Androidアプリは2種類ある
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さて、携帯電話やiPhone、Androidのアプリケーションを総称して「携帯アプリ」といいますが、その中で「Androidアプリ」とは、どのようなものを指すのでしょうか。Androidには、アプリとして扱われるものが2種類あります。
■ Androidウィジェット
1つは、アイコンをクリックして、アプリの画面が立ち上がる、いわゆる「アプリケーション」で、PCのデスクトップアプリのように動作する「ウィジェット」と呼ばれるものです。以下の画面上に見えるアイコンなどは、すべてウィジェットです。
Androidのウィジェット |
Googleの検索ボックスや天気予報ウィジェットやスイッチ類などは、携帯端末の状態や定期的に取得するAPIなどのデータにより、表示を自動的に更新していきます。アプリを起動しなくても、お知らせの取得・設定変更・検索などを可能にするアプリです。
このような携帯端末におけるウィジェットタイプのアプリは、iPhoneでは動作しないため開発されていませんし、Androidでも2009年4月のSDK 1.5から作れるようになったため、現在まだ発展途上のジャンルともいえます。この流れで最近カヤックでは、メモ録音アプリ「RECOROID」をリリースしたので、例として挙げておきます。
左から、アプリ起動画面、通話中の録音画面、ホーム上に録音用・再生用ウィジェットを配置した画面 |
ウィジェットをアプリ内の機能のランチャーとして使い、利便性を向上させています。ウィジェットは単体で動作するものからスイッチ類・各機能のランチャーなどまだまだ利用方法があると思います。
ウィジェットの詳しい作成方法については、下記記事をご覧ください。
■ Androidホームアプリ
もう1つは、「ホームアプリ」と呼ばれるものです。「ホーム」とは、携帯端末を起動した際やホームボタンを押した際に表示される、携帯端末を使ううえで基本となる画面です。「ホームアプリ」は、その名のとおりホームで使えるアプリです。
通常、ホームは携帯端末固有のもので、改変できないだろうと思われるかもしれませんが、実はこれ自体がアプリなのです。そのため、Android Marketからダウンロードしたホームアプリを、最初から入っていたホームアプリと入れ替えて使えます。
ホームアプリの事例を挙げると、海外のものでは「OpenHome」「aHome」「FreshFace」などがあります。ほかにも、NTTドコモのTPOで変化するメニューもホームアプリです。実装範囲が広く、デザイン性もかなり求められるためハードルは高いですが、カスタマイズが好きな方はぜひ試してみてください。
また一部メーカーの携帯端末では、ホームにメーカーオリジナルのホームアプリを採用したものもいくつかあります。個人的には、今後は、この方向性が一般的になるのではないかと予想しています。
Androidアプリの4つの利点
- アプリ間連携ができる!
- 指定した時間での起動やバックグラウンド動作が可能!
- 複数アプリが同時に起動できる
- 何度でも掲載される新着リスト。マーケットの特性を生かす
■ 【1】アプリ間連携ができる
Androidの特徴として、よく複数のアプリでの共通のデータのやりとりや機能連携ができる「アプリ間連携」が挙げられます。アプリ間連携のことをご存じの方でも、なかなかイメージしにくいと思いますので、具体的な発想過程を例に「アプリ間連携がどのようなときに使われるか」を考えてみましょう。
例えば、「Twitterに写真を投稿できるアプリを作りたい」という課題があったとして、以下で課題解決までの発想を述べます。
- Twitterアプリを作りたいけど、実装するものが多過ぎる(APIやデータ保存、表示周り、カメラ、GPSなどなど)。とてもじゃないが、1人では難しい
- 「写真を撮るなら、いつも使っているカメラアプリで撮れるのが親切じゃないだろうか(ここが、重要)」と考える
- それなら、写真を撮った後に、これをTwitterに投稿する仕組みがあれば、便利
- でも、カメラアプリ側にTwitter機能を実装するのは、手間だし、「写真を撮る」という目的とずれてしまう
- ここで思い付くのが「写真アプリで撮って、データをTwitterアプリに渡してあげればいいじゃないか」という発想
このようなときに使用するのが、アプリ間連携です。アプリ間連携を使えば、カメラアプリ側はデータを渡す部分のみ追加してあげればよく、Twitterアプリ側もカメラ機能を持たずに待ち受けるだけで済んでしまい、ユーザーはカメラもTwitterもいつも自分が使っているアプリを使用できます。
さらにカメラアプリは、「メールアプリに渡す」「Picasaアプリに渡す」「Twitterアプリに渡す」など、データを渡す相手を限定せず、1つの仕組みだけで連携部分が一元化できます。
つまり、自分自身は小さな単機能のアプリでも、連携がうまければ、かなり高機能なアプリに早変わりするのです。それに、ユーザーのニーズはさまざまなので、「全機能を持つ大きなアプリよりも、特化した機能を持つ方が好まれる」という傾向もあります。「使わない機能が多い」というだけで「重い」という印象は付きやすいので、そこにはさじ加減も必要です。
■ 【2】指定した時間での起動やバックグラウンド動作が可能
Androidアプリは、指定した時間になったら起動したり、バックグラウンドで動作するなど、アプリが起動していなくても機能を呼び出せます。その機能を利用することで、作れるアプリの幅も広がります。ここでは制作事例として、「起こしてこえ部」というアプリを紹介します。
Androidアプリの作成事例「起こしてこえ部」(「こえ部」というユーザーが声を投稿して遊ぶサービスで募集した声を使って毎日違う起こし方ができる) |
このアプリは目覚ましアプリなのですが、一般的に目覚まし時計で起きられなくなる原因は何でしょうか? 世の中にはいくつもの目覚まし時計があふれていて、「絶対起きる!」という大音量なものやスヌーズが高機能なものなどがありますが、共通する問題として「慣れると、止め方を覚えてしまう」ことがあります。このアプリは、絶対に聞き慣れさせないことを狙って作られています。「慣れさせなければ(目覚ましと思わせなければ)、起きる」というわけです。
機能について解説しますと、目覚まし機能を実装するため、Androidの「アプリを起動していなくても自動で指定した時間に起動する」という機能を使いました。また、次々に追加される音声ファイルをダウンロードするため、ダウンロード時間がかかりますが、それらはすべてユーザーに見えないバックグラウンドで動作させています。
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いまこそ知っておきたい「Androidアプリ」とは 今日から始める! Androidケータイアプリ作成の基礎 |
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Page1 Androidアプリ作成を始めるには何が必要なの? |
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Page2 Androidアプリは2種類ある Androidアプリの4つの利点 |
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Page3 要注意! Androidの落とし穴を意識するべし 読んでおくと役に立つ! Androidアプリ制作時の情報源 Androidの信条は「欲しい機能がなければ作れ」 |
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