ハードウェアベンダに関する考慮点
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XenServerの導入の要件としてハードウェアベンダの限定は特にない。仮想マシンはハードウェアの依存性はないため、HCLに記載されているハードウェアを選択すれば問題なく動作する。
しかし、各ハードウェアベンダのXenServerへの対応は同じではない。例えばハードウェアベンダが提供している自社サーバのハードウェア監視機能に関するサポート状況は異なる。ベンダ提供のハードウェア監視ツールを使用しハードウェアの監視を行いたい場合などは注意が必要である。
XenServerの購入
XenServerはリテール製品として販売されているが、多くのベンダがOEM製品としても提供している。サーバ仮想化の導入を検討する際に、リテール製品なのかOEM製品なのかを悩むことがあると思うが、それぞれメリットとデメリットがあるのでよく検討して導入していただきたい。
■リテール製品
一般に、ハードウェアベンダに依存せずマルチベンダで仮想化を推進していく場合には、リテール製品が適している。ハードウェアベンダに依存しない場合には、仮想化を導入する際に、最適なハードウェアを選択することが可能である。また、XenServerをOEMしていないハードウェアベンダのサーバを使用する際には、リテール製品を使用しなければならない。
■OEM製品
Citrix XenServerは、多くのベンダからOEMとして仮想化製品が提供されている。OEM版のXenServerの特徴として、OEM先でXenServerがカスタマイズされているということがある。以下、簡単にOEM版のXenServerがどのようにOEM先の強みと統合され、提供されているかを簡単に紹介する。詳細はそれぞれのベンダにお問い合わせいただきたい。
NEC
NECから提供されるCitrix XenServerは「NEC Sigma System Center」(SSC)からVMware Infrastructure 3、Hyper-Vと同じように管理できる。SSCの機能により、XenServer のライブマイグレーション機能であるXenMotionを使用したサーバ間の自動ロードバランシングやサーバの自動電源制御機能がXenServerに対して行える。デル
デルは「Dell PowerEdge」で組み込み型のXenServerを提供している。この場合、XenServerはあらかじめPowerEdgeのUSBメモリまたはSDカードにインストールされており、購入後にサーバの電源を投入するだけでXenServerが使用できる。XenServer 5.0からは組み込み型XenServerの組み込み先として、ハードディスクも選択できようになった。また、XenServerのバイナリにはデルサーバ用SNMPエージェントも事前に組み込まれているため、デルのサーバ管理ツール「OpenManage」によるハードウェア監視も行うことができる。HP
ヒューレットパッカードは「HP ProLiant iVirtualization by Citrix XenServer」として組み込み型XenServerを提供している。XenServerはUSBメモリにインストールされており、HP ProLiantに組み込まれて出荷される。この組み込み型XenServerは統合管理コンソールである「HP Systems Insight Manager」のエージェントを組み込んでいるだけでなく、単一サーバの管理を行う「HP ProLiant Virtual Console」(PVC)も使用できるのが大きな特徴である。PVCはXenServerが実行されているProLiantのモニターからGUIで仮想環境の管理と仮想マシンのコンソールを表示させることができる。すなわち、管理のためにXenCenterを必要とせず、仮想化初心者の管理者でも簡単に仮想化環境が利用可能になる。XenServer Enterprise Editionを使用して、複数のXenServerを一元管理するには、XenCenterを使用して管理を行う。イージェネラ
イージェネラはPAN Managerから仮想環境を管理するツールとして「PAN vmBuilder Software by Egenera」を提供している。このツールによりイージェネラの使用者は非常に使いやすいPAN Managerから物理サーバと仮想サーバをシームレスに管理できるようになる。ストラタステクノロジー
ストラタステクノロジーは、FTサーバで培ったノウハウをベースにXenServerをベースとして99.99%以上の可用性を提供する同社初のソフトウェア製品「Avance」を提供している。フォールトトレランスの機能は提供していないが、ハードウェア監視を行いハードウェア障害の予兆が現れた場合に、自動的にライブマイグレーションで安全なサーバに仮想マシンを移動させる機能を持つ。また、価格も非常にリーズナブルで、2サーバノード構成が69万8000円で提供され、Avance用サーバ2台と合わせても100万円を少し超える価格でHA構成のXenServer仮想化環境を手に入れることができる。マラソンテクノロジーズ
マラソンテクノロジーズはXenServerをベースとした仮想マシンのフォールトトレランス機能「everRun VM」を提供する。2台のXenServer間でメモリの同期を行いながら同じ仮想マシンを2つ同時に動かすことにより、1台のハードウェアが障害になっても、もう1台が動き続けることができるようになる。この機能は現在開発中であり、今年中にはリリースされる予定である。シマンテック
シマンテックはサーバの仮想化とストレージの仮想化を同時に行う「Veritas Virtual Infrastructure」(VxVI)を提供。XenServerの中でストレージの管理を行うStorage Foundationを実行させ、ストレージとサーバの仮想化を同時に行うことを可能とした。VxVIは米国ではすでにリリース済みであるが、日本ではまだリリースされていない。
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Index | |
第5回 XenServerのハードウェア要件 | |
Page1 XenServerの要件 XenCenterの要件 |
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Page2 XenServerの購入 リテール製品 OEM製品 |
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Page3 ストレージの選定 XenServer用ストレージ 仮想ディスク用ストレージ |
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