特集 2. 第2世代の1Uサーバ「PowerEdge 1650」 |
ここまでのページでは高密度サーバの動向を探ってきたが、本ページからは、第2世代の1Uサーバとしてデルコンピュータの「PowerEdge 1650」を見ていくことにする。第1世代の1Uサーバとして、「プロダクト・レビュー:スケーラビリティの高い1Uサーバ『PowerEdge 1550』」で「PowerEdge 1550」を取り上げていることから、両機種を比較すると特徴が分かりやすいだろう。
まず、PowerEdge 1550とPowerEdge 1650の本体の大きさから見ていこう。同じ1Uサイズといっても、PowerEdge 1550の447(W)×43.2(H)×610(D)mmに対し、PowerEdge 1650は484(W)×42(H)×720(D)mmと、奥行き(D)が10cm以上も異なっている。3Uや4Uサイズのサーバの中には、奥行きが750mm程度のものもあるので、3U/4Uサイズが取り付けられるラックなら、PowerEdge 1650も問題なく取り付けられると思われるが、PowerEdge 1550からの置き換えには注意が必要になるかもしれない。なお、PowerEdge 1650に限らず、ここ半年くらいに出荷されたサーバでは、機能を強化するためか奥行きが長くなる傾向にある。
PowerEdge 1550(左)とPowerEdge 1650(右) | |
PowerEdge 1650は、PowerEdge 1550に比べて奥行きが長くなっているため、一見すると小型になったような印象を受けるかもしれない。 |
電源が二重化されたPowerEdge 1650
ケースを開けると、さらにPowerEdge 1550と1650の違いは明らかになる。PowerEdge 1650では、電源ユニットを2基搭載可能になっており、電源を冗長化できる。この点が、PowerEdge 1650の最大の強化ポイントである。そのためのケース背面には、電源コネクタが2つ装備されており、それぞれの電源ユニットに対して別個に電源の供給を行うようになっている。現在のところ1Uサーバで電源ユニットが二重化されている機種はほとんどないが、電源ユニットはハードディスクと並んで故障が多いといわれている部品であることから、今後は二重化することが主流になっていくだろう。なお、PowerEdge 1650はオプションでDC電源にも対応できる。
PowerEdge 1650の背面 | |||||||||||||||||||||||||||
電源コネクタが2つ装備されているのが特徴。コネクタの上部に開いている穴は廃熱用で、内蔵のファンにより空気がここから排出されることで、内部の冷却が行われる。 | |||||||||||||||||||||||||||
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PowerEdge 1650の電源ユニット |
ホットプラグが可能で、片側ずつの交換も行える。電源コネクタとの対応を間違わなければどちら側に搭載してもよい。 |
またPowerEdge 1550では、マザーボードとフロント側にあるハードディスクのバック・プレーンをフラット・ケーブルで接続していたが、PowerEdge 1650では直接コネクタ同士で接続するように変更されている。これにより、PowerEdge 1550では若干雑然としていた内部が、かなりすっきりとした印象に変わっている。ケーブルがなくなったことで、冷却のための空気の流れもよくなっているという。
ハードディスクが最大3台まで内蔵できる点は、PowerEdge 1550と1650で共通の特徴である(多くの1Uサーバは2台までに制限される)。またホットスワップにも対応しており、オプションのハードウェアRAIDコントローラ「PERC 3/Di」によって、RAID 5やRAID 1+ホットスペアなど耐障害性の高いディスク・サブシステムが構築可能である。PERC 3/Diは専用コネクタでマザーボードと接続する構成となっており、RAID用のハードディスク・ベイとの組み合わせにより、ホットプラグ対応のRAIDシステムが構築可能だ。ハードディスクは、容量18Gbytes〜73GbytesのものからBTOにより選択可能だ(インターフェイスはUltra160 SCSI)。容量73Gbytesのハードディスク3台をRAID 5で構築することで、最大146Gbytesの容量が確保できる。これだけの容量が確保できれば、フロントエンド・サーバとしてだけでなく、アプリケーション・サーバとしても利用可能だろう。
PowerEdge 1650用RAIDコントローラ「PERC 3/Di」 | ||||||
RAIDコントローラとしては、PERC 3/Diがオプションで用意されている。PERC 3/Diは内部接続専用で、マザーボードには専用のコネクタで接続する。このクラスのRAIDカードとしてはめずらしくメモリ・バックアップ用のバッテリが搭載されている。万一電源がダウンした場合でも、RAIDコントローラの書き込みキャッシュの内容は保持される。 | ||||||
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スケーラビリティの高い1Uサーバ「PowerEdge 1550」 |
関連リンク | |
PowerEdge 1650の製品情報ページ |
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[特集]高密度サーバはどこに向かうのか? | ||
1.高密度化、低消費電力化、高性能・高機能化へ | ||
2.第2世代の1Uサーバ「PowerEdge 1650」 | ||
3.高機能化する高密度サーバ | ||
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