特集:アクセス解析ツール比較

アクセス解析ツールを比べてみよう


ソフトバンク・テクノロジー
システムソリューション事業部 Webマーケティング部
高橋 歩
2007/2/21


ClickTracks(クリックトラックス)RTmetrics(アールティ・メトリックス)SiteCatalyst(サイトカタリスト)SiteTracker(サイトトラッカー)Urchin(アーチン)Visionalist(ビジョナリスト)WebConductor(ウェブコンダクター)WebTrends(ウェブトレンズ)番外編 Google Analytics(グーグルアナリティクス)

 

 前のページではアクセス解析ツールが必要な理由、3タイプのデータ取得方法、導入までの費用と運用について説明しました。このページでは、国内で販売されている主な企業向けアクセス解析ツールを紹介していきます。

 ClickTracks(クリックトラックス)

IMJビジネスコンサルティング

・分類

ログ形式

・製品POINT

 サーバまたはクライアントにインストールしたソフトウェア経由で解析データを確認します。特長の1つにユーザーの分類機能があります。ランディングページ(自社サイト内で初めて見たページ)のURLに細工をすることで、そのページごとに訪問者を分類することができます。この機能を使うことで、例えば「メルマガ」と「キャンペーンバナー」経由での訪問者など、ユーザー属性ごとの特徴をつかむことが可能です。

 ソフトウェアの価格は10万5000円から。必要な機能に合わせて高機能版を選択することもできます。

 RTmetrics(アールティ・メトリックス)

オーリック・システムズ

・分類

パケットキャプチャ形式 & タグ形式

・製品POINT

 ネットワーク内を流れるパケットから情報を取得するパケットキャプチャ形式の製品ですが、最新版ではタグ形式での解析にも対応しました。コレクタと呼ばれるパケットをキャプチャするためのサーバを、スイッチのミラーポートと接続することでデータを取得できます。大規模なサイトへの導入事例も多いようです。

 導入に掛かる初期費用は、Webサーバの環境や構成によって変わります。

 SiteCatalyst(サイトカタリスト)

オムニチュア

・分類

タグ形式

・製品POINT

 リアルタイムで分析ができ、使いやすいインターフェイスで自由にレポート設計ができることを特長としているツールです。各担当者が自分で簡単にレポートを見ることができるため、システム担当者がレポート生成に掛けていた手間を軽減させることができます。

 また、広告やキャンペーンのROIの測定をすることも得意です。外部データとの連携もできますが、Webページに挿入するタグを調整すれば分析に必要なさまざまなデータを取得できます。特に米国の大手企業で多く採用されており、日本でも導入社数を伸ばしています。

 SiteTracker(サイトトラッカー)

アスキーソリューションズ

・分類

サーバログ形式 & タグ形式

・製品POINT

 老舗のソフトウェアということもあり、多くのサイトで導入されています。ログ形式のソフトウェアでしたが、現在ではタグ形式での分析も可能です。蓄積されたログファイルをアスキーソリューションの管理するサーバに転送して分析する「サイトトラッカー for ASP」というサービスも展開しています。

 解析対象のログファイルのサイズや解析したい項目などによって、複数のエディションが用意されています。別途Oracleなどのデータベースソフトが必要になる高機能版では、データベースのスキーマが開示されます。

 Urchin(アーチン)

プロトン

・分類

サーバログ形式 & タグ形式

・製品POINT

 サーバログ形式のツールですが、より正確な情報を取得するためにタグ形式を併用することも可能です。Google AnalyticsはこのUrchinのテクノロジを使っているためインターフェイスが似ていますが、データの取得方法などが異なります。

 標準的なパッケージソフトで26万400円となっており、分析したい内容や規模などにより「コマース・モジュール」「キャンペーントラッキング・モジュール」といったオプションを追加します。

 Visionalist(ビジョナリスト)

デジタルフォレスト

・分類

ログ形式 & パケットキャプチャ形式 & タグ形式

・製品POINT

 タグ形式を基本としつつも、ログ形式やパケットキャプチャ形式での運用もできます。開発を自社で行っているため、プログラムの改修によるカスタマイズを行い、自社運用することが可能です。独自の分析基準がある場合は確認をするとよいでしょう。

 小規模サイト向けの価格体系として月額5250円からのプランも用意されています。サイトの規模や機能の差異によってさまざまな料金プランがあり、大規模サイトにも対応しています。

 WebConductor(ウェブコンダクター)

エーアイピーブリッジ

・分類

パケットキャプチャ方式

・製品POINT

WebConductorは、解析結果の確認に電子メールを使います。あらかじめ定型化されたフォーマットが用意されており、これに基づき作成されたレポートが毎日電子メールで配信されてきます。配信されるレポートはエクセルで開くことができるので、配信レポートに情報を追記するといった加工作業も簡単です。ライセンス料金は月額9万8000円の固定料金となっています。

 WebTrends(ウェブトレンズ)

アイ・ティ・フロンティア

・分類

サーバログ形式 & タグ形式

・製品POINT

 標準的なレポートはもちろんのこと、マーケティングや売り上げとの関連レポートを行うこともできます。従来はサーバログ形式のツールでしたが、現在はタグ形式にも対応しています。どのような機能を使いたいかや、サイトの規模に応じて価格が変わります。パッケージは19万7400円から、4種類がラインアップされています。

 番外編 Google Analytics(グーグルアナリティクス)

Google, Inc.

・分類

タグ形式

・製品POINT

 無料で利用できるので、すでにお使いの方も多いのではないでしょうか。アクセス解析ツールの1つとして使い勝手を試してみるのにはいいでしょう。ただし、サポートサービスに期待せず、疑問点は自力で解決していく必要があります。もっとも、個人で使っているユーザーも多く、市販の書籍もありますので、情報には困らないかもしれません。

 無料かつ高機能なツールではありますが、企業によってはデータの保証やサービスレベルなどが十分でないと判断される場合が考えられます。あらかじめ利用規約を確認しておくことが望ましいでしょう。



 ここまで、アクセス解析ツールについての概要と製品比較をしてきましたが、いかがでしたでしょうか? 自社で導入済みのツールの特徴を全体のツール群のなかで再確認したり、これからのツール選択の際に役立てていただけますと幸いです。
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 INDEX
アクセス解析ツールを比べてみよう
  Page1<なぜアクセス解析が必要か/アクセス解析ツールの分類(サーバログ形式・パケットキャプチャ形式・タグ形式/多様なアクセス解析ツール/導入までの費用と運用>
Page2<ClickTracks(クリックトラックス)|RTmetrics(アールティ・メトリックス)|SiteCatalyst(サイトカタリスト)|SiteTracker(サイトトラッカー)|Urchin(アーチン)|Visionalist(ビジョナリスト)|WebConductor(ウェブコンダクター)|WebTrends(ウェブトレンズ)|番外編 Google Analytics(グーグルアナリティクス)>



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