特集
Pocket PCのターミナル・サービス運用術
――どこまでできるPocket PCによるサーバのリモート管理――
デジタルアドバンテージ
2002/11/09
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打ち合わせや休暇で出かけているときに限って、自分が管理するサーバが不調になったりするものだ。サーバを再起動させることで復旧可能な場合も多いのだが、外出先では対応がなかなか難しい。また、外出先でサーバの共有ファイルや社内のデータベースにアクセスしたいと感じた経験を持つ人も多いだろう。めったに起きない(起こってほしくない)万一のときのために、普段から重いノートPCを持ち歩くというのは現実的ではない。携帯電話といいたいところだが、さすがに携帯電話では、あまりにも制約がありすぎて現実的ではない。それでは、PDAならどうだろうか? これが本稿の主旨である。本稿では、実際にPDAを使ってリモートからサーバに接続し、サーバ管理を体現してみる。果たしてそのようなことは可能なのか? 設定や運用のコツやテクニックはあるのか? 数々の疑問点に体当たりし、その結果をご報告したい。なお本稿では、PDAとしてマイクロソフト製OSを搭載するPocket PCを使用する。
すでにPocket PCを単なるスケジュール管理や電子メール端末として使っている人も多いだろう。社内のネットワークの設定にも依存するが、VPNとWindows 2000 Server/Windows XP Professionalのターミナル・サービス機能などを利用することで、Pocket PCを使ったサーバなどのリモート管理が行える。そのためには大きく分けて、以下の2つの設定をPocket PCに施す必要がある。
- VPNクライアントの設定
- ターミナル・サービス・クライアントの設定
ここでは、この2つの設定を中心にPocket PCによるサーバのリモート管理に挑戦してみたい。なお、テストに用いた機材は、東芝のGENIO e550XとコンパックのiPAQ H3630(Pocket PC 2002にアップグレード済み)である。どちらも2世代前の機種であり、少々古いが、最新のXScale搭載Pocket PCでも設定方法は変わらないはずだ。なお、データ通信カードおよびサービスには日本通信のb-mobile U-100Cを用いた。
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GENIO e550Xとb-mobile U-100C |
iPAQ H3630とEtherCF-TD |
b-mobile U-100CはDDIポケットの通信網を使った定額制のPHSデータ通信サービスである。最大128kbits/sのデータ通信が行える。 |
EtherCF-TDは、コンパクトフラッシュ型のイーサネット・インターフェイス・カード。ターミナル・サービスのテストを行う際に、こうしたカードを使うと便利だ。 |
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