女子部が斬る! Androidアプリ評価コメント

“元サヤ”が似合うアプリ「Twicca」の評価コメント5斬


デザイナ/Android女子部部長
矢野 りん
2011/2/10
昨今問題となっているアプリストアのアプリ評価(レビュー)コメント。参考にならないコメントや点で的外れの評価、いわれのない中傷などなどに悩むアプリ開発者も多い。そんな状況を打破するための“評価コメント”を“評価”するコラム連載

今日のアプリ「Twicca」

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 こんにちわ。Android女子部部長の矢野です。

 @IT読者の皆さんは結構酸いも甘いも噛み分けた年齢の方が多いと思われますが、「元サヤ」という言葉をご存じでしょうか? 「1度別れた恋人と紆余曲折あって、また付き合うことになる」という状況をひと言で説明した言葉ですね。部長は今回、この状況を想起させる珍しいアプリをAndroid Marketで発見しました。

 それは、Android向けTwitterクライアントとして人気の高い「Twicca」です。その様子がありありと分かるコメントを拾えたので、いくつか紹介します。

今日のアプリ評価コメント5斬

 今日もAndroid Marketのコメントを5つ選びました。

     
 

最高です!! 有名なアプリは
一通り試してきましたが、
元サヤに戻ってきてしまいまいした。
SDやグラデーションなどなど、
個々の希望はあるみたいですが、
無料でしかも広告もなく公開されている
作者さんにもう少し敬意を払うべきだ
と思います

 
徹さん
     

 西城秀樹の「ブーメランストリート」という名曲の歌詞をご存じですか? 片手をぐるぐる回しながら、叫ぶように歌うのが印象的ですよね。あれは、「自分の下から離れて行ってしまった女性が、きっと同じストリートを通って自分の下に戻ってくるに違いない」という男の確信を歌と踊りで表現した作品です。

 なぜか、このコメントを読んだとき、それをビジュアルと同時に思い出しました。

 ところで、コメント最後の「もう少し敬意を払うべき」という言葉。確かに、叫ぶように歌っていた西城秀樹って「ちょっと面白い」と子供心に思っていたものですが、「もっと敬意を払うべきだったな」と、今になって反省しました。さんざんモノマネとかして申し訳ありませんでした。

     
 

Touiteurが、引用RTやQTなどできないので
Twiccaに帰ってきました。
やっぱり、使いやすい!
細かい品質へのこだわりは、
日本人のモノづくりの原点を感じます

 
匿名さん
     

 また元サヤ発言ですよ。

 なぜ男は、「これだ」という確信を得るまで、複数のアプリを経験しなければならないのでしょうか。1度惚れ込んだら、その気持ちを信じてTwicca一筋に生きることはできないものなのか。

 比較は検証の必須用件であるとはいいますが「なんだかんだいって、やっぱりお前が一番だ」って比べられた方としては「今後どういう態度を取ったらいいの」と、取り乱してしまいました。

 やはり女として、細かい品質へのこだわりを捨てずに職人のごとく日々精進すべきだという意見もあるかと思いますが、正直過去のことはどうでもいいですね部長は。いや、そんな話じゃないですね。

     
 

いつも細かいアップデート、
ありがとうございます。
300円払っても、いいかもデス。
戯れに作者さんをフォローしてみれば、
案外ユーモアのある方で面白い。
有料版出せばいいのに

 
gonさん
     

 
「案外」というところが気になります。

  1. 自作アプリの細かいチューンナップにこだわっている
  2. 開発者で、理系である

 という作者についての2つの事実は「故にユーモアなし」というふうに結論付けられやすいものですが、このコメントからは「案外面白い人だった」という作者の意外性が「有料でもいい」という気分を後押ししているように読めます。

 そう、アプリは性能ばかりではなく、作者の人柄が普及に貢献するのだという恐ろしい事実がここから読み取れるのです。

 過去、宇多田ヒカルは「アーティストであってアイドルではない」といわれながらも、結婚したタイミングで売り上げが「どかーん」と下がった事実を思い返してみましょう。楽曲も歌い手への思いがあってこそ。アプリも同じなのです。作者の青山氏は「アプリ界のアイドル」という自覚を持つべきです。

     
 

I love Twicca
because it's so Ben Lee.

 
mizmit1222さん
     

 Ben Lee(ベン・リー)といえば、1990年代のオルタナティブ・ロック界において、ほんの10代に成り立てでカルト的人気を博した存在ですね。「Away With The Pixies」は良い曲でした。あのころは、1人(あるいは、数人の友達と)宅録でリリースできちゃう音楽が、いち早くミニマルな表現方式として確立し始めた時代でした。

 そんな彼も、もう32歳。「とうとうアプリも最小のマンパワーでリリースできる時代になったわけですね」という感慨を引っ掛けた高度なコメントでしょう。

     
 

★が五つまでしかないのが、
もどかしいほど良いアプリです。
これがなければ、
Twitterの面白さも分からず、
いろいろな出会いもなかったかも

 
kaoriさん
     

 この素直なコメントはどうでしょう。もしかすると、元サヤ発言とは、武勇伝を口にしたくなる男の性の現れなのかもしれません。

 女性にとって過去に試したアプリのことなどどうでもいいのです。今のアプリが最高なら、それで良いではありませんか。

お手本評価コメント

 とにかく「いろいろ使ったけど、やっぱりこれがイチバン!」という意見の多いTwicca。まさに“ブーメランアプリ”です。競合の多さ故の意見でしょうが、今後は“元サヤ”発言ではコメント的に目立ちません。ここは1つ、これでいきませんか?

 
 

初めて使ったときから、これに決めてました。
Twicca、離さない(でもメンテはヨロシク☆)

 
 

「Twicca」紹介サイト集

 Androidアプリ紹介サイトでのレビューページも紹介します。


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著者プロフィール

矢野 りん
デザイナ/Android女子部の部長

北海道足寄町生まれ。女子美術大学芸術学部芸術学科卒。講義活動を通してWebサイトなど情報デザインのトレーニングを担当しつつ、執筆活動を行う。adamrockerさんとの開発ユニット「rockrin'」のrinの方。近著に「WEBデザインメソッド−伝わるコンテンツのための理論と実践」(ワークスコーポレーション)がある。身長151cm

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