System Insider 編集後記 2002年7月
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記事ができるまで

Rollei Franke & Heideck Rollei 35S
2000年5月分の編集後記で紹介したRollei 35TEの前モデルであるRollei 35をベースに、レンズをTessar 40mm/F3.5からSonnar 40mm/F2.8に変更したもの。露出計は、Rollei 35TEではLEDに変更されているが、Rollei 35Sではオリジナルの追針式が本体上部に装備されている。これで距離計連動式ならばいうことがないのだが……。

 前回の編集後記では、記事の裏事情について紹介したので、今回は記事ができるまでを簡単に紹介してみよう。System Insiderには、筆者に執筆をお願いしている連載系と、主に編集部内で執筆を行っている特集系の大きく2種類の原稿がある。ほかにも「スロット&ソケット図鑑」や「Online DOC Watcher」といった資料系の記事もあるが、これも編集部内で調査・制作を行っている。今回は、連載系を例に記事ができるまでを紹介しょう。

 まず、連載系記事の企画の立て方だが、これは多くの場合、筆者との打ち合わせの中から決まる。一般的な雑誌ならば、編集部内である程度企画を立てて、その企画に合った筆者を探して、という段取りになるのだろうが、System Insiderではなぜか筆者ありきのことが多い。編集部と筆者で記事の内容や方向性、読者ターゲットを決めて、連載スタートとなる。記事の中には、編集部で概要を決めて、筆者を口説き落として何とか書いてもらう、というパターンもあるのだが、そういう例は非常に少ない。

 連載の企画が決まれば、あとは実際に原稿を筆者に執筆していただくことになる。内容がほぼ固まっているので、あとの筆者との打ち合わせは、ほとんど電子メールで行っている(筆者によっては電話ということもあるが、多くは電子メールである)。編集部側から次回の連載で取り上げていただきたいテーマや内容を送り、それに対して筆者から回答をいただいて、内容が決まる。場合によっては、編集部側と筆者の意見が折り合わずに何度か電子メールのやり取りが行われることもある。内容が決まったら、あとは筆者から原稿が届くのを待つことになるのだが、設定した締め切りに原稿が届くことは、そう多くない。届かなければ、当然ながら催促の電子メールを送ることになる。

 編集部内で執筆している原稿も同じなのだが、紙の雑誌とは異なり、Webマガジンの場合はどうしても締め切りに対してルーズになりがちだ。とはいえ、スケジュールを決めずに作業を行っていると、いつまで経っても記事が公開されないことになるので、内部ではそれなりに公開スケジュールを決めて動いている。

 原稿が届いたら、それを編集し、追加や修正が必要な部分については筆者に戻す。また同時進行で、図版の制作をデザイナーに依頼することになる。原稿の編集が終ったら、原稿を校正さん*1に電子メールで送り、チェックしていただく(スケジュールの関係ですべての原稿をチェックしていただいていなのが現状だが)。と、同時に編集部内でも記事の内容によって数人で査読(クロスチェック)を行うようにしている。

*1 漢字の間違いや文字の統一、表現のチェックなどを行う職業。@ITでは、校正さんにWordの変更履歴を使って修正を入れていただいている。

 編集部内と校正さんの2カ所からのチェックを原稿に反映して、最終的な原稿になる。この原稿とデザイナーに依頼した図版を、HTMLエディタ(Dreamweaver)を使ってHTML化して、公開する最終的な記事ができあがる。それをサーバに転送することで、記事の公開が始まることになる。こうした作業の繰り返しによって、読者のみなさんに読んでいただいている記事ができている。

(System Insider 小林章彦)
 

