第1回 モバイルFeliCaでHello FeliCa


株式会社アメニクス
x-labチーム
2007/11/1
モバイルFeliCaのアプリケーションを、勝手iアプリの延長線上で作成してみよう。簡単なプログラムからサーバと通信する本格アプリまで、プログラミングノウハウをステップバイステップで紹介する(編集部)
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 本稿ではJavaを使って、簡単にFeliCa対応携帯電話で動作するiアプリの開発を行うことを目的としています。iモードFeliCa開発のための環境構築や、サンプルプログラムの作成から始まり、最終的にサーバとの通信やデータベースを利用した簡単なシステムを構築することを目標にしています。

 本稿におけるiモードFeliCaアプリケーション開発は、商用を目的としたものではないため、Javaやiアプリの開発を仕事や趣味で行ったことがある人であれば誰でも可能なFeliCa対応携帯端末の「フリー領域」を利用した“勝手アプリ”の開発を行います。

モバイルFeliCaの応用サービスを行うために、iアプリを起動しなくてもFeliCaチップを読み書きできる外部リーダ/ライタを使うような制御はソニーから発売されている「SDK for FeliCa」(有料)が必要です。SDK for FeliCaは個人での購入が行えないため、今回は利用しません。

 第1回は、iモードFeliCa開発のための環境構築を行い、iアプリからFeliCaチップのフリー領域へデータの読み書きを行う“Hello World”的なプログラムを作成してみましょう。

モバイルFeliCa勝手アプリ開発のための下準備

 開発用のPCは、Java2 SDK, Standard Edition Version 1.4.2がインストール済みの環境を想定しています。Javaがインストールされていなければ、サン・マイクロシステムズのWebサイトからJ2SE SDKをダウンロードし、インストールしてください。

 J2SE SDKの環境が整ったら、iモードFeliCaアプリ開発用のソフトウェアをインストールします。iモードFeliCaアプリの開発は、通常のiアプリ開発と同じようにNTTドコモから提供されているDoJaを使って行います。

 DoJaは、Javaを使って実行するスクラッチパッドや携帯電話のボタンの処理機能などが定義されているJ2ME CLDCの拡張ライブラリです。エミュレータなども含めてNTTドコモから無償で提供されており、NTTドコモのWebサイトからダウンロードが可能です。

 原稿執筆時点(2007年9月)のDojaの最新バージョンは、「iαppli Development Kit for DoJa-5.0 Ver.3.00」です。

 ダウンロードしたDoJaのzipファイルを解凍して、Setup.exeを起動すれば、DoJaのインストールが開始されます。特に設定の変更などがなければ、そのまま次へ進むだけでインストール完了です。Windowsのスタートメニューに「iαppliTool for DoJa-5.0(FOMA)」が追加されます。

 いよいよ“Hello FeliCa”の世界へ

 Windowsのスタートメニューから、DoJa-5.0を起動します。最初のステップとして、DoJaのエミュレータ上で動作する、「Hello FeliCa」を表示するiアプリを作成します。ここでは画面上に文字を表示するだけで、まだFeliCaチップのフリー領域へアクセスするコードは実装しません。

 DoJaのプロジェクトの新規作成ボタンから、新しいプロジェクトを立ち上げます。プロジェクト名は「HelloFeliCa」としました。

 プロジェクトの作成後に、DoJaのプロジェクトエクスプローラから確認すると、srcフォルダにHelloFeliCa.javaが生成されています。Javaファイルを選択するとエディタが起動するので、テキストボックスを配置して文字列を表示する簡単なコードを実装します。

import com.nttdocomo.ui.*;

public class HelloFeliCa extends IApplication {
  public void start() {
        Display.setCurrent((Frame)new MainPanel());
   }
}

class MainPanel extends Panel{
    private TextBox tbxHello = null;

    MainPanel() {
        tbxHello = new TextBox("Hello FeliCa", 20, 1, TextBox.DISPLAY_ANY);
        add(tbxHello);
    }
}
HelloFeliCa.java

 iアプリの作成が完了したら、DoJaからプロジェクトをビルドします。DoJaのコンソールにコンパイルエラーが発生しなければ、iアプリの動作確認へ入ります。DoJaの起動ボタンからiアプリを起動し、エミュレータ上でiアプリの動作を確認します。

図1 エミュレータ上でiアプリの動作を確認

 エミュレータ上のテキストボックス内に「Hello FeliCa」が表示されていますか? 正しく表示されていれば、iアプリは正常に動作しています。

 
1/3

Index
モバイルFeliCaでHello FeliCa
Page1
モバイルFeliCa勝手アプリ開発のための下準備
いよいよ“Hello FeliCa”の世界へ
  Page2
チップのフリー領域にデータを書き込む
フリー領域の作法を知ろう
  Page3
ADF設定でFaliCaCPIDとFeliCaPINを設定する
データファイルビューワでADFを確認する
いよいよ実機でHello FeliCa

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