置自体はクレードルとなっており、PS/2キーボード・コネクタを装備している。ここに消費電流が50mA以下(電圧はDC5V)のPS/2キーボードを接続することで、Palm用のキーボードとして利用することができるようになる。対応機種はPalm III系のコネクタだが、Palm V系のコネクタをPalm III系に変換するアダプタを使えば、Palm V系でも利用が可能だ(実際米国では、アダプタをオプションとして販売しているようである)。VisorやCLIEは、接続コネクタの形状だけではなく仕様も異なるため、残念ながら利用できない。

 組み合わせとしては、最初から持ち運びを想定している同社製のHappy Hacking Keyboard(Lite)などがおすすめだ。キーボード自体は、条件さえ満たせば、自分の好みのものが利用できるという点で便利なのだが、持ち運べるかどうかはキーボード次第となる。また、PS/2キーボードを動作させるためにHappy Hacking Cradleには電池が必要である。

片手入力を可能にする特殊なキーボード「SH-Keys」

 富士通高見澤コンポーネントの「SH-Keys」は、富士通研究所で開発された片手入力キーボードで、「圧縮文字セット−辞書引き(復元)変換」という入力方法を採用するものである。表「PDA用キーボードの種類と特徴」の「3. 小型特殊キーボード」に該当する。Palm III系とPalm V系に対応しており、本体下部に装着して利用する。キーは、18個(6個×3段)しかなく、そのうち14個にしかアルファベットが割り当てられていない。専用のプログラムが、辞書を使って、この14個のキーから正しい仮名漢字文字列や、英単語の綴りに変換する。片手のみの操作が可能なため、PDAとの組み合わせではベストマッチといえるのだが、入力方法を覚える必要があり、練習しないとブラインド・タッチが難しいというのが欠点だろう。なお、このSH-keysには右手用と左手用がある。これは、指とキーの対応が決まっているため、配列が左右反対になるためだ。

特殊な入力方法を持つ「SH-Keys」
ドライバが仮名漢字変換機能を持ち、キーの組み合わせから直接日本語への変換を行う。

グラフィティ領域に貼り付けるキーボード「ThumbType」

 リンク・エボリューションの「ThumbType」は、Palmのグラフィティ領域に貼り付けて使うシート・タイプのキーボードだ。表「PDA用キーボードの種類と特徴」の「4. シート・キーボード」に該当する。表面は、キーに対応した部分が樹脂で盛り上がっており、親指で押すことができる。一見、隣のキーまで押してしまいそうだが、使ってみると、意外と押し間違いはない。なお、これを貼ってしまうとグラフィティ入力ができなくなってしまいそうだが、ドライバ・ソフトウェアが液晶パネルの表示部分にグラフィティ領域を表示させ、ここで入力が行えるようになるので、操作上の問題はない。

Palm IIIのグラフィティ領域に貼り付けて使用する「Thumb Type」
キー部分には、透明な樹脂がわずかに盛り上がっていて、親指でこれを押すことで入力を行う。

 入力は意外に軽快に行える。特に本体を両手で持ち、親指で交互に打鍵することができ、スケジュールや住所録の入力はもちろん、ちょっとしたメールの返事ぐらいならストレスなく利用できる。配列が、普通のキーボードと同じという点で、入力方法を覚える必要もなく、すぐに利用できる点もメリットである。また、本体の大きさが変わらないため、持ち運びという点では一番軽く、かさばらない。難をいえば、長時間使っていると、少々疲れるという点かもしれない。さすがに入力時の疲労度に関しては、フル・キーボード並みとはいかない。

そのほかのPDA用キーボード

 このほか、市場にはいくつかの製品が出ているようだが、上記は、筆者が入手して利用したものである。キーボードの場合、使ってもいないものは評価が難しい。一見よさそうに見えたとしても、キータッチが気に入らなかったり、ソフトウェアに難があったりするからだ。

 6月にニューヨークで開かれたPC EXPOに取材にいったとき、会場では、PDA用のキーボードをいくつか見かけた。こんなに製品が出ているところをみると、やはりキーボードでもう少し手早く文字入力したいと考えているユーザーが多いのかもしれない。

ケース一体型のPalmシリーズ用キーボード Palm m100シリーズのコネクタに直接取り付けるキーボード
これはFellowesの「PDA Type'N Go」。なんだか昔のシャープの電子手帳を思い出すデザインだ。 これはFellowesの「PDA Pocket KeyBoard」。形状からすると両方の親指か、人差し指で入力するものと思われる。コンパクトで持ち運びには便利そうだ。
キーボードの左側部分だけにしたもの Handspring Visor用のキーボード
これはmatiasHalf Keyboard。シフト・キーを併用して右側のキーを入力する片手キーボードである。入力に慣れが必要そうだが、小型で持ち運びには便利そうだ。 これはTT Techの「SnapNtype」。本体下部に取り付けて利用する。キーの大きさが小さいので若干入力しにくいかもしれない。

 ペン入力PDAだからといってキーボードをつないで悪いわけではない。ちょっとした作業までやるようなら、フィーリングにあったキーボードを探してみるのがいいのかもしれない。記事の終わり

  関連リンク 
Happy Hacking Cradleの製品情報ページ
SH-Keysに関するニュースリリース
ThumbTypeに関するニュースリリース
Palmシリーズ用キーボードの製品情報ページ
Half Keyboardの製品情報ページ
SnapNtypeなどの製品情報が掲載されている
 
 
 
 
 INDEX
  [連載]Mobile Insider 第7回 Palm系PDAのキーボード事情
    1.Palm系PDAの文字入力方法とキーボードの種類
    2.フルサイズにこだわった専用キーボード
  3.バラエティ豊かな各種キーボード
 
「連載:Mobile Insider」


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