インタラクションデザインパターン(2)

アプリケーションロールデザイン、
基礎の10パターン


ソシオメディア 上野 学

2007/3/19

 4. Player(再生する)

 Playerパターンは、音楽、ムービー、スライドショーなどを再生するものです。多くの場合、あらかじめ編集されたコンテンツを一方的に見せるだけですが、プレゼンテーションスライドやインタラクティブなゲームなど、ユーザーの操作によって内容の展開が変化するものもあります。

 Viewerと同様に、ユーザーにとって意味があるのは、データが情報に変換されて再生されることです。例えば、ムービープレーヤーはムービーファイルをムービーとして表示しなければ意味がありません。ムービーファイルに書かれているバイナリーデータをテキストで表示しても、ムービープレーヤーとしては意味がありません。

画面16:YouTubeでムービーを再生する

画面17:iTunesで曲を再生する

5. Configurator(設定する)

 Configuratorパターンは、何かのプロパティを設定するものです。コントロールパネルでOSの動作をカスタマイズしたり、操作対象であるオブジェクトの属性を変更したりします。

 コンテンツの編集(Editor)とプロパティの変更(Configurator)との境界はあいまいであり、ユーザーから見るとコンテンツの編集であっても、データベースの仕組みから見ると属性の編集であることも多いでしょう。ただしインタラクションをデザインするうえでは、ユーザーから見てそのユーザーインターフェイスの役割がどう認識されるかが重要なのです。何かの初期設定を変えたり、処理のプリセットを組み立てたりする作業は、ユーザーから見れば準備段階の手続きであり、クリエイティブな意味合いをあまり持ちません。ですから、あまりこういった作業をしなくても済む方がより使いやすいアプリケーションになるでしょう。

 一方で、何かの設定をすること自体がそのアプリケーションの主な用途となる場合もあります。例えばバッチ処理を設定するアプリケーションでは、あらかじめ用意された定型処理の中から目的に合うものを自由に組み合わせたり、場合によってはオリジナルのスクリプトを加えたりして、設定内容を作っていくので、かなりクリエイティブな作業となります。

画面18:コントロールパネルでシステム環境を設定する

画面19:Excelで「セルの初期設定」を設定する

画面20:バッチ処理アプリケーションで処理内容を設定する

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 INDEX
インタラクションデザインパターン(2) 
  Page1
10のアプリケーションロールパターン、アプリケーションロールのパターン、1. Retriever(検索する)
  Page2
2. Viewer(閲覧する)、3. Editor(編集する)
Page3
4. Player(再生する)5. Configurator(設定する)
  Page4
6. Processor(データの変換や定型処理を行う)7. Manipulator(オブジェクトの操作)8. Chatter(リアルタイムに会話する)9. Commander(コマンドを発行する)10. Conductor(規定の順次的な手順に沿って操作する)

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