スタンドアロン構成でのOracle VM環境構築

　VM Managerのセットアップ

　VM Managerの実体はデータストアとしてのOracle Database Express Editionと、ユーザーインターフェイスとしてのJavaベースのWeb アプリケーションです。VM ManagerのインストーラはISOイメージとして提供されています。E-Deliveryより無償でダウンロード可能です。

E-Delivery
http://edelivery.oracle.com/oraclevm

　このイメージをダウンロードしてCDに焼いてもいいですし、インストール予定のサーバに直接保存して以下のように/mntなどに一時的にマウントするだけでもOKです。

# mount -o loop,ro /PATH/TO/OracleVM_Manager-2.1.2.iso /mnt

　次にマウントポイントに移動し、インストーラを起動します。このインストーラはCUIベースですので面倒なXの設定などは必要ありません。

# cd /mnt
# sh ./runInstaller.sh

　ここからのステップバイステップの手順についてはオフィシャルマニュアルをご参照下さい。

Oracle VM Managerインストレーション・ガイド　リリース2.1.2（PDF）
http://www.oracle.com/technology/global/jp/tech/virtualization/doc/B51696-01.pdf

　インストレーションガイドにも記載がありますが、後々VM Managerから仮想マシンコンソールを起動するには、追加でTightVNC-Java アプレットのパッケージが必要になります。パッケージはOracleのWeb サイトから入手することが可能ですので、VM Managerから直接アクセスしてインストールしておくのがよいでしょう。

# rpm -ivh http://oss.oracle.com/oraclevm/manager/RPMS/tightvnc-java-1.3.9-3.noarch.rpm

＊1.3.9-3の部分は今後バージョンアップによって変わる可能性がありますので注意してください。

　また、VM Managerに関してもULNを通じてアップデートが提供されています。これは「Oracle Software for Enterprise Linux 5（または4）」のChannelで提供されています。このアップデートを入手するにはブラウザからULNにログインし、該当Channelからダウンロードします。

ULN : https://linux.oracle.com

　現時点ではovs-manager-2.1.2-20.noarchがアップデートとして存在します。このRPMパッケージをダウンロードし、rpmコマンドでインストール（アップデート）を行います。

# rpm -Uvh ovs-manager-2.1.2-20.noarch.rpm

　表示される指示に従ってアップデートスクリプトを実行します。いくつかデータベースのパスワードを尋ねられますので、VM Managerをインストールしたときの情報に沿って入力してください。このスクリプトが終了すればアップデートは完了です。

　それでは次にVM ServerをVM Managerに登録していきます。まずはVM ManagerのGUIにアクセスしログインします。GUIには以下のようにアクセスできます。

http://VM ManagerのIPアドレス:8888/OVS/

図6　Manager - Login

　Managerソフトウェアのインストール時に設定したadminユーザのアカウントでログインして下さい。ログインするとServer Poolの作成Wizardが開始されます。

図7　Manager - Initial Wizard - Welcome

　このWizardでは、1つのServer PoolとそのServer Poolに属するVM Serverを1台登録することで、必要最低限のOracle VM環境を素早くセットアップすることができます。

　まずはVM Serverの情報を入力します。

図8　Manager - Initial Wizard - Server Information

Server Host/IP：VM Server の名前解決可能なホスト名またはIPアドレス
Server Name：このVM Serverを識別する任意の名前
Agent Password：このVM Serverをインストールしたときに設定したAgent Password
Server Username：VM ServerのOSアカウント（ユーザ名）
Server Password：VM ServerのOSアカウント（パスワード）

　次にServer Poolの名前を入力します。適当なもので構いません。

図9　Manager - Initial Wizard - Pool Information

　入力した設定内容を確認して「Confirm」ボタンをクリックします。下図のようにServer Poolが作成されます。

図10　Manager - Initial Wizard - Server Pools

　これで基本的なOracle VM環境のセットアップは完了です。次回は仮想マシンを作成していきます。

3/3

Index
スタンドアロン構成でのOracle VM環境構築
	Page1 ハードウェア／ソフトウェア要件
	Page2 VM Serverのセットアップ
	Page3 VM Managerのセットアップ