[事例研究] 株式会社マツモトキヨシ 3.アウトソーシングの積極活用で素早い導入・移行を達成 デジタルアドバンテージ2001/04/21 |
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導入を担当したCSKネットワークシステムズ(株) e−ソリューション部 部長 永島 誠 氏 情報システムの管理・運用コストを低減させるために、可能なかぎりアウトソーシングを活用する例が増えているという。 |
すでに述べているとおり、今回のシステムでは、社内の共有プリンタ/共有ディレクトリ用途として残されたメンバ・サーバを除けば、すべてのサーバ群が社外のデータ・センタに配置されている。見方によっては、ASPからさらにアウトソーシングを進め、社内LANの管理そのものにもアウトソーシングを活用するという形態である。このような形態は一般的なのだろうか? 「最近では、コスト高になりやすい自社での情報システムの管理、運用をなるべく減らしたいというニーズと、より高度なセキュリティを実現したいという2つのニーズから、アウトソーシングを積極活用する動きが一般化しています。今回のメッセージング・システムのような情報系システムではその動きが顕著ですね」(CSK Net 永島氏)。
システム設計を開始したのが2000年11月、そして2月には本社向けのサービス運用が開始された。「Exchange Server 5.5については導入実績もあり、CSK Netでもさまざまなノウハウがあったのですが、Exchange 2000 Serverの導入は今回が初めてでした。しかし社内LANを含めてすべてのサーバをデータ・センタに集中させていること、Windows 2000のActive DirectoryやExchange 2000 Serverは基本的に新規に構成したもので、かつ構成も比較的単純にしたので、早期に実運用を開始することができました。数百クライアント規模のメッセージング・システムを約3カ月強で運用開始したわけですから、かなり短期間で作業を完了できたと思います。今回のケースのように、Active Directoryを新規に構築するときには、Exchange 2000の導入は非常に容易です」(CSK Net 永島氏)。
店舗ユーザー向けの教育では、電子メールに加えてWord、Excelも
今回導入されたメッセージ・サーバ 当初はトラフィックもそれほど大きくないと想定されるので、将来のクラスタリングなども見据えつつ、単一サーバ運用を開始した。 |
店舗へのクライアント導入はこれからだが、これに併せてユーザー教育を行う必要もある。POS監視用として導入されたPCは使用しているものの、あくまで決まり切った定型業務でしかなく、応用が効くというレベルではないからだ。そこで和知氏が中心となって、現在操作マニュアルを作成中とのこと。教育といっても、忙しい店長にあまり負担をかけられないという理由から、1週間に3店舗くらいのペースで店長を呼び、講習を行っていく予定である。
ただしこの講習では、メール・クライアント(Outlook Web Access)の使い方だけでなく、WordやExcelなどのOfficeアプリケーションについても併せて説明する予定だ。「現時点でも、店長によってはPOP制作用に手元にあるパソコンを使いたいというニーズはあるのですが、混乱を避けるためにもそうした利用は禁止しています。しかし将来的には、すべての店舗で積極的にパソコンを活用できるようになって欲しい。そしてWordやExcelで作成したデータをメールに添付して自由にやり取りできるようにしたいと考えています。このためにも、WordやExcelといったOfficeアプリケーションの教育も併せて行っていきます」(マツモトキヨシ 和知氏)。
ユーザーの追加や変更など、基本的な管理はマツモトキヨシ側で、それを越えるものはハウジング側で対応
今回のケースでは、DCを始め、サーバをすべてハウジングしているが、ユーザーの追加(メール・アカウントの追加)や変更など、基本的な日々の運用と、トラブルや基本的な問合せなどはマツモトキヨシの電算部が担当している。そこで対応できないものについては、CSK Net側の窓口に通知され、そこで対処されることになる。「自社である程度自由なメンテナンスを行いながら、不明な点や問題点などについては専門家に相談できるという体制は、少人数で情報システムを管理、運用しなければならない私たちのような立場にとって、安心できるし効率も高いというメリットがあります」(マツモトキヨシ 和知氏)。
「従来使っていたOutlook Expressからの移行も、一部住所録の自動変換に多少問題があったことを除けば、ほとんど工数はかかりませんでした。現状ではまだ店舗への導入が本格的に開始されていない段階ですが、少なくとも本社のメッセージング・システムの運用では、特に問題は発生していません。システムの構築や導入がスムーズに運んだこと、そして運用を開始してからの信頼性には満足しています」(マツモトキヨシ 和知氏)。
目標は素早く正確な情報の周知徹底。将来的には月1回の店長会議の効率化も
今後、全店舗にメッセージング クライアントを導入していくわけだが、その最大の目的は、500店舗という多数の店舗に素早く、正確に情報を提供することである。まずは毎日送信されていた従来のFAXや、緊急性の高い情報伝達用の電話の代わりとして使い始めることになる。和知氏は、これらが簡単・確実な電子メールに代わるだけでも、かなりの効果があると予測する。
CSK Netデータ・センタのオペレーション・ルーム データ・センタでは、電源障害への対策などがビル全体で行われており、また専門のエンジニアが監視を行っている。マツモトキヨシのように、少ないスタッフで情報システムを管理・運用しなければならない企業には頼もしい存在である。 |
現時点の想定では、店舗からExchange 2000へのダイヤルアップ接続は1日に2〜3回程度を見込んでいるが、本社の営業担当者から店舗に伝えたい情報を調査したところ、販売支援情報など、予想外に大量の情報があった。どのような情報を伝えるかによるが、運用次第ではダイヤルアップの回数はさらに増えるだろうし、それがあまりに頻繁なら、安価な常時接続や専用線の導入を検討することになるという。
そして当面の目標の1つは、全店舗の店長を集めて毎月開催している店長会議の機能を迅速化、効率化することだ。「店長会議では、新製品情報などを中心として、毎回、数百ページに及ぶペーパー・ドキュメントを配布しています。これだけ大量になると、後で必要な情報を探し出すことはほとんど不可能です。しかも市場のニーズが日々変化する時代にあって、情報が月に1回しか得られないというのでは、いくら何でも遅すぎます。これだけ大量のドキュメントの配布をすぐにメールに切り替えるということはできませんが、可能なところから切り替えていきたいと思っています」(マツモトキヨシ 和知氏)。
将来はカンファレンシングをも視野に
今回CSK Netが行った提案の中には、複数メンバで音声や映像を利用した電子会議を開催できるExchange 2000 Conferencing Serverも含まれていた。「先に述べたとおり、当面の課題として、店長会議の効率化をいかに進めるかということがあります。電子会議システムの導入でこれが可能になるなら、もちろん前向きに検討したいですね。現在は検討課題として、調査段階にあります。またマイクロソフトさんには、社内ポータルを構築するSharePoint Portal Serverなどもあります。Exchange 2000やマイクロソフトのサーバ製品が持つ高機能性を活かして、効果的な情報化が進められるのであれば、何にせよ積極的に検討していきたいと思います」(マツモトキヨシ 和知氏)。
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INDEX | ||
[事例研究]株式会社マツモトキヨシ | ||
1.FAXと電話に依存していた従来の情報伝達 | ||
2.主要サーバ群はすべてデータセンタにハウジング | ||
3.アウトソーシングの積極活用で素早い導入・移行を達成 | ||
事例研究 |
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