検証
ネットワーク管理者のためのSkype入門 第1回

3.通話、電話会議を体験する

デジタルアドバンテージ+海津 智宏
2005/06/09

ユーザーを検索する(相手のSkype名が分からない場合)

 相手のSkype名が分からない場合には、SkypeのIDデータベースから登録された情報を頼りに相手を検索することもできる。ただし、本名などで登録しているとは限らないので、実際には、何のヒントもなしに相手を発見することは困難である。検索を実行するには、Skypeのメイン・ウィンドウのツール・バーにある検索ボタン(虫眼鏡のアイコン)をクリックするか、[ツール]−[スカイプユーザの検索]メニューを実行する。すると次のようなダイアログが表示される。

Skypeユーザーの検索用ダイアログ
相手の登録情報を頼りに、全Skypeユーザーから相手を検索することができる。ただし、何のヒントもなしに特定の相手を見つけるのは非常に困難である。
  ここに文字列を指定して検索処理を開始する。合致したユーザーがウィンドウにリストアップされる。

 上記ダイアログの右上にある[詳細検索]ボタンをクリックすれば、年齢層や性別、言語などの条件を絞り込んだ検索もできる。ただし、相手がこれらの情報を登録しているとは限らないので、仕事上の利用ではあまり役立たないだろう。

 運良く相手が見つかった場合には、その相手を先ほどと同様にコンタクトに追加することができる。

相手と接続して通話する

 コンタクトに追加された相手とは、チャットで会話することも、音声通話することもできる。文字によるチャットは割愛し、ここではSkypeの目玉機能である音声通話を実際に試してみよう。

 相手に通話を要求するのは簡単である。通信したい相手をコンタクト・リストで右クリックし、ポップアップ・メニューの[このコンタクトに発信]を実行すればよい。すると相手のベルが鳴り、相手がこれに応答すれば(呼び出しに反応すれば)、音声通話が開始される。

相手に通話要求を送る
相手に通話要求を送るには、コンタクト・リストで相手を右クリックし、ポップアップ・メニューの[このコンタクトに発信]を選択すればよい。

 込み入ったネットワーク設定などを行うことなく、いとも簡単に相手とつながるのでおどろくほどだ。またもう1つ驚かされるのは通話の音声品質が非常に良いことである。Windows Messengerなども音声通話機能を持っているが、比較してみると明らかにSkypeの方が音声品質が良いと感じる。このあたりについては、実際にインストールして使って実感してみていただきたい。

 最初に述べたとおり、1対1の通話に加え、Skypeでは最大5人までのボイス・カンファレンスを開催できる。以下は、skypetestuser01、skypetestuser02、skypetestuser03という3人のユーザーがボイス・カンファレンスを開催しているところだ。

 従来は高額な電話会社のサービスを利用するしかなかったボイス・カンファレンスがすべて無料で利用できるのも驚きである。

ボイス・カンファレンス
Skypeでは、最大5人までのボイス・カンファレンスが可能である。画面はskypetestuser01、skypetestuser02、skypetestuser03という3人のユーザーがカンファレンスで会話しているところ。

手軽な無料通話ソフトウェアだが、安心して使えるのか?

 以上、駆け足でSkypeのインストールから通話の実際までをご紹介してきた。実際に試してみれば分かるが、設定や操作は極めて簡単で、特別な知識がなくても誰でも簡単にインストールして使い始めることができる。

 エンド・ユーザーの視点から見たSkypeは極めて魅力的なソフトウェアである。ソフトウェアの入手は無料であり、インターネットへの接続環境があれば、何時間話していても無料、全世界をまたにかけた多地点ボイス・カンファレンスもできる。そして音声品質も申し分ない。高い国際電話料に長年慣らされてきた人は、「こんなことができてしまっていいのか…」と思うに違いない。

 しかしネットワーク管理者の視点に立つと、無条件に、もろ手を挙げてSkypeを歓迎するわけにもいかない。ファイアウォールの内側にある社内のコンピュータから、外部のインターネットに接続して通信などして安全なのか? 通信中にやりとりされるデータは途中で傍受されたり、改ざんされたりする危険はないのか? そもそも、ファイアウォールが存在するのに、Skypeクライアントはどうして接続できてしまうのか。実際、Windows Messengerの音声通話は不可能な環境でも、Skypeなら接続できる可能性が高い。これはいったいどんな仕組みになっているのか?

 管理者によっては、このようなえたいのしれないネットワーク接続は禁止したいと考えるかもしれない。しかしその場合でも、何をどうすればSkypeの通信をブロックできるのか?

 次回は、このような管理者の視点に立ち、Skypeの内部通信メカニズムについて探っていく予定である。End of Article


 INDEX
  [検証]ネットワーク管理者のためのSkype入門
  第1回 ユーザーから見たSkype
    1.Skypeの入手と初期設定
    2.Skypeのプライバシー設定
  3.通話、電話会議を体験する
 

 「検証」



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