  編集後記
クリックで拡大表示ドメイン移転は簡単じゃない
 これまでSDSLで運用していた公開サーバを、ドメインごとBフレッツ(写真はBフレッツ・ベーシック用メディア・コンバータ)に移転したが、初めてのドメイン管理ということもあり、作業は楽じゃなかった。レジストラが宣伝する「ドメイン取得は簡単」というのは本当かもしれないが、「移転」は決して簡単なことではない、というのが率直な感想だ。
 厄介だったのはスケジュール管理。例えばレジストラ(指定事業者)の変更にかかる日数が1〜2週間と変動範囲が広すぎて、予定が立てにくい。申請作業が遅延して、本来の執筆/編集業務に差し障ることもしばしばだった。また法人契約だと書類申請が多く、手間がかかるのも厄介な点である。半年ほど前、弊社が有限会社から株式会社へ移行したこともあり、今回は新旧両方の登記簿を確保しなければならず、余計な時間をロスしてしまった。
 ドメイン移転の実作業でハマッタのは、登録されているネームサーバのIPアドレスだけを変更できなかったことだ。レジストラの管理用Webページでは、いかにも簡単に変更できそうだったが、実際にはいったん登録を解除する手間が必要で、休日からだと3日ぐらいかかるとのこと。結局、別の名前のネームサーバを新規登録し、作業ロスは1日で済んだ。知っていれば簡単に回避できるミスだったが、そのときは非常に焦ったものである。
 そのほかにも、ゲートウェイやファイアウォール、DNS/Web/E-mailの各サーバの設定などで、細かいトラブルが山ほど生じたが、現在はすでに安定稼働中だ。SDSLから光ファイバへの移転なので、理論値では帯域幅が60倍ほど向上しているハズだ。もしかしたら、www.webservice.jpなどへのアクセスが若干速くなったと体感できるかもしれない。さあ次は、SOHOにしてはちょっと贅沢なバックアップ回線の確保だ。

(記事ネタになるかな・島田)
今月の買い物〜ノートPC
 先月の編集後記でしばらく使うつもりだと書いたが、前言撤回である。理由はバッテリ駆動時間が妥協を許さないほど短くなってしまったことだ。最近は行き帰りの電車の中でも作業することが多いので、バッテリの持続時間が悪くなると1日の作業効率がどうしても落ちてしまう。バッテリだけを交換しようかと思ったが、すでに購入から2年以上(発売からは3年以上)が経過しており、思い切ってノートPC自体を買い足すことにした。以前使用していたノートPCは、バッテリ以外は無事なので、事務所で省スペースPCとして使うことにしている。
 さて機種の選定であるが、シャープのPC-MV1-C1Wにした。理由は前々からMURAMASAシリーズが気になっていたことと、6月下旬〜7月上旬にかけてちょうどMURAMASAのラインアップのマイナーチェンジが行われ、型落ちになったモデルが値下げされたからである。現在のところ、キーボード・カバーがどこからも発売されていない(盲点だった)以外は順調である。使用感などはまた追々……

(平野)
今年が「最後」の岐阜県の乗鞍スカイラインへ行ってきた
 上高地と同様、来年以降は一般車の通行が規制されてしまうのだ。標高2700mにある「畳平」には、まだ雪渓が残っていて、夏の服装では長時間、野外にいることができないほどヒンヤリしていた。辺りは、ほとんどが背の低い高山植物ばかりで、雷鳥の姿も見かけるという(荷物にフンをかけられた)。楽しみもつかの間、帰りに同行のメンバーの1人が事故を起こしてしまい、その後のツーリングは中止することになってしまった。搬送先の高山の病院まで同行し、命に関わるようなケガでなかったので、高山の上三之町で飛騨牛串焼き200円と、土産菓子の試食を食って家に戻った。家に帰ると、OSのインストール・ディスクが壊れていたり、プリンタを運んでいるときにガラスを割ってしまったりと、散々な夏である。もう勘弁して。

(悪いことは続く・清水)
 
  System Insider STAFF
 
編集人 小川 誉久 Art Director 谷原 正則
編集長 小林 章彦 制作 河本 茂美
副編集長 島田 広道    
構成エディタ 元麻布 春男    
編集 平野 謙    
  清水 庸介
 編集・著作 Digital Advantage
   
